表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
204/217

第204話 銘入り武器お預け

ゴーンの所に戻ると窯に火が入っていた。

チラホラと妖精も集まりだしている。

私が近寄ると、逃げる者、固まる者、無視してゴーンを見ている者、それぞれだった。


「ゴーンさん、その私を見て固まった妖精を貰ってもいいかな」

「そりゃええが、どうやって連れて行くんじゃ?」

「私の従者にする。それならいいだろ?」

「同意の上なら問題ないがの」


もちろん聞くよ、でも私の「私の仲間にならないか」という言葉には、ほぼ100%「はい」という返事しかできないけどね。

ゴーンの目の前で見せてやったら合意と受け取られるだろう。

騙したみたいで悪いね、ゴーンさん。


「そこの妖精、私の仲間にならないか」


「「「「はい」」」」ギャ!


私の額が何度も連続で光った。

え? あ! しまったー!

あー! やってしまった。仲間にするのが久しぶりだったので忘れてたぞ。

全員従者になってしまった。しかもゴーンやノームやアカまで。

軽率な行動を反省した所だったのに、またやってしまったなぁ。

まだ窯に火を入れたとこで妖精が少なかったから、まだ助かったよ。

危険なというわけではないが、こういう所から直して行かないといけなかったのになぁ。

しかし放っておく訳にはいかないしな、説明だけでもしておこうか。


「すまん、ゴーンさん。あなたまで私の従者になってしまった。でも、今までと変わらずここで好きなだけ武具創りをしてくれたらいいからな」

「御意!」

え? そうなるの? 「よっしゃ分かったわい」とかじゃなくて?

悪い事をしてしまってなぁ。でも、やる事は変わらないし、私達の所で食事もするんだし、『仲間』になった証と考えよう。従者ってのは消せないし前向き前向き。


「ノームとアカも今まで通りだぞ、頼むな」

「御意!」ギャ!


「・・・・話し方は今まで通りで頼むよ、こっちが話しにくくなるから」

「わかったぞい」「わかった」ギャ!

すぐに話し方を戻してくれた。

アカは変わらないね、念話も出来ないみたいだな。名付けるといいんだろうけど、これだけ言葉が通じてれば必用無いだろ。


妖精は・・・・・11匹か。仕方が無い、こいつらだけは名前を付けてやるか。


もう数字でいいな、仏語の数字をそのままでいいだろ。

アン、ドゥー、トロワ、キャトル、サンク、シス、セット、ユイット、ヌフ、ディス。

11ってなんだっけ? 10までって覚えるけど11以降なんて覚えて無いな。

1~5が火の妖精、6~8が土の妖精、8と9が風の妖精、10と11が水の妖精。

名付けると妖精は淡く光って精霊に進化した。

火は精霊サラマンダー、土は精霊グノーム、風は精霊シルフィード、水は精霊オンディーヌにそれぞれ進化した。

11の仏語は覚えて無いのでゾロメって名付けた。ゾロだったら男のイメージが強いので敢えてゾロメにした。全員♀だったからね。


ゴーンはここでハーレム状態だな。でも、ゴーンはそんな事よりも精霊になった事により、ほぼ銘入りに出来る事を喜んでいた。

ゴーンが「うぉっほー!」って叫んだから、ハーレム状態に喜んだのかと思ったら違ったようだ。

「これで傑作が今まで以上に創れるぞい!」って言ってたからね。

わかってたけど根っからの職人だったよ。

私も負けずに創りますよ。


ゴーンが今まで創った銘入りの作品は剣が5振り。鎧が1領。さっきの所には銘入りは無かったな、誰かが持ってるんだろうか。

今回のオーケアノス達の中ではオーケアノスが1振り持ってただけだからな。


銘入りの武具にするにはゴーンのように窯で創る場合は、火を入れて打ってる間に精霊の祝福を付ける事で銘入りになるようだった。


私の場合、【創生】で創ってしまうので、どこで祝福を入れればいいのか分からない。

窯なんて利用して創った事が無い。初めは【複製】だったしね。

分からないので、一度私が創っている所を見てもらう事にした。

素材はメタル系の狐の魔物、メタルフォックスでやる事にした。

メタルフォックスに右手を当てて、刀を創る。

もう慣れたもので1分で攻撃力1500のメタルの刀が出来上がる。

その創り方にゴーンや精霊達が目を大きくして驚き称賛してくれる。

称賛はしてくれるが、祝福を入れるタイミングが無いと言われた。

私には銘入りの武具は創れないと分かった。


残念だ。


出来上がった武器に祝福はできなかったし、【創生】の間にも、素材自体にも試してもらったが銘入りにはならなかった。

それなら、素材で勝負だ。

神鉱石で刀を創った。

攻撃力4000。ゴーンの創った剣と攻撃力は同じだ。

神鉱石の刀+3を創り、攻撃力を5200にしておく。

これで異世界金属の刀や銘入りにも負けない攻撃力は確保できた。

ただ、負けた感じが拭えないので今後も素材探しは続行だな。保険として皆の分を創っておこう、異世界金属(缶詰)は少ないしな。


今の内に元の世界に戻って、缶詰を大量購入して来ようか。

すぐに戻って来れればいいけど、時間を取られればこっちの問題が後回しになってしまうしなぁ。やっぱり今回は神鉱石の武器+3で辛抱して、先に神問題を解決しよう。


神鉱石をある程度収納して、アジトの屋敷で創る事にしよう。

銘入りは格好良いのでゴーンに創ってもらって、気に入ったものを私達で使わせてもらう事にするか。


銘入りは火の精霊が祝福を付けると『マグマリナ』、水の精霊だと『ボルテックス』、風の精霊だと『ウィンザード』、土の精霊で『アースウェイド』と付くようで、固定の銘が入るようだ。・・・羨ましい。

銘が入ると攻撃力が大体2割増し、属性の魔法が1、5倍。

しかも格好いいよな。

今は時間が無いから無理だが、今度ゴーンに窯での創り方も教えてもらって、絶対に銘入りを創ってやるぞ。

私が創って銘が入るんなら『タロウ』って入るんだろうか、それはちょっと恥ずかしいかもな。


ゴーンがメタルの素材に興味があるようだったので、クリスタルボックスに100体程入れ替えて渡してやった。

精霊達はここから出る事も無いだろうが、結界は通れるように書き換えておいた。



アジトの屋敷に戻り、全員集合。クィンとヨッコには谷の神殿と海底神殿と空中神殿の場所を教えて【監視】を続行してももらう。


「明日、3方向に分かれて一斉に攻撃を開始する。相手は神だ、マーメライの海ではリク達が相手をしたからわかっているとは思うが、手強い相手だと思う。ただ、お前達の方が強いので油断をしなければ勝てる相手だと思う」

こういう話だと真剣に聞いてるよね。目が輝き過ぎな気もするけど。


「しかもゴーンが創った優秀な武器も持ってるようだ。それに関してはこういう物を明日までに創って皆に配るから武器に関しては問題無いはずだ」

そう言って神鉱石の刀+3を見せる。


キラーン! 全員の目が光る!


どよめきは起こらない。まだ話が途中なのが分かっている。戦いの詳細を聞くまでは我慢してるようだ。

バトルに関してはこいつらは貪欲なのだ。


「3班に分かれて一斉に攻撃するのには訳がある。神同士は連絡が取り合えるようなんだ。だから時間を決めて一斉に攻撃を開始する。一斉に攻撃を開始する事で、与える情報を少なくしたい。援護にも出られないしな」

話を聞いて無い? 目は神鉱石の刀+3に釘付けだな。

刀を仕舞うと目線が私に戻って来た。


「谷の神殿には私が行こう。海底神殿にはココアがリーダーで、空中神殿はリクを中心にドラゴン系が飛べるからいいだろう」


今回は少数精鋭で行く事にした。

私と同じ谷組は、ミルキー、ソラ、ショーン、イロハ、アゲハの古株組。

ココアの方は、マーメライの海で戦ったカイン、ヒナタ、ヒマワリと、【雷】を持つナナとそのコンビのシロウ。シロウのユニークスキルは【ダンジョン】だから今回も使いどころは無いだろうな。

空組はリク、ノアに加え、【錬金】コンビのニコとゴロウ、【潜行】コンビのキュータとパーチ。

残りの者はアジトの食堂に残って【監視】で見張ってるクィンとヨッコをサポート。逃げる者がいれば、すぐに対応できるようにしておく。


決行は2日後、一晩あれば武器を用意できるが、念のため1日置いて抜けた所が無いか再確認する事にした。

最近はウッカリが続いてるからね、念の為だ。

【潜行】コンビのキュータとパーチには、それぞれの神殿の近くに転送ポイントを創ってもらうように短刀を3本渡しておいた。

それぞれの準備が終わり、決戦の日を迎えた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ