第20話 仲間スキル
アラハンの息が整うのを待って話を続ける。
秘書のマリオンさんは買取確認ができているか確認してきますと言って、とっとと避難している。
「これでも私も引退したとはいえ元冒険者の端くれ。Aにも届こうかというBランクの冒険者でした。パーティランクではAでしたのに。でも、わかりました。確かに実力は身をもって確認できましたから。しかも、その方が一番弱いとは。」
ハハハ。苦笑いしか出て来ねーわ。
「では続けましょう。聞きたいことは3つ、いや4つあります。質問が2つ、要望と確認が1つずつ。もちろん答えられる範囲でかまいません。」
まだ続けるんだね。根性アルネ、アラハンさん。
「質問としては、あなたたちはどこからこの町に来たのかと、この魔物たちはどのエリアで捕えたのかということです。」
「別に隠すほどのことかどうかも分からんが、来たのはここから2日ほど行った祠だ。魔物は、すべてその近くで捕えた。」
「祠?ですか?それは丘の石碑の先の祠のことでしょうか?」
「あー、そういえば野宿したところにあったなぁ、石碑が。確かに丘だったよ。」
「それを聞けば少し納得です。あの石碑には不思議な力があるようで、祠から出てきた者を守るという言い伝えがあります。ただ、文献でも古いものしかなく最近では知らないものも多いようです。あの辺りは魔物も多く、あまり人が近寄らないですから。」
祠から来たということは、半信半疑ながらも信じてくれたようだ。
石碑が祠から出てきたものを守る、か。元の世界への足掛かりになるかもしれない。
「次は要望と確認です。タロウさんたちは、何か予定があるんですか?できれば残っていただき、ギルドから・・・というよりは私からの直接の依頼を受けてほしいと思っております。いかがでしょうか?」
「ギルドマスターから直接って・・通常でAランク。非常時でCランク以上の依頼では無かったか?」
「確かにそうです。その通りです。ですからまずは、ギルマス権限であなたたちをCランクに引き上げようと思います。その上で更に上のランクを目指されるのなら相談に乗れるかと思います。」
「今日登録したものがCランクって大丈夫なのかい?」
「その権限を持っているのがギルドマスターですから、なんの問題もありません。」
Cランクからは更新不要、更新料なしだったな。悪い条件ではないな。
「わかった、受けようと思うが、二人ともいいか?」
「うち わかんないからまかせるー」
「主様のお考え通りに。私は主様に付いていくだけでございます。」
なーんか聞いた私が悪かったのか? 相談できる仲間が欲しいー
――【仲間】スキル起動します。
『おーい!やっぱり起動してなかったのかよー』
――東の国では起動できませんでした。西の大陸に来てキーワードが入力されましたので起動されました。
はいはい、なんか今は考えたくないよ。
あ、今はアラハンさんね。
「その提案、受けよう。」
ちょうど買取清算が終わったと報告に上がってきたマリオンさんにアラハンから事情説明があり、Cランクカードへの更新手続きをすることになった。
依頼に関しては明日、改めてということで精算金をもらいギルドを出た。
金貨500枚超えということで、なかなか一度でここまでの金額を持って帰るものはいないらしい。
待望のパンツを購入し、宿へと帰って来た。
先に風呂に入りその後食事を済ませ、今は部屋に戻って寛いでいる。
今日はすることがないので二人がヒマそうにしてたから、お小遣いを渡して町でも散策してくるように勧めた。私は確認することがあったので部屋に残ることにした。
そう確認。まずは【仲間】スキル。
発動条件は
・仲間になるか?と声を掛ける。
・体力を削る。削れば削るほど仲間になる確率が上がる。
・物をあげる。その魔物にとって価値のあるものほど確率が上がる。
・魔物にしか使えない。
・同じ種類の魔物を仲間にする場合は確率が上がる。
魔物にしか使えないのかぁ。じゃあ、しゃべれる魔物がいいか?
しゃべれる魔物っているのかな? ソラやココアはしゃべってるけど。
この町の名前はロンレーンだった。
この町がこの西の大陸のどの位置にあり、元の世界に帰れる手がかりをつかむためにはどうしたらいいか。
果たして帰れるのかどうか。
地図は無いのかな?
丘の石碑も気になる。
小判の使い方。これは換金所にもう一度聞きに行けば分かるかもしれないな。
他に有効なアイテムなどは無いのか?
魔法は魔法屋があったのでそこで聞けばいいか。
この町を拠点にするのならこのまま宿ってわけにもいかないか。
家って買えるのか?
周囲の魔物に関しては【那由多】があるし、食べれるかどうかも判断してくれるからいいか。防具はもう今更って感じはあるけど、武器は強力にできないかなぁ。剣とか魔物の素材でなんとかなるんだろうか?ほかの武器スキルも上げてみたいし。
野宿はもっと増えてくるだろうし、もっと快適にできないだろうか?
乗り物なんかも無いかなぁ
ま、明日ギルドに行って、話を聞いてから考えよう。




