表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
188/217

第188話 バーミ

リクに馬車を引いてもらい、霊峰パルナッソス山に向かった。

霊峰パルナッソス山にはすぐに到着した。馬車のまま山頂を目指す。

山の中腹にはたくさんの人間がいた。少し遠くて【鑑定】が出来なかったが、あれは道士で間違いないだろう。白仙の話しからすると仙人になるために呼吸法の修行中なんだろう。魂を食うって呼吸法を習得して魂を吸ったりするのかもな。

「リク、この辺りは神精気が多いという話しだ。大丈夫か」

「何言ってんだよ父ちゃん、おいら達はエルのせいで聖耐性を持ったじゃないか」

あ、そうだったな。でも『エルのおかげ』じゃないんだな。

「じゃあ、問題無いな。このまま山頂にいると思われるバーミという奴を探そう」

「もう見つけてるよ、もうすぐ到着だよ」

バトルになると仕事が早いね。

「先に言っておくぞ、仙人とバーミは私が受け持つからな。あと道士が来ることがあったら、そいつらの面倒を頼むぞ」

「えー、そんなの無いよ。おいら達の相手は雑魚なのー?」

「あいつらは倒して泡になっても復活するんだ。私が【仙道】を盗むと復活できないようだから、私がやるしかないだろ」

「ちぇー、わかったよ父ちゃん」


山頂に着くと大きな瓦屋根の大きな家を取り囲むように各方位に小さめの家が建っていた。

真ん中にある大きな瓦屋根の家は少林寺に本殿に似た家で、他の小さめの家も瓦屋根だった。小さな家同士は渡り廊下で繋がっていて上から見ると口という字になっている。正面の小さな家だけは門の役目も果たしているようだ。

その門の前には広場があったが、そこには100人を超す同士が集結していた。まだまだ登って来ている者達もいる。

「あいつらはやっつけてもいいんだよね」

「道士だろうな。道士なら【仙道】を持って無いからいいぞ」

「行くよー」

「では私も」

ソラとココアがさっさと馬車を飛び降りて行く。

「あ、汚ねー! 父ちゃん、早く降りて」

私も急いで飛び降りるとリクは空中で人型に変身し馬車を収納。慌ててソラとココアの後を追って行った。

私は飛行の指輪を填めて、そのまま真ん中の大きな家に向かった。


大きな家の前には仙人が待っていた。

「お前か! お前が黄仙、白仙、青・・・」

【鑑定】と間髪置かずに【ロブギフト】発動!

泡となって行く仙人の横に着地、そのまま大きな家に入って行く。

入り口の境に仙道結界が張っているが私は結界に邪魔されること無く入って行く。

入って行くと仙人が2人いたが、同じく何か言う前に【鑑定】と【ロブギフト】発動!

2人の仙人も泡となる。あと1人とボスだな。

大きな広い道場という感じの板の間の部屋で、部屋の奥に地下への階段があった。

躊躇う事無く階段を降りて行く。

また階段を降りた所に仙道結界があったがここもスルー。何の抵抗も無く部屋へと入れた。

地下の部屋も1階と同じ広さだったが、床は石畳になっており中央には1段高い丸い舞台があった。舞台の中央には八芒星が書いてあった。

なんか格好良いな、真似する事は無いと思うけど解析だけしておこう。

――八芒星魔法陣、解析完了しました。

え? 今まで無かったのが逆に不思議だよ、持ってると思ってたな。


舞台の解析も終わらせた。特に効果の無い普通の舞台だった。

舞台自体は普通なんだが、何か違う。形もおかしい。

舞台の周りを1周してみた。下か! この舞台ってまわり舞台になってるぞ。

「ふん!」丸い舞台を1/4周回した所で、ガコン! ギィと音がした。

舞台の裏側に回ると下への階段が現れていた。

すかさず階段を降りて行く。

そこには魔物が横たわっていた。見た限りではミザイバードで間違いないと思う。

総本山でアメーリアと執事が襲われていた魔物だ。神鳥バーミリオンと似てるらしいがバーミリオンをまだ見た事が無いのでハッキリとは言えないが、ミザイバードだと思う。

【鑑定】では魔物の死骸と出る、死んでるようだ。

ミザイバードの死骸に近付き様子を見て違和感を覚えた。

なんだろう・・・・「!」傷が無いんだ。こいつはどうやって死んだんだ?


ホーホッホッホッホ

奥から女の笑い声が響く。奥にまだ部屋があったようで、部屋の中から女が出て来た。

私も女の方へ向かって歩き出す。が、部屋の真ん中にも仙道結界があり、今度は通り抜けられなかった

「あなた何者なの? ようやくあなたの通れない結界が分かったけど、ありえないわよ。あなた人間なの?」

無礼な事を言いながら出て来た女は、真っ黒なワンピースに長いストレートの黒髪で切れ長の目をして真っ赤な唇をした妖しげで美しい女だった。



【鑑定】

名前: バーミ♀7677歳 バーミリオン LV67

HP2005 MP2323 攻撃力1887 防御力1863 素早さ1955

スキル:【変身】【超速再生】【召喚】【(タオ)

ユニークスキル:【羽化登仙】【九聖術】

称号: 聖仙



色々持ってるな。仙人の親玉って感じはあるよな。これだけの力があって、これ以上何がしたいんだ?

「私はもちろん人間だ。お前が仙人達の親玉か」

「親玉って言い方なんて嫌だわ。聖仙様って言ってくれてもいいわよ」

「・・・・・」

「まあいいわ。あなたのお仲間さんね、この緑仙を進化させてくれたのは。ありがたく頂いたわよ。そのおかげで、さっき【九聖術】を持つことができたわ」

「なんだその【九聖術】とは」

「あなたに言ってもわからないでしょうけど、簡単に言うと仙道を極めたって事かしら」

「緑仙も食ったのか」

「ええ、ありがたく頂いたわ。緑仙も喜んでたわよ」


喜んでる訳無いだろ、こいつが元凶だろ。仙道を教えてるのもこいつじゃないのか? 仙人に万寿仙になれると唆して全部こいつが食ってるんだろうな。くそ、この結界を通らないと倒せないぞ。

でもこの結界はなぜ通れないんだろ、【那由多】解析できないのか。

――できません。


あいつが張った結界だろ? じゃあ、あいつのものを全部取れば通れるようになるんじゃないか。

【ロブギフト】発動!

【変身】【超速再生】【召喚】【(タオ)】【羽化登仙】【九聖術】スキルを全部盗ってやった。


――統合しますか?

そうだな、このままでは結界も通れないし、少し時間は掛かってもいいから統合しようか。統合する。


――【コールフリー】【仙道】【仙道】【仙道】【仙道】【仙道】【仙道】【仙道】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【千里眼】【召喚】【(タオ)】【羽化登仙】【九聖術】を【那由多】に統合します。

ユニークスキル【那由多】がユニークスキル【那婆(なば)()】に進化しました。

統合した事により、すべての【結界】【仙術】を【那婆(なば)()】を通して使えるようになりました。


名前: 佐藤 太郎♂21歳:人族 LV136

HP15880 MP15633 攻撃力15774 防御力15898 素早さ15222

スキル:【亜空間収納】【複製】【変身】【無限再生】【通過】【痛覚無効】【思考倍速】【MP消費減】【変身】【超速再生】【召喚】

ユニークスキル:【那婆(なば)()】【クロスランド】【創生】【ロブギフト】【マジックフリー】

称号: 東の国の冒険者 鍛治神金山彦 クリエイター ダンジョンマスターキラーW

従者: ソラ・ココア・ノア・ミルキー(アトム・ドレミ)・ショーン・アゲハ・イロハ・ララ・ロロ・カイン・デルタ・ヒマワリ・ヒナタ・リク・ユニコ・ジョーカー・エース・クィン・ジャン・ジャック・イチジロウ・シロウ・ニコ・ミコ・ゴロウ・ヨッコ・ムロ・セブン・サジ・モイチ(山本一郎)・ハル(ハルナ)・ケン(ケンジ)・エルミナ・レイ・アーリー・イチコ・サブロウ・エイタ・ムツミ・ナナ・キュータ・トータ・パーチ・ピア・ユウト・チビ・トオル


結界を解析しますか。Yes/No

もちろんYes


結界の解析完了と同時に結界が消えた。

「な、なに? どうして結界が消えたの? うん! ふん! はん! あれ? 結界が出ないわ」

「残念だったな、終わりだ」

刀を一閃! バーミを倒した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ