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第187話 ドリュアスの村の護衛


ドリュアスの村に転移して来たら【サーチ】で周辺を確認。

アメーリア、エル、リクがいる事を確認した。世界樹の所にいるようだ。

無事だったか。

ホッと胸を撫で下ろし、世界樹へと急いで向かった。


世界樹の所まで来てみると、仙人が2人縛り上げられていた。ドリュアスや他の精霊や妖精も仙人を取り囲んでいる。

「あ、父ちゃん! 今連絡しようと思ってたとこだよ」

囲みの中からリクが出て来た。

「ああ、無事で良かった。皆怪我は無いか」

「うん、怪我は無いけど、エルが落ち込んでるよ」

「エルが? エルがどうしたんだ?」

確かに少し離れた場所でエルが落ち込んでいてアメーリアが慰めている。

「あ、タロウ様」

アメーリアも私を確認して声を掛けて来たが、エルが落ち込んでるのでその場を離れられないようだ。2人の元まで近寄って尋ねた。

「エルがどうかしたのか? 怪我はしてないようだが」

「はい・・・その・・・」

「お父様、私はダメです。全然戦力になれませんでした。それどころか私の攻撃は敵に対して回復になるようで、リクさんの足を引っ張ってしまいました」

神精気をエネルギーとするような奴らなら、確かにエルの【聖王気】は回復になってしまうな。

「相性が悪かっただけだ、そんなに気にすることは無い。リクが倒してくれたんだろ? それならまた次に頑張ればいいじゃないか」

「そうですか?」

「ああ」

「そうですよね、じゃあ、次は頑張ります」

次も出番は無いと思うけどな。相性が悪いんだから仕方が無いよ。


エルも少し落ち着いた様なので拘束されている仙人の所へ来てリクに尋ねた。

「こいつら何をしてたんだ?」

「前の時と一緒だよ。世界樹を占拠してたんだ」

「申し訳ございません、私達が力無いばかりにご面倒をお掛けしまして」

横からドリュアスが話しに加わる。

「お前が悪いんじゃない、1番悪いのはこいつらだ。だが、私も考えが足らなかったな。護衛を置いて行くべきだったよ」

ここはエルに名誉挽回させるか、次もあるかもしれないしな。


「エル! 頼みがある」

「何でしょう、お父様」

まだ落ち込んでいるエルがトボトボやって来る。

「エル、ここの護衛をお前の【精霊王召喚】で出してやってくれないか? 精気を出さない奴もいるだろ? さっきも召喚して戦えばよかったんじゃないのか?」

「やります! 確かにそうでした。そうすればよかったです」

お、元気が戻って来たな。

「任せていいか?」

「もちろんです!」

【精霊王召喚】! ユグドラシル! アイポロス! ヴァルキリー!

エルが3体を同時に召喚した。

50メートルはあるのではないかと思える樹と、ライオンヘッドで兎の尻尾の魔物? と、羽の生えた女戦士を召喚した。

「ユグドラシルはユッキー、アイポロスはアイ、ヴァルキリーはヴァルと名付ける」

召喚された者達は名付けられた途端、淡く光って縮んで行き、ユッキーとアイは人間の姿に変身した。ヴァルの外見に変化は無かった。3人は世界樹の前に来てエルの前で平伏した。

「お前達に命令します、この世界樹を守れ!」

「「「ははっ!」」」

ユッキーと名付けられたユグドラシルは、あれだけ大きかったにも関わらず140センチぐらいの女の子になった。

アイと名付けられたアイポロスは180センチぐらいのパワー系ファイターの女の子に。

ヴァルと名付けられたヴァルキリーは容姿はそのままだが、明らかに格が2段階ぐらい上がるのがわかった。もちろん女剣士である。

3体とも半神クラスじゃないの? ハリキリ過ぎだ。

「え、え、エル様、これでは私達の出る幕がございません」

ドリュアスが召喚された3人に怯えながらエルに伝えた。

「張り切り過ぎちゃったかな、ゴメンなさい」

確かに凄いわ、こんなのうちの連中以外で勝てる奴いないだろう。

「でも、ここはドリュアス達を守ってもらわないといけないからキチンと言っておきます。ユッキー、アイ、ヴァル、あなた達はこのドリュアスの命令に従うのよ、わかった?」

「「「はい!」」」

3人のその返事だけでドリュアスが気圧されている。


んー、これじゃあ可哀相だな。

「ドリュアス、そのままじゃこの3人に圧倒されて世界樹の世話や村の管理も儘ならないだろ。エルか私が名付けをしてやろうか? エルもできるんだろ?」

「はい、ドリュアスなら精霊だから大丈夫です」

「そ、そんな恐れ多い・・・」

「反対では無いんだな」

「もちろんです。世界樹の神子様に名前を付けて頂けるなんで光栄すぎて」

やっぱりエルが上か。精霊はそうなるんだな。

「じゃあ、エル。付けてやってくれ」

「はい、あなたの名前はドフィにします」

ドリュアスが淡く光った。大きさは変わらなかったが身体のベースになってた色が緑から承和(そが)色に変わった。艶消しの黄色みたいな感じの色だ。

ドフィと名付けられてドリュアスからヴァナディースに進化した。


【鑑定】

名前: ドフィ♀3070歳 ヴァナディース LV44

HP1876 MP1966 攻撃力1558 防御力1601 素早さ1530

スキル:【変身】【超速再生】【精霊召喚】

ユニークスキル:【精気】

称号: 村の長



こっちも半神クラスか、エルも力を付けたなぁ。


これでこの村も世界樹も今後は大丈夫だろう、あとはこいつらだな。

「さてこいつらだが」と縛り上げられている2人の仙人に視線を向ける。リクに力の差を見せつけられたんだろう、大人しく観念している。

「父ちゃん、実はもう1人いたんだ。そいつはエルの攻撃を受けて進化したんだよ。先にそいつを倒したら泡になったから、こいつらは縛り上げてやったんだ」

「進化?」

「うん、ミザイバードって魔物になった」

「ミザイバード?」

それって総本山でアメーリアを襲った魔物の名前じゃないか。バーミリオンに似た鳥の魔物だったよな。さっきの白仙の話しだと進化は万寿仙になるんじゃないのか?

話しが噛みあわなくなって来たぞ、どういう事なんだ?

縛り上げられている2人の仙人に向かって質問した。

「お前達は進化したら万寿仙になるんじゃないのか?」

「なぜ仙人だけの秘密を知っておる」

「それは白仙から聞いたからな。奴は倒して来たよ、もう復活はできないだろうな」

「倒した? 復活できない? どういう事じゃ」

「お前達仙人って人間としては有り得ない年齢だよな。それって【仙道】があるからだろ? その【仙道】が無くなったらどうなるんだ?」

「ま、まさか、そのような事ができるのか」

「だから黄仙も復活できなかったって聞いたぞ」

「ま、待て、まさか儂たちも・・・」

「そうだな、お前達は魂を食って仙人になったんだってな、その時点で排除対象だけどな。お前達も白仙と同じぐらいの知識なんだろ? それなら場所もわかってるし親玉に会って聞けばいいよな」

「バーミ様の事か、あの方は素晴らしい方じゃ。仙人になれたのもあの方のお陰じゃ。バーミ様に手を出す事は儂らが許さんぞ」

「別に許してもらわなくてもいいさ。私は私のやりたいようにやるだけだ。たくさん人や魔物も殺して来たんだ、今更誰かに許してもらおうとも思って無いさ」

【ロブギフト】発動!

2人の仙人の【仙道】と【千里眼】を盗った。2人の仙人は泡となって消える。


さて次は親玉のバーミって奴だな。バーミってバーミリオンの事じゃないだろうな。まさかそんなストレートな事は無いよな・・・


「ドフィ、霊峰パルナッソス山ってどこにあるか知ってるか?」

「パルナッソス山でしたら、この森の奥に見えるあの山がそうです」

あれか、結構ありそうだが走っても1時間ぐらいか。リクに引いてもらったら一瞬だな。

仙人もあと4人だな。そのうち1人はミザイバードに進化? したって事だがリクに倒されたんだよな。でも【仙道】を持ってるんだから復活してるんだろうな。

「リク、馬車を引いてくれ。ソラ、ココア、行くぞ。アメーリアとエルはここで待っててくれ、お前達の能力は相性が悪そうだ。ユッキー、アイ、ヴァル、ここを頼むぞ」

「「「はい」」」


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