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第158話 仙道

でも結界らしきものは持って無いな。【仙道】ってのが怪しいか。

だいたい仙人って雲の上の存在で偉いって思ってる人が多いけど、結局我が侭なんだろ? 自分のやりたい事をやって我が侭を極めるって感じだろ? しかも私とエルで創った世界樹を占拠するとかダメだろ。

そんな奴の物は盗ってやれ。


【ロブギフト】発動! 【仙道】を盗った。ついでに【千里眼】も盗ってやった。


――【仙道結界】解析完了しました。続いて【仙道】の振り分け・統合をしますか?

Yes/No


それは今はいい、後でしよう。

やっぱり、予想通りだったな。この世界樹に張っている結界も解除しよう。


リクとチビと私は入れたのにアメーリアが入れないなんて、どういう結界だったんだ。

――【仙道結界】には設定が施してありました。人、精霊、魔法だけが通れない設定にしてありました。


だから魔物であるリクとチビは通れたんだな。でも私は人間だぞ? 仙人も人間だろうけど、たぶん自分は通れる設定にはしてあるはずだ。だから仙人は人間でも通れる例外だとして、私は例外ではないだろ。その辺も聞いてみないとな。

そういう細かい設定なんかも出来る結界なんだな。ということは私達が『壁』と呼んでいるものだと何も通れないという設定にしてあるんだろうか。やっぱり戻って実際に解析してみないとな。



『【那由多】? 盗んだものを渡すと私は忘れてしまうのか?』

――いいえ、【那由多】にバックアップされてますので忘れません。

『じゃあ、こいつに返せるの?』

――従者ではありませんので渡せません。


あ、そうだった、【ロブギフト】で与えられる者は従者だけだったな。


こいつをどうしようか。

悪者は決定だが、こいつの考えだけでやったのか、なんでこんな事をやったのか。理由を知りたいな。


「あれ? ここにいた奴は? 仙人はどこに行った?」

今までいた仙人が消えていた。ちょっと考えている間に消えてしまった。


「わかりません、急に泡となって消えました。」

「泡になった? 逃げたんじゃないのか?」

「逃げてはいません、さっきの感じからして死んだと思います。」


ん? もしかして【仙道】を盗ったから? 人としてありえない年齢だったよな、998歳だったか。仙人の力の【仙道】で生きていたんなら盗られれば死ぬか。

確かにそうだ、悪いことしたな。悪者だったから余り罪悪感は無いけど。何も聞けなかったな、声すら聞いてないよ。なぜ私が結界を通れたのか聞きたかったな。


998歳って事は1000歳になったら何かあったのかもな。

それでも世界樹の占拠はダメだろ。


「ドリュアス、問題は解決したが原因は分からなかった。すまん、私のミスだ。」

「いいえ、とんでもない事でございます。あのままでは私達にはどうする事も出来なかったかもしれません。ありがとうございます。」

「あとの世界樹の管理は任せてもいいよな?」

「もちろんでございます、それこそが私の使命でございます。」

「さっきの結界も張っておいてやるよ。聖なる気が出ない魔素が入らない、そういう設定で張れば問題無いだろ。」

「そ、そんなことまで・・・。さすがは世界樹の父に選ばれる方でございます。」

「どの辺りまで囲めばいい?」

「森全域は無理だとしましても半径10キロは欲しいところでございます。」


『【那由多】、どうだ? どの辺までなら出来そうなんだ? 初めてだから分からないんだ。』

――森全域でも可能です。魔法は魔素から作られますが、仙道は個体の持つ気から作られます。気というのはどんなものからでも出ています。木でも水でも石でも、この地球上のすべての物が持ち少しずつ放出もしています。その気を利用して作り出しますので範囲は無限です。自分の気を使う必要が無いのです。


『ということは、凄い威力の火の仙術も使えたりするわけか?』

――それはできません。遠く弱い気はその場では利用できますが自分の所に持って来れません。広範囲仙術はできますが、よほど大きな気の持ち主ではない限り高威力の仙術は放てません。ウルフォックスメンバーでは他にソラとココアと勇者のモイチ、ハル、ケンです。


へぇ、じゃあ今度教えてやらないとな。でも、今はこっちだな。

【仙道】で【仙道結界】を森全域に張った。

【仙道】を発動する時に少しだけMPを消費しただけで、森全域に渡る結界なのに全く何も消費しなかった。ここにいる必要も無さそうだ。


「ドリュアス、結界は上手く張れたぞ、森全域に張れたから森の外から魔素が流れ込むことは無いし聖なる気も森から出ることは無い。」

「流石でございます。」

「これで私達は帰る事にするよ。帰ってエルを休ませてやりたいんだ。」

「確かに大分お疲れのご様子、早く休ませてあげてくださいませ。」

「お父様、私は大丈夫です。」

「その元気は帰り道に取っておいてくれ、またあのコスモの所を通って行かないといけないからな。」

「あそこですか、慣れない場所ですものね。わかりました。」

「じゃあ、ドリュアス、後の事は任せるな。」

「かしこまりました、道中お気を付けください。私達はいつでも歓迎いたしますので、またお越しください。」

「ありがとう。」


私達は待ち合わせ場所まで短刀で転移した。


すでに山チームも海チームも帰って来ていた。

報告を聞くと山チームは一気に山まで飛び、2人でチームを組んで探索をして魔物を獲っていたそうだ。コスモ系が多く獲れたと言っていた。出してもらったが、どんだけあるんだというぐらい獲っていた。

1人500体、12人分。これは解析だけでも大変だ。よくそんなにいたよな。

途中で仙人を名乗る者にこのチームも出会ったらしい。

いきなり「儂は白仙、仙人の結界に勝手に入って来るものは排除する」と言っていきなり攻撃されたらしい。

当たり前だが迎撃する。見た事も無い攻撃で透明な空気の固まりの様な物を飛ばして来たらしい。初めて見る攻撃に期待をしてイツミが牽制に槍を伸ばしたら仕留めてしまったらしい。回収しようとしたら泡となって消えてしまったそうだ。こっちと同じだな。

あとは全員でコスモ系祭りだったそうだ。


これもコスモの言ってた私に役立つものなのかな。


海チームは2チームに分け浅瀬と沖に分けて探索した。

浅瀬では青仙と名乗る仙人が山チームの時と同様に、泡となった。その後は浅瀬で海系のコスモ系祭り。

沖チームはクジラ系の魔物を100頭獲って来た。

コスモ系は1人1000体と多いが浅瀬組だけだったのでおよそ6000体。クジラは群れでいたので全部討伐&回収したそうだが、このクジラがデカい。

1頭は500メートルあってデカいんだが、1頭だけその3倍ある奴がいた。長さだけならジャンよりデカいんじゃないかな。ボスなんだろうけどね。

こんなに獲りまくっても良かったのかね、世界樹を創ってしまった私が言うのもおかしいんだけどね。


クジラをこのまま持って帰っても解体する場所が無いので、この場で90頭解体した。

1番大型のやつは解体しなかった。解析や素材として確認したかったからだ。

解体も全員でやったから早かったが、それでも1時間掛かった。デカすぎるんだよ。



いつも思ってるが、こいつら情報取集なんてする気ないよな。

絶対人との接触はしないし、すぐに魔物の討伐に行くし。

偶々獲った魔物がいい情報を持ってるとか、勝手に討伐してしまってたとか。

自主的に情報を持って帰ろうって奴がいないよね。

次からは何か考えよう。大勢を連れて行くんならそこを考えないと時間の無駄になるだけだからな。


ここの仙人やコスモ系もまだまだ秘密はありそうだし、近いうちにまた来よう。

次は人選を絞って日数を掛けたいな。

『仙道』か、仙人の目的もわかってないし、このまま放置したら世界樹にまたやって来そうだ。

元の世界との時間の流れの違いも気になるし、エルもゆっくり休ませたい。世界樹の所なら復活も早いだろ。


皆に帰る事を伝え、全員揃っていることを確認した。

異空(コスモ)間門(ゲート)】を作り先に全員を通らせる。最後に私が入りコスモを呼んでみる。


「コスモ! 出て来てくれ。」

コスモはすぐに現れた。

「よぉ、楽しめたかい? いいものがあっただろ。今後も楽しませてくれよ。」

「いつもと違った分、刺激はあった。確かに私に必要な物は見つけられたと思うよ。」

「それは良かった。もう帰るんだろ?」

「ああ、頼む。」

「もう準備はしてある。」

すぐに私達は光に包まれた。


眩しさが落ち着いて来るとジャンの背中のアジトの屋敷前だった。

どこにでも帰らせられるんだな。


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