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第153話 入り口の許可

149話と150話の内容を入れ替えました。

場所は聞かなくても1本道だった。

この神殿のある場所は広いが袋小路の様になっており、その入り口一帯をシーサーペントが縄張りとしていた。


情報よりは多い20体程いたが私の敵にもなれない程弱かった。

サクサクっと10体倒したら、デルタも負けじと10体倒していた。


「あれ? デルタもメタルフロッグの指輪をしてるんだな、お前には必要ないだろ。」

「いいえ、この指輪の良い所は呼吸できる事では無く縦横無尽に自在に動ける所にありますのでな。使わせて頂いておりますよ。」

「あとはクラーケンだな、どうする? 一緒に倒すか?」

「タロウ様が出れば私の出番がなくなりますわい。まぁ見ていて下さい、私もダンジョンマスターキラーWですからのぉ。」


そう言ってデルタはクラーケンに向かって行った。


クラーケンは足が13本ある蛸と烏賊の間の様な魔物で、13本ある足からも枝分かれした足が生えていて自在に動かしていた。

話せる魔物かもしれないが排除対象だから話し掛けない。


デルタはまず邪魔で鬱陶しい足を全部切り捨てた。

そうなると何もできなくなったクラーケンが墨を吐き一帯を墨だらけにした後、氷の魔法攻撃を放って来た。

デルタは氷攻撃が放たれた方向とは全然違う方向から現れクラーケンを切り捨てた。


倒した魔物達は収納した。


「デルタは魔法が得意だったんじゃなかったか? 世界樹の杖を渡した覚えがあるんだが。」

「はい、もちろん魔法ならすぐに倒せましたが、魔石まで壊してしまう恐れがありましたからな。ダンジョンではいつも剣か槍を使っておりますし、今回も剣で倒したのです。」


そういうことか、考えてるじゃないか。デルタは戦闘狂とは言えないと思ってたが、やっぱり魔物だしな。戦いは基本なんだな、出会った頃と比べても2~3倍は強くなってるようだしな。武器も強力だしこれぐらいなら楽勝か。

でもその取った魔石ってダンジョン行きだろうな。


海底神殿に戻った私達は大喝采で迎えられた。

これは魔物を排除したものでは無く、回復と粥のお礼の方だった。

作った粥はすべて綺麗に食べられており、まだ食料が必要なようだった。


収納していた大型の魔物を10体とさっき排除したシーサーペントを10体、厨房の倉庫で出してやった。


しばらく身動きが取れない程、海底神殿の者からお礼を言われ続けた。


一段落したので、短刀で転送ポイントを作って転送魔法陣も作って試してみた。

短刀での転移は予想通りできなかったが、魔法陣の方は先に作った向こう側のものを少し書き換えればできそうだ。

こちら側からでも書き換えは出来そうだったが、今回は神殿の神子に送ってもらう事にしよう。


舞台の下で邪魔にならない所に魔法陣を作らせてもらい、デルタと共に海の神子の所に転送してもらった。



魔法の島に戻ると舞台の下にいる者が増えていた。

増えていたどころではない。部隊の下は魔物で溢れかえっていた。入り切れない者がまだ入り口に押し寄せている。

私とデルタが戻ったことを確認すると大歓声が上がった。

舞台の下で真っ先に迎える海の神子を見つけた。


「おい、どうなってるんだ?」

「まずは、神殿の者達を助けて頂いてありがとうございます。」


大歓声を上げていた者達も海の神子に合わせてお辞儀をする。


「今、ここには島中の者が集まっています。神殿での活躍はここにいる者には伝わっております。食べ物を分け与えてくれた事、大怪我を治してくれた事、シーサーペントやクラーケンを倒してくれた事。すべて伝わっております。封印を解いて頂いた恩もあります。タロウ様、本当にありがとうございました。」

「「「ありがとうございました!」」」


全員での大合唱でのお礼の言葉になった。


「いや、たまたまだ。」

「これは私達からの、ささやかではございますがお礼の品でございます。」

そう言って玉手箱を渡された。

浦島太郎? じじいになるの?

そう思いながらも受け取った。【鑑定】しても『玉手箱』としか出ない。


「ありがとう、中身は煙か?」

「煙? 意味は分かりませんが、お礼の品が入っております。後で見てください。」

「そ、そうか、そうだよな。ありがたく頂くよ。」


「タロウ殿、この度は重ね重ねありがとうございます。」

青の長老が5長老の先頭になってやって来た。

確かに5色の服を着ていた。青、赤、黒、白、緑の服の者達がお礼を言っている。

全員、青の長老と同じぐらい大きかった。


「青の長老か、お願いがあったんだ。会えてよかったよ。これだけいると会えないかと思ったぞ。」

「お願いですか? なんでしょう。」

「神殿で異世界へ行けると聞いた。まだ誰も入ったことが無いと言われたが、私は入っても構わないだろうか。」

「異空間の入口に入る許可が欲しいのですな。分かりました、5長老は誰も反対はございません。あなた様なら問題無いでしょう、どうぞ使ってください。それに誰も入ったことが無い訳ではありませんぞ。」

「え? 誰か入った事があるのか?」

「はい、先代の北と南の魔王は入ったことがあります。」

「魔王が? そうか、先代って言うことは今の魔王は違うのか?」

「どうでしょうか、儂らが封印されてた2000年の間に代っておりますでしょう。」

「たしかに1300年前に真の勇者に滅ぼされたって聞いたな。その魔王達は帰って来たのか?」

「それでは先々代という事になるでしょうか、魔王は2人共帰って来ましたぞ。」

「どういう所だったか聞いて無いか?」

「それが、魔王達はそれぞれ別の時期に行ったのですが、空だとか海だとか別々にハッキリしない事を言っておりました。異空間の中については詳しいことは分かりませんでした。ただ、共通して入り口で苦労したとは言っておりました。」


入り口ってアノマロカリスの事か? それとも入ったら別の入り口があるのか?

十分準備をしていかないとな。


「それじゃ一度帰って体制を整えてから行く事にするから、神殿の神子にも伝えておいてくれ。」

「分かりました。」

「何人で行ってもいいんだよな?」

「はい、タロウ様のお仲間でしたら何人でも結構です。」


ここの者達ならバレても問題無いと判断してデルタと共に短刀でアジトに転移した。

次来る時の為にこの神殿の外にも転送ポイントを作っておいた。


アジトに戻って夜までに今後について考えておく。


異空間への入り口か、異世界へ行ける入り口で間違いないだろう。

私の元の世界へも行けるかもな。

魔王達は帰って来たと言うし行ってみようか。

問題は行くメンバーだな。ソラとココアは連れて行きたいな。あとは希望者でいいか。

こうなってくると、クラスチェンジやクラスアップもしてやってた方がいいな、明日は全員で行動することにするか。


レベルがカンストしてない奴は、イチジロウとチビとピアとユウト、あとは世界樹と研究所と米の木の管理をしている者達か。それとジャンはクラスアップしてるようだからいいか。


あと、エルだなぁ。クラスアップやクラスチェンジを頼むことになりそうだし、知ってしまうのは確実だな。行くって言いそうだなぁ。世界樹の所でクラスアップをすればイチコが止めてくれるかもしれないな。


その夜、異世界へ行く事を皆に話すと全員行きたいと行って来た。

驚いた事にジャンまでが言って来たから流石にそれは却下した。

ユートピア商団も呼び戻していた

ピアとユウトはカンストしていないのでクラスアップはできないだろうが、もしかしたらクラスチェンジは出来るかもしれないから一緒に行く事にした。



次の日は全員先に世界樹のある城ダンジョンに先に向かわせ、アメーリアの宮殿にやって来た。


「おはよう。」

「おはようございます、タロウ様。」

「お父様! 昨日はなんで来てくれなかったんですか。」

「すまんすまん、昨日は少し大変だったんだ。その事もあって今日はエルに付いて来て欲しいんだ。執事さんいいかな。」

「はい、エル様は大変覚えもよく、勉強の方は思った以上に進んでおりますので問題ございません。」

「エルは優秀なんだな、勉強が好きって本当だったんだな。」

エルが横で胸を張っている。

「はい、私は優秀なんです。」

「・・・・。本当に優秀な人は自分からは言わないものだぞ。」

「はい、では言いません。」

「・・・・。まぁいい、皆待ってる、すぐに行けるか?」

「「はい!」」

「え? アメーリアもか。まあいいか、じゃあ行くぞ。」


3人で天空城へと転移して城ダンジョンに入った。


もう皆待っていた。エルのお陰で聖耐性が付いているから、苦しそうにしてる奴はいなかった。

今まで、イチジロウとココアとソラが来ていたが、3人共苦しそうにしていなかったんだがな。イチジロウは自分のダンジョンだから問題無いのだろうけど、ソラとココアは実は『魔』属性じゃないのかな? 2人共、東の国の出身だしな。


エルの負担を軽くするため、クラスアップに関しては世界樹の実で作った薬で行うことにした。


まずはカンスト組全員がクラスアップすることができた。


これで、こいつらはどこまで強くなるんだろうな、楽しみでもあり怖くもあるよ。


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