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第146話 クラスアップ

上の階層に行き、部屋を半分仕切ってくれていたので奥の部屋に行き扉を閉める。

世界樹の樹皮を出し、エルに部屋の壁紙にしてもらう。

3人で収穫したものを部屋に全部出した。樽だから重ねられるが、それでも100樽以上はあったから部屋が樽だらけで居場所も無くなるほどだった。


「部屋を冷やせば樽の中のワインやビールも冷えるから、より美味しく飲めるんだ。」

「そういう事でございましたら、私がすぐに冷やして差し上げます。凍らない程度で宜しいんですね?」

「あ、ああ。」

コーリンベルがそう言うと、樽に向かって息を吹きかける。

部屋の中も冷気が立ち込める。冷気は生き物のように一斉に樽を1つずつ回って行く。


「できました。」

「あ、あ、そう・・・。」

冷蔵庫の案は無くなったね。このまま亜空間収納すればいいんだからね。

「あとは氷かな。はは」


ドン!! 1メートル大の氷塊を出してくれた。


「あ、ありがとう。私の希望はすべて叶ったみたいだ。3人で分配しようか。」

3人で分けて収納した。

お礼に世界樹の実を1000個出して、大喜びしているコーリンベルに言っておく。

「コーリンベル、さっきも言ったがここはレイの管理しているダンジョンだ。レイが召喚している妖精と仲良く協力してダンジョンの魔物の排除など、管理を手伝ってやってくれるか?」

「かしこまりました。」


「コーリンベルも新たに仲間になったし、親睦を兼ねて全員でここで昼食にしようか。」

「「賛成!」」


味噌も手に入ったので魔物肉の味噌焼きや味噌汁も作りご飯も炊いて食べた。

レイもエルミアもコーリンベルも皆美味しいと言って食べてくれたよ。

これでも料理の熟練度はMaxだからね。


もちろん世界樹の実のジュースも出したよ。


食事の間にレイから弓の追加を言われたので、食後に作って渡したらコーリンベルも欲しいと言ったので渡してやった。同じように伸縮出来る槍も無いかと言われたので渡してやった。


用事も終わったので、いつでも来れるのだが近くまで来ているので城ダンジョンのイチコの所にも寄ってやった。

大きくなったエルも見たいだろうしね。


エルを見たイチコは感激してまた世界樹グッズをたくさんくれた。もういらねーよ。

時間はまだ早かったが、アメーリアの宮殿に戻って来た。

今日はエルも満足していたから明日から勉強も頑張ると言ってくれた。

明日また来ると告げて2人と別れアジトに帰って来た。


夜、食事の時にノアにワイン樽とビール樽を出してやるとショーンやエースやジョーカーも寄って来て、10樽が一晩で無くなった。確かに最高級の物ができていたから美味かったけどね。アーリーの所に行けば貰えるから行くといいと言っておく。

冷やすと美味いと付け加えておいた。

研究所ダンジョンの事は言わなかった。行ってダンジョン核を見られると何か言われそうだったからね。



次の日は、朝からアメーリアとエルを連れて冒険者ギルドに来た。

他所の国へ行く場合、身分を隠しても仮入国する際にアメーリアならバレてしまうだろう。

エルも持って無いし、一緒に作って貰おうと思ってる。


冒険者ギルドに到着し、ギルマスのオーフェンを呼び出して貰う。

忙しいのだろう、少し待たされた。

その間に、依頼ボードを確認する。

1つ気になる依頼があったので剥がしておく。


オーフェンから了解の連絡が来たと秘書さんが呼びに来てくれたのでマスタールームへ3人で上がった。


「オーフェン、久し振りだな。」

「これはアメーリア様、ようこそいらっしゃいました、タロウさんも本当に久しぶりですね、もっと顔を出してくださいね。」

「上手く回ってるんだろ? あまり仕事を取っても悪いしな。」

「はい、お陰様で。タロウさんのお気に召した仕事ならドンドン取ってくださいよ。」

「今回は少し気になる物があったので取ったがな。それより、この2人にカードを発行してやってくれないか?」

「ちょっちょっと待ってください、アメーリア様に冒険者カードなんて発行できる訳無いじゃありませんか。」

「なんでだ?そんな規則でもあったのか?」

「規則はありませんが、王族の方ですよ? 出せる訳ありません。」

「別にいいじゃないか、規則に無いのなら出してくれよ。なんならウルフォックスメンバーにしてくれてもいいぞ?」


無理だと思っていたオーフェンも少し考えた。

「それならいいかもしれませんねぇ、ウルフォックスメンバーなら私に責任は来ないかもしれませんので発行しましょうか。」

「私に責任が来るって訳か。」

「はい、タロウさんは短剣の所持者でもあるわけですから無理やりに脅されたと言えば・・・・。」

「お、おい。ま、カード発行しれくれるんならそれでもいいか。じゃあ、こっちのエルと一緒にSカードで頼む。」

「Sカードですか?」

「ああ、2人共大した実力だぞ?」

「そうなんですか?」

オーフェンはアメーリアとエルを見た。


「オーフェンさん? 私は大したことありませんが、うちのエルは強いですよ?」

「はい、私はダンジョンマスターキラーWです。」

「なんですか? そのダンジョンマスターキラーWというのは。」

「ダンジョン核が2つある所のダンジョンのダンジョンマスターを倒すとその称号が付くみたいだ。」

「ダンジョン核が2つー!? そのダンジョンマスターを倒した!?」

「はい! アジ・ダハーカを倒しました。」

「ア、ア、アジ・ダハーカを倒したー? そんな超ド級モンスターなんて冒険者ギルドの歴史でも来たこともありません。立場上、名前も見たく無いですね。わかりました、Sカード発行しましょう。」


「「ありがとうございます。」」

アメーリアとエルは顔を見合わせて笑っている。


「しかし、そんなダンジョンなんてどこにあるんですか」と言いながらSカードを下で発行してくれた。

タロウさんですからね、と納得はしていたようだ。


カードも発行して貰ったし、気になる依頼に行ってみようか。

今日は依頼を熟すからと言ってアメーリアとエルは宮殿まで送り、町の外まで転移してリクを呼んだ。

ココアも一緒に付いて来た。

リクに馬車を引っ張ってもらい野盗のアジトがあった場所までやって来た。

依頼とは野盗が脱走をしたというものだった。

依頼内容は情報提供、捕獲は国の仕事だからね。


当然、アジトには誰もいなかったが、最近誰かが来て荒らして行ったような跡があった。壁や床がぶち抜かれて、その奥に押入れぐらいの部屋があったから。


「やっぱりいないな、野盗達はどこに逃げたんだろうな。脱走した後ここに立ち寄った形跡があるから、東か南かな。」

「東だとアクアリア国かタイスランド公国でございますね。南ならエンダーク王国でございますか。」

「そうだな、その国ならルーキーズがいるから注意させておこうか。このアジトみたいに町の外にいられたらわからないけどな。あいつら抜けてるからすぐに尻尾が掴めそうなんだがな。」



次の日はエルをダンジョンに連れて行ったあと、アクアリア国に行き湖などを見て回って楽しんだ。


エルはまたレベルが上がったが、どこまでも上げてもいいのかな。

成人まで1000年とか言ってたけど見た目は十分成人になってるよな。

人間界で10年って必要か? またイチコに聞いてみよう。


翌日からエルは勉強だから宮殿には朝顔を出し、アジトの屋敷に戻ってソラに調合の話しをした。

調合を教えてやるために城ダンジョンまで一緒に行くことにした。ここの方が聖なる気もあって良い物が出来そうな気がしたから、ソラとココアを連れてきた。


世界樹のある城ダンジョンに来たので、イチコにエルの事も聞いてみた。

人間界の中で10年過ごす事で、精霊界では得られない耐性を得ることができるそうだ。

もう得てるような気もするがな、アジ・ダハーカを倒したからな。そういうのとは違うのかな。

やっぱり世界樹グッズをたくさんくれた。一昨日貰った分はまだ何も手を付けて無いって。多すぎるよ。


ココアもいるので道具を3人分作って2人にも渡し、私が説明をしながら作って見せた。

ココアもソラもレベルがカンストしていたので、クラスアップの薬を飲んでみることにした。


2人はクラスアップの薬を飲んだ途端、淡く光り人化が無くなり元の狐と狼の姿になる。


2人共七色に輝きながら大きくなって行く。

ココアはオオカミおじさんと同じ5メートルぐらいまで大きくなり、ソラはそれよりも大きい7メートルぐらいまでなった。尻尾も9本になった。

レベルは100になりカンストの印であるレベルの横についていた★も取れた。


「主様、長老様との交信ですが、ノイズが無くなりました。返事はまだありませんが連絡がつくかもしれません。」

お、クラスアップしてオオカミおじさんと同じクラスになった事で交信の感度も良くなったんだな。

ここはダンジョン内になるはずだから私の念話とは違うのかな。

『壁』を通り抜けるぐらいだから違うんだろう。


「ご主人様ー、うちは母様と連絡が取れたよー。」こっちもか。

「え? 母様って女王か?」確かそうだったよな。

「そうだよー、いつまで遊びに行ってるのって怒られたー。」

え? そういう問題? 女王も天然系?


「ソラの母様は今どこにいるんだ?」

「うーん、どこだろうねー?」

「・・・・それを聞いてみてくれないか?」

「わかったー。」


交信はすぐに終わったようだ。

「あのねー、東の国ってとこにいるんだってー。」

私達はそこから来たんですが、ソラさん?


「交信ができるってことは行ったりすることもできるのか?」

「どうやって行くのー?」

それを聞いてるんですが。ああ! ソラは面倒くさい。


「母様に聞いてみてくれないか。」

「・・・・・知らないってー。」

この親子ダメだ。ココアに期待だな。


でも2人がクラスアップしたことで、東の国への事が少し進展したぞ。

後は『壁』をどうするかだな。異世界金属の刀でも一度試したが斬れなかったという事は結界じゃないんだよな。

私達がこっちに到着した時にはココアの交信にもノイズが入ってたという事はその時にはすでに『壁』はあったんだよな。

それでも飛び越えて来れたんなら、通れる方法はあるはずなんだ。


「ココア、ソラも母様と連絡が取れたということは、お前も長老と連絡が取れるはずなんだ。こまめに連絡をしてみてくれ。」

「かしこまりました。」


ココアはいつも真面目にやってくれてるからね。

たよりにしてますよ。



今日から1話にします。

活動報告にも書きました。


宜しくお願いします。

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