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第145話 エルミアの研究

「お父様? なんですかこの木は。なんて言う木なんですか?」

「名前は知らないな、昔の勇者が作った米の木を元に私が創った木の魔物なんだよ。それで今日はもう1本作るために来たんだが、エルに協力をしてほしいんだ。」

「どんなことですか?」

「先に種を作るからちょっと待ってろ。」


アーリーからブドウの木と大麦の稲は確保できたと連絡が来ていたんだ。

大豆も確保できたし後は種を作るだけだ。


アーリーからブドウの木と大麦の稲の束を貰いそれぞれ種を創る。大豆も種を創る。

世界樹の枝の斬った物を出し米の木の種を創る。

ブドウ、大麦、大豆の種を世界樹で作った米の木の種に合成する。

米の木の種+3の完成だ。


「この種を木にするんだが、エルはどこまでできる? 私はあの一番大きな木をあそこまでは大きくしたぞ? その後は魔物を肥料として撒いて1週間ぐらいで米が生ったよ。」

「そうですねぇ、種からでも出来なくは無いですが、苗からなら一気に実を付かせる所までできます。」

「わかった、じゃあそこまでは私がやろう。」


4本の木より大分離れて種を蒔き魔力を込める。芽が出て1メートルぐらいになった所でエルから声が掛かった。


「この後は私がやります。お父様には負けませんよ。」

【世界樹創造】発動! 木はグングン伸びて行き、私の創った一番高い木も追い抜きまだ伸びて行く。100メートルぐらい伸びた所でやっと止まったがエルはまだ集中している。

まず米俵が生り、日本酒の樽が生った。次にワイン樽、ブランデー樽、ビール樽、醤油樽、味噌樽が生って行く。もちろん卵も生っていた。大麦のせいだろう、ウィスキー樽と焼酎樽もあった。

エルの力で木の能力も上がったんだろうな。100メートル伸びるのもおかしいし。


でもなんだこの木は! 創った私が言うのも変ですが、馬鹿だろ。


「ふぅ、お父様? どうですか?」

「大したもんだ、さすが世界樹の神子だな。凄いぞ。」

「本当に凄いですね、エルはこんな事もできるんですね。」


世界樹の金色の実をエルに渡し食べさせた。

ネックレスも2つ出し説明する。

「このネックレスは亜空間収納できるんだ。1つずつ渡すから持っておくといい。」

クリスタル系で作った収納のネックレスを2人に渡した。

「アメーリアには前に渡したがエルにもあげよう。」

飛行の指輪も渡した。


「この指輪を填めて飛んで行って収穫しようか。収穫したら収納するんだぞ。ブランデーやワインやウィスキーは執事さんも喜ぶから持って行ってやるといい。」

「まぁありがとうございます、じいも喜びます。」

「本当ですね、いつも教えてもらってるからお礼に丁度いいです。」

そんな事を言われたらまた執事さんが泣きそうだな


「ブランデーは飲むときに水と氷を入れた方がいいし、ワインもある程度冷やしてから飲んだ方が美味しい。氷の魔法は使えたか?」

「氷の精霊グラキエースを召喚するから大丈夫です。」

「そんな事も出来たんだな。それなら1室丸々冷やして冷蔵庫や冷凍庫ってできそうだな・・・・。」


「お父様? どうしたんですか?」

「いや、面白い事を思いついたんだが、まずは収穫しようか。」

「「はい!」」


飛行の指輪を填め3人で飛んで行き収穫をした。

3人でそれぞれ均等になるように分けて収穫した。米も今度使ってみろと持たした。

1時間かけて全部収穫し、今後の収穫と世話はアーリーに任せた。


さっき思いついたことを試しに3人で研究所ダンジョンのレイの所にやって来た。


「ま、まさか、神子様でございますか?」

「よくわかったな、名前はエルだ。仲良くしてやってくれ。」

「エルです、よろしくお願いします。」


レイも周りで密かに増えていた妖精達も平伏した。10体になっている。

「かしこまりました。私はレイと申します。」

「レイ、まずは立とうか。エルはまだ修行中だ。そこまでしなくていいぞ。」

「そうです、立ってください。私は修行中です。」

「かしこまりました。」


「今日はお願いがあって来たんだ、この上は研究室にしてるだろ? 2階層上はキッチンだ。そのフロアはキッチンに全部使わないだろうから半分に仕切って場所を使わせてほしいんだ。」

「そんな事でしたら容易い事でございます。」

「それともう1つ、氷の妖精か精霊を召喚できないか? その妖精か精霊に部屋を冷やして欲しいんだ。」

「お父様?それでしたら私がフェンリルを召喚しましょうか?」

「フェンリルってこの前のダンジョンで出した奴か、あれは強力すぎるな。部屋を氷が出来る少し前ぐらいに保てるやつがいいんだ。」

「かしこまりました。精霊でしたら下級精霊フラウです。妖精でしたらバーベガジを召喚できます。」

「わかった、私がフラウを召喚しよう。やっぱり精霊の方がいいだろう。」

「お父様? それでしたら私が。」

断ろうと思ったが、レイの期待満載の目がエルに向けられているので断れなかった。


「じゃあ、頼もうか。あとで名付けもしてやってくれよ。」

「大丈夫です。」


【精霊王召喚】発動! 精霊フラウ召喚。

130センチぐらいの精霊が現れた。精霊でも下位の精霊のようだ。

「コーリンベルと名付ける。」

エルにコーリンベルと名付けられた精霊フラウは淡く光って大きくなって行き165センチぐらいになった。中位精霊グラキエースに進化した。

戦闘用と従者用では呼び出し方が違うな、上手く使い分けてるな。


「お見事でございます。」レイがエルを絶賛する。

「うん、上手くやったようだな。私の希望を聞いてくれるように指示してくれ。」

「はい、お父様。コーリンベル、お父様の命令を聞くように。」

「かしこまりました。」


「では言うぞ。この2階層上に部屋を作るからその部屋を凍らないように冷やして管理してくれ。頼めるか?」

「容易い事でございます。」

「それとこのダンジョンは、このレイが管理している。仲良くしてやってくれ。」

「かしこまりました。」

「あとはエルミアか、上の階層にいるだろうから挨拶がてら行ってみるか。」


レイを置いて3人でコーリンベルを連れて1階層上で研究しているエルミアの所まで来た。


「エルミア? 今話せるか?」

「はいー! あれタロウ様? なぜレイ様の様に声が届くの?」

「それは多分世界樹の神子の父になったからじゃないかな。」

「世界樹の神子の父!?」

「それは置いておこう。こっちの紹介したい、聞いてくれるか?」

「はい、聞きます。」

エルフってそんなに精霊に弱いんだ。


「これが私が父になったエルだ、世界樹の神子だ。こっちが世界樹の神子の母になったアメーリアだ。最後に新しく仲間になった氷の精霊コーリンベルだ。」

エルミアが固まってしまった。それほどだったか、あまり入らないようにしてやらないとな。それでレイも妖精を召喚したのかもな。


今どんな研究してるんだろう? と研究中の物を見るのに近づいた。

エルも一緒に来て見ていた。


「ああ、なるほどです。これはランクアップ薬の調合をしているんですね。でも惜しいですね、ここをこうしてこうすると・・・。これでいいと思います。道具がこれではやりにくいでしょう。道具に関しては私は作れません。」

「ん? エル、何かした?」

「はい薬を完成させました。でも道具が少し違うようです。」

「どうすればいいんだ?」

「ここの流れをこちらからするのではなくて、こことここを合流させてこちらは別にして最後に合わせる感じにできますか?」


道具を解析して世界樹の枝の切れ端を出してエルの言う通りに改造して作ってみた。


「これでいいか?」

「はい、これでいいです。」

「エルミア? できたぞ。」


恐縮していたエルミアがダッと走って来て私が創った道具と完成した薬を見た。


「私の長年の研究がー。」と泣き崩れてしまった。


研究者としては最後の完成の瞬間を取られて残念だったのだろう。


「エルはなんで知ってたんだ?」

「他の薬はわかりませんが、世界樹の事なら何でもわかります。」

そういうことか。残念だったねエルミアさん。


「どうする? エルミア。全部エルに教えてもらったら? そしたら次に向かって新しい事ができるぞ。」

「そうですね、今作っているのはランクアップ、クラスアップ、限界アップの薬では無いですか? 世界樹の事ならわかりますし、私の能力で出来る物ばかりです。」


長年の研究を奪われるような気持と、世界樹の神子様にご教授願える事を考え、後者を取った。世界樹の神子様とは話せるだけでもエルフには最高の栄誉なのだそうだ。

その世界樹の神子様にご教授願えるのだから長年の研究も諦めがついたようだ。


道具に関してはエルの指示通りに私が創り、薬の作り方をエルミアに教えていた。

私もそれを横で見て覚えた。ソラにも後で教えてやろう。


次はドラゴンで不老不死薬を作ると言ってたので、解体前のドラゴンを5体置いて来てやった。Bクラスのドラゴンだが、解体してないし収納していたから生きているようにも見えるぐらいだった。


頑張れよ、エルミア


なかなか踏ん切りが付きませんでしたが、決心しました。

明日から1日1話更新にします。

2話はちょっとしんどくなってきました。


すみません。


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