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第134話 エルミア

「まず、私が知りたいのは世界樹の実の調合方法だ。それをお前は知ってるんだな?」

「知らないわ。」

え? さっき調合でできる種類を言って無かったか?


「さっき作れるって言って無かったか?」

「言ってないー、そういう種類があるって言っただけじゃん。だいたい世界樹の実なんて150年前に1回見ただけなんだから作れる訳無いわよ。」

えー! 知らなかったのかよ。あれだけ言ったら知ってると思うじゃん。

そういう雰囲気出してたし。


「作れないのに何で調合の種類を知ってたんだ?」

「私のユニークスキルのおかげもあるけど、今までの経験かな? 理論上は作れるって思ってるわ。だからもっともっと研究しないとダメなのよ。」

「それには世界樹の実が必要なんだろ?」

「うん、そうよ。だからさっきの実を返してよ。」

いや、これは私のだからね。

どんどん私の中のエルフのイメージが壊れて行くんだけど。


「いつお前の物になったんだ? 私のじゃないか。でも、話しを聞いてくれればあげない事も無い。」

「世界樹の実をくれるんだった何でも聞くわ。だからさ、早くちょーだい。」

渡したらさっきの状態になるんだろ? 渡すのは後だな。


「先に聞いてからだ。私とそこのソラは調合ができるんだ。今まで教えてもらったのは、回復・解毒を纏めて行なう回復薬、蘇生薬、一時的に体力や攻撃力を2倍にする促進薬、パーティ全員を纏めて回復する薬、MPの回復薬、HPを全回復する薬、状態異常を全快する薬。それと長寿の薬とHP・MPが徐々に回復するアイテムかな。それ以外には無いのか?」

「合ってるわね、私もそれ以外はできないわ。」

「今言ったのは世界樹の葉と樹皮と樹液でできるものだし、道具もある。世界樹の実で作るとなると道具も変わってくると思うんだが、道具はあるのか?」


「まずはそこからなのよ、イメージとしてはできてるんだけど世界樹の実が無いから試せてないわ。」

「じゃあ、世界樹の実があれば作れるかもしれないって事だな。作業をする場所だな、ここじゃないとダメなのか?」

「ここはダンジョンだから都合が良いの。本当なら誰も来ないから集中できるし道具も揃えてるし何と言っても歳を取らないのがいいのよ。」

「年を取らない?」

「ダンジョン核と契約してダンジョンマスターになれば歳は取らないわ。」

「そうなのか?イチジロウ。」

「当り前だよい。」


お前達の当り前は私の常識とは違うんだよ。

私の仲間でもデルタがダンジョンマスターだったよな。あいつも同じだったのかな。


「イチジロウ? デルタもダンジョンマスターだったんだ。ダンジョンマスターも仲間にできるのか?」

もうデルタはなってるけど。


「ダンジョン核が作ったダンジョンマスターならできないよい。でも、こいつみたいにダンジョン核と契約した外から来た者ならできるんだよい。でも、今はボクの支配下だから無理かもねい。」

「まだ仲間にしようとは思ってないが、このヘッケラーの場合は私の【クロスランド】よりお前の支配が強くて、私の仲間にならないかもしれないんだな?」


「そうだよい。」「はい。」


え?

私の額が光った。

なんで?

【那由多】? なんで?

――キーワードが大切なのです。


え? 言ったか? 「『私の仲間にならないか』もしれないんだな?」ってやつか?

……いや、別にいいんだけどね、こいつを仲間にしてもいいかとは半分思ってたけど、ホント迂闊に話せないわ。


確かに私の加護が付いてるわ。ステータスが少し上がった程度でスキルは何も変わってないな。


あとは場所だな。このままここへは置いとけないし、一度アジトの屋敷に連れて帰るか?

こいつに浮遊城の世界樹を知られたら無茶苦茶にされそうな気がするなぁ。

でも、イチコがいるから大丈夫か? 強さならイチコの方が上だし精霊ドライアド達が500体以上いるんだし、こいつの自由にはさせないだろう。


うちの必須アイテムをヘッケラーに渡してやった。


あ、名付けかぁ。もう名前は持ってるけど名付けをすることでピアとユウトみたいにユニークスキルが付くことだってあるしなぁ。エルフの女なのにヘッケラーって名前も私のイメージを崩してるんだよな。名付けてやろうかな。

ララやロロもそうだけど勇者達にも名前の上書きできたしね。


「なぁヘッケラー、私の従者になったんなら私が名付けると覚醒するんだ。もしかしたらユニークスキルも付くかもしれないから名付けてやろうか?ヘッケラーって名前はあるけど名付けはできるぞ?」

「ホントに? ヘッケラーって名前は嫌いだったのよ、可愛くないでしょ? ユニークスキルも付くかもしれないんだったらお願いするわ。」


「わかった。変身は別にいいか、うちは料理と解体は必須だ。ちゃんと願っとけよ。」

「そうなの? 嫌いなのよねぇ、料理。ユニークスキルのためなら仕方が無いか、いいわよ。」

「料理が嫌いって、お前どうやって今まで食べてたんだ?」

「妖精にさせてたわ。」


精霊召喚持ってたな。アイスゴーレムも召喚出来るぐらいなんだから妖精召喚ぐらい簡単なんだろ。

名付けだな、エルフっぽくて可愛い名前か。私の読んだ本の中で出て来たエルフは3~4人ぐらいしかいなかったからな。

その中で一番こいつに似合いそうなものね。


「お前の名前はエルミアだ。」

エルミアは淡く光って覚醒する。



名前: エルミア (ヘッケラー)

年齢: 770

種族: エルフ族

加護: 佐藤 太郎の加護

状態: 普通

性別: 女

レベル:87

HP 1102/1102 MP:1820/1820

攻撃力:1003 防御力:1010 素早さ:1233

魔法: 火(2)・水Max・土(6)・風Max・雷(4)・氷Max・光(5)・闇(1)・空間(5)

技能: 小剣(5)・杖Max・弓(3)・料理(2)・遮断(3)・回避(5)・解体(3)・研究Max・錬成Max・調合Max

耐性: 風・木・水・雷・毒・身体異常

スキル:【精霊召喚】Max【鑑定】1【変身】1【再生】1【錬金】1

ユニークスキル: 【ミックスメイク】

称号: 調合師 賢者



何か色々付いたぞ。【調合】も進化して【ミックスメイク】ってなってるな。

【錬金】も付いたし道具も今よりもっと作れるだろうな。

でもダンジョンマスターって称号が無いんだよな。一度死んだら消えるのかな。

でも復活したからダンジョンマスターだろうに。聞くとまたバカにされそうだから辞めておこう。こいつらの常識と私の常識は違うんだよ。



「エルミアっていい名前じゃん! 気に入ったわ。」

……話し方や雰囲気は変わらなかったな、残念だ。


「私はタロウだ。調合について色々教えて欲しいしよろしく頼むな。」

「タロウ様ね、こっちはイチジロウだったわね。」

「そうだよい・・・・。」

え? そういう関係になるの? さっきはイチジロウ様だったよな?

イチジロウも悔しそうだな。でも普通に戦えば絶対お前負けるからな。


「ここのダンジョンは仲間が使いたいんだ。引っ越しするからここの道具はさっき渡した収納の指輪に入れてくれるか?」

「えー、ここを出るの? ここがいいのにー。」

「そう言うな、世界樹が見たいんだろ?」

「そうよそれそれ!忘れてたわ。世界樹の実よ!早く出してよ。」

「慌てるな、引っ越しが終わってからだよ。」

「わかった、すぐ片付けるわ。」


やっぱり餌で釣らないと言う事を聞かないのか? 面倒くさいなぁ。


「うちは基本自由だが、ルールだけは守ってもらうぞ。仲間と仲良くする事と仲間を馬鹿にしないことだ。」

「ふ~ん、そういうとこなんだ。居心地は良さそうね。」


片付けも終わり、転送ポイントを作ってアジトの屋敷に戻って来た。


今日はダンジョンも無くなってるし、ルーキーズは各国の冒険者ギルドに行ってるが、それ以外の者は大体いた。

何人かは新たな未開のダンジョン探しに出掛けたようだが、ユニコもジャックもいたので、エルミアの服を作ってもらうように頼んでおく。

「服なんてなんでもいいのに」とエルミアは言っていたけどね。


エルミアが住むのは屋敷でいいんだが、研究所は別に用意した方がいいだろう。

浮遊城の洞窟ダンジョンも無くなったし、そこにするか。少し考えもあるし。

浮遊城の周りにはクィンが住んでた洞窟がいくつかあるが、ダンジョンで使ってたとこでいいだろ。


アジトの屋敷も初めに建てた3つと後から作った食堂の4棟が建ってる。

屋敷の方は真ん中に当初からのメンバー21人が住んでいる。

イチジロウまでだな。


それから増えた者は、服を着る者といらない者で分けている。

勇者とピアとユウトが左、ララとロロもだな。それ以外が右の屋敷だ。

今回のエルミアは服を着れる方だから左だな。


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