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第133話 ヘッケラー

次の日の朝、なんとか皆を説得して洞窟ダンジョンのダンジョン核を移設することを納得してもらった。


未開のダンジョンがあったらそこからダンジョン核を取って来てパワーアップさせればいいんだよ言ったら、未開のダンジョン探しに話題が移って今日から競争で探すらしい。

皆、それぞれの担当の国の冒険者ギルドに散って行ったよ。


まずは先に浮遊城の洞窟ダンジョンからダンジョン核を取ってきた。

それからアイスゴーレムのいたダンジョンをイチジロウに復元をしてもらうために出発した。

転送ポイントは作って無いので、ツンザンブレーン連邦のザンガード国まで転移した後は馬車での移動になる。


ココアとユニコとリクとソラを連れて来た。

ダンジョンを作った後は制覇しないといけないと思ったから。


ダンジョンマスターに会うためにはダンジョンの最下層まで制覇しなければいけないと思っていたが、ダンジョン核があるのが最下層なのですぐに会えるらしい。


拍子抜けしたね。

一度、ダンジョン核を置くために最下層には行かないといけないけど、ダンジョン核が無いから魔物もほとんどいないだろうしね。


ダンジョン核があった最下層まで来るまでには魔物にもほとんどで合わず来れた。

最下層に辿り着くとダンジョン核を出してイチジロウに任せる。

イチジロウがいつも通りダンジョン核に手をやりダンジョン核が淡く虹色に光り出す。

「できたよい。」とイチジロウが言うとダンジョン核の光も落ち着きゆっくりと回りだす。


「これでダンジョンマスターも復活したのか?」

「大丈夫だよい。」

本当にダンジョンに関してだけは凄いよ、イチジロウは。

これでもう少し口が堅ければ色々頼めるんだがな。

もう一人いたよな、ユニークスキル【ダンジョン】を持ってる奴。

シロウが持ってたよな。あいつの口は堅いのかな?この前の感じだとナナの事も面倒を見ているって感じだったし、イチジロウより口は堅そうなイメージはあったが。

今日、連れてくればよかったな。


最下層の部屋に行ってみるとダンジョンマスターがいた。

【鑑定】するとヘッケラーだった。



名前: ヘッケラー♀770歳 エルフ族 LV87

HP911 MP1210 攻撃力877 防御力886 素早さ914

スキル:【再生】【精霊召喚】【錬金】

ユニークスキル:【調合】

称号:調合師 賢者


エルフって初めてだな、いたんだ。この世界にはいないと思ってもう諦めていたよ。


ユニークスキルに調合で称号にも調合師って凄いな、調合に賭けた人生って感じじゃないか?なんでダンジョンマスターなんかやってたんだ?


しかし本当に復活してたよ。これならダンジョンの方も元通りになってるんだろうな。

まずは話してみようかな。


しかしこの部屋はなんだ?

魔物のいるダンジョンって感じじゃ無くて、研究室というか薬屋ギルドの作業場に感じが似てるなぁ。


「ダンジョンマスターのヘッケラーで合ってるか?」

「・・・・・。」

「答えていいよい。」

「んん、あなたが私を復活してくださったのですね、ありがとうございます。お名前を伺っても宜しいですか?」

「イチジロウだよい。」

「イチジロウ様ですね、今後ともよろしくお願いします。」


見た目がエロくて調合師に全然見えないんだが。もう少し服をキチンと着てくれないと目のやり場に困るな。

ヘッケラーって名前だから男かと思ってたし。私のイメージだけではあるんだけどね。


「イチジロウ、もう少し服を着て貰えるように頼んでくれないか?」

「自分で言うといいよい。おいダンジョンマスター、これからはタロウ様も命令を聞けよい。」

「かしこまりました。」


強いなイチジロウ、ダンジョンクリエイターの称号は伊達じゃないんだ。


「私はタロウと言う。お前がヘッケラーで間違いないか?」

「ええ、左様にございます。」

「調合に関して聞きたかったんだが、まずは服を整えてくれないか?もう少し上に何か着るとか。」


ヘッケラーは何故?という顔をしながら

「服はこれしか持っておりません。別に不自由もございませんので。」

「ユニコ、何か服はないか?」

「女物はハルさんかララさんの物なら渡そうと思って少し持ってます。この方ならララさんの服で合いそうですね。」

ユニコがララの服をヘッケラーに渡してくれた。

その場で着替えようとするので慌てて後ろを向いたよ。ココアの私を見る目線も痛かったしね。


「面倒くさ」

ボソッとヘッケラーが呟いた。


え? 今なにか言った?


着替えも完了したようなので話を聞くことにする。

「調合に関してはスペシャリストのようだが世界樹の実の調合で何か知ってる物はないか?」

「世界樹の実ですね?ございますが。」

「どんなものがあるんだ?」

「普通の者にはあまり意味のない物ばかりですが、レベルがMAXになった者の限界値を上げる薬ですとか、クラスチェンジをするものですとか、ランクアップさせる物があります。」


アメーリアも世界樹の実でクラスアップしたもんな、そういうのがあるんだ。


「ここでできるのか? いや、ここじゃ可哀相か。イチジロウ、ヘッケラーはここから出られないのか?」

「このままじゃ出られませんねい。」

「出られる方法はあるのか?」

「ありますよい、ボクが許可すればいいんですよい。」


それだけ? じゃあ簡単じゃん。

ダンジョンから出たら死ぬとか思うじゃん。


「じゃあ許可してやってくれよ。」

「いいんですかい、外に出るとボクとの契約も切れますよい。」

「切れたらどうなるんだ?切れたら死ぬのか?」

「どうして死ぬんですかい?生きてますよい?」


こいつらに私の常識は通用しないんだった。

「じゃあ、どうなるんだ?」

「こいつは自由ですねい。」


自由なのか、ダンジョンマスターになるぐらいの奴だから放置は危ないかな。


「ヘッケラー、お前も自由になりたいよな?」

「いえ、私は研究さえできれば自由はいりません。」


え? そーなの?

「研究って何の研究をしてるんだ?」

「今は世界樹関係を重点的に研究しています。ただ、素材を手に入れるのが難しいので。」

「じゃあ丁度いいじゃないか、私は世界樹を持ってるぞ。」


何を言ってるんだこの人は? って顔になってる。

「信じてないな。普通そうみたいだな。これでどうだ?」

世界樹の実を出してやる。


「キャー! 何これー! 世界樹の実じゃん!なんで持ってんのー?」

え? キャラが変わってないか? 猫被ってたのか?

ヘッケラーはガバッと世界樹の実に飛び付き手に取ると、その場でぶつぶついい始めた。

もう誰の声も届いてないみたいだ。


「お、おい。」

「ダメだよい、ボクの命令を聞かない時は凄い痛みが頭に走るはずなんだよい。こいつには全く利かないよい。」

凄い集中力なんだな。


「後は消すしかないよい。」

「消す? 消すってヘッケラーを消すのか?」

「そうだよい、言うことを聞かない奴は消すんだよい。」

こいつ、ダンジョンでは神だな。


「ちょっと待て、私に考えがある。」


まず、世界樹の実を取り返して収納。

スッゴい目で睨んで来る。

「何するんだよ! 返してよ!」

イヤ、私のだし。


「返せってのもおかしな話しだが、まずは話を聞け。聞けば世界樹の実を10個やるぞ。」

「え!? マジ? 聞く聞く、聞くに決まってるじゃな~い。」

なんだその急変振りは。扱い辛そうな奴だなぁ。

イヤ、でも餌さえぶら下げておけば言うことを聞きそうだし、逆に扱い易いかもな。



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