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第132話 ダンジョン核


ピア達は「ここが正念場でっさかい。」と言って話しが終わると出て行った。


良かったよ、そろそろ皆が帰ってくることだしチビと笑団のダブルパンチは明日に影響するよ。


少し待つとダンジョン組が帰って来た。

チビも順調にレベルが上がってるな。LV34になったか。

これなら小さくても簡単にはやられないだろう。


「チビ、そこそこ強くなってるな?」

「わっはっはー、流石はタロウ様。あたいが更に強くなったのを見抜くとは。」


お、おい、 変わってねーぞ? 大丈夫なのか?


「皆はお前より強かったろ?」

「うん! みんな凄いぞ! 初めは分からなかったが途中からは(みんな)が強いのが分かるようになったぞ。タロウ様の仲間は凄く強いんだな。」

うおーい! お前達どこまで反り返るんだー。


「皆が強いのが分かったという事は、お前も強くなった証拠だ。皆に追いつくにはまだまだ掛かるが、頑張ればお前だって強くなれるんだ。」

「うん! そこでタロウ様にお願いがあるのだ。あたいも武器が欲しいのだ。」

「そうだな、今日帰って来たら渡そうと思ってたよ。どんな武器がいいんだ?」

「あたいは大剣だー!」


大剣なんて使ってる奴いなかっただろ? 

「大剣って、別にいいけどお前よりデカいぞ?」

「それでいいのだ、あたいは力だけは強いのだ。今日もココア様に腕相撲で勝ったのだ。」


ホントか? ココアに腕相撲で勝つってチビも強いじゃないか。

「ココア、本当か?」

「はい、不覚ながら負けました。」

「凄いなチビ、それなら大剣も扱えるかもな。」

チビにエアシザースの大剣を渡してやった。今は大体どんな武器でもストックはいくらでもある。


「ありがとうございます。」

お礼は普通に言えるようになったんだ。

チビは大剣を受け取ると素振りをしてみた。


「むう、これじゃない。あの伸びる槍みたいなのがいいのだ。」

「これか?」

槍を出してやる。


「それだが、そうじゃないのだ。その槍みたいに伸びる大剣なのだ。」

「それは無いなぁ。でも面白そうな発想だ、明日の朝までに作ってやるよ。」

「わかったのだ。お願いするのだ。」

面白い発想をするなぁ。使い熟せればいい武器になるかもな。


ユニコにも聞いておかないとな。

「ユニコ?」

「はい、なんでしょう?」

「お前の居たとこにヘッケラーって賢者はいなかったか?」

「いいえ、いませんでしたわ。」

「賢者らしんだが、聞き覚えは無いか?」

「すみません、どこかで聞いた事があるような気はするんですが。」


「うち知ってるよー、ダンジョンマスターだったよー。」

「え? なんでソラが知ってるんだ?」

「すっごくいいお薬持ってたんだー。」


なるほどね、薬で覚えてたんだ。他の連中はなんで覚えてないんだ、弱い奴は覚える気も無いのか?


「確かにあの時は朝まで時間が掛かってたよな。手強かったのか?」

「弱かったよー、ダンジョンが大変だったんだー。」

ギラリ! イチジロウの目が光った。


「ダンジョンが大変ってどういうことだよい。」

「うーんとねー、忘れたー。」

うん、ソラだからね。

あの時はユニコが仲間になった後だから10人以上は行ったんじゃなかったか?

ノアなんか全く聞いて無いよね? お前もメンバーにいたはずだけど?


「誰か覚えてないのか?」

「私が覚えてます。」

「ミルキーか、どんなダンジョンだったんだ?」

「罠が多かったことを覚えています。あと、各階層が広かったです。」

「何階層だったんだよい。」


ダンジョンの事だからムキになってイチジロウが出て来る。

「20階層ぐらいだったと思いますがよく覚えていません。でも、各階層が凄く広くて罠や迷路になってるので時間が掛かった事を覚えています。」

「迷路かよい、モンスターハウスでは迷路は作れないよい。」


ダンジョンを作る者として大変だったと聞いたら黙ってられないんだろう。

フォローしといてやろう。

「イチジロウ、お前の作ったダンジョンが一番大変だよ。うちのメンバー以外なら誰も制覇できないと思うぞ。」

「えへへへへ、やっぱりそうですよねい。」


扱いやすいなお前は。だから皆からリクエストが多くなるんだぞ。

ヘッケラーはダンジョンマスターだったんだな。こいつらが倒してしまってるしダンジョン核も無くなってるからダンジョンも無くなってるし、もうどうしようもないな。


「イチジロウ、ダンジョンってダンジョン核を取ってしまったらもう復活できないのか?」

「同じダンジョン核ならできるよい。」

「できるのか。それならその時のダンジョンマスターも復活できるのか?」

「もちろんできるよい。」


同じダンジョン核かぁ、どこに使ったやつだ?覚えてないよ。

あ、こういう時の【那由多】さんだな。

【那由多】わかるか?どのダンジョンにアイスゴーレムのいたとこのダンジョン核を使ってるか。

――洞窟ダンジョンです。

さすがは【那由多】です。ありがとう。


「洞窟ダンジョンのダンジョン核を取ろうか。」

「「「「「「えーーー!」」」」」」

皆からブーイングが来た。


「いや、もう湖底ダンジョンがあるから、そっちに行けばいいじゃないか。」

「ダメダメ―」「順番待ちが長いもん」「潰すのはいやー」「もっといっぱいほしー」「絶対!」「もっと作ってー」「潰さないでー」・・・・


反対多数か。でも、同じダンジョン核じゃないとダメなんだろ?

一旦潰して向こうに強力なダンジョンを作ればいいじゃないか。

どうせ移動は転移なんだし同じだろ?


「向こうに強いダンジョンを作ればいいじゃないか。」

やっぱり反対多数。なんでなんだよ、トータル同じじゃないか。


「タロウ様はダンジョン核を作れないのかよい。」


え?それは盲点だったな、やったことは無いな。複製なら出来るんじゃないか?

出来たとしても、それをこいつらが知ると大変な事になりそうだ。

まずは内緒でやってみようか。


その夜、部屋に入ると自分の部屋に転送ポイントを作って浮遊城の洞窟ダンジョンの最下層に行ってみた。

ダンジョン核が目の前にある。

触ると回転が止まるが触らないと解析ができない。

イチジロウを連れて来たら皆に伝わってしまうし・・・。

止まってもいいか、何かあったらあった後でイチジロウを呼べばいいか。


ダンジョン核に触れて解析を始める。

解析出来た。

1時間ぐらい掛かったが解析ができてしまった。

解析が終わって手を放すとダンジョン核は再び回りだした。


ダンジョン核が回ってホッとしたら後ろにイチジロウが立っていた。

ドキッとしたがここは残念そうな顔をして演技をしないと。


「ど、どうしてここにいるんだ?」

「ここのダンジョン核に異常があったから見に来たんだよい。そしたらタロウ様だったんだよい。」


そんな事までわかるのか、複製にしなくてよかったよ。創る所を見られてたら言い訳できないからな。


「タロウ様、ダンジョン核が作れるのかない。」

「い、いや、残念だがダメだな。このダンジョン核を持って行くしかないな。」

バレてないみたいだな。


「まだ異常なのか? もう手を放したから正常に回ってるように見えるけど。」

「今はもう大丈夫だよい。」

「それは良かった。でも、こっちのダンジョン核は諦めて向こうに移すしか無いな。今日の所は帰るか。」


アジトの屋敷に戻ってイチジロウとは別れた。


創れるのはバレてはいけないが、作ってみたいよな。

素材は何がいいんだろ。魔物一体丸々だと出来るんじゃないか?

でも強力なのは世界樹か。世界樹でクリスタルっぽくなるの?

同系列で言うと魔石が近い気がするな。

でも大きさが全然違うし、魔石って一体丸々じゃないよなぁ。魔物の一部だもんな。試してみてもいいけど違う気がするなぁ。


チビの伸縮自在の大剣を作るんだったな。

先にそれを済まそうか。


あ、クリスタル系の魔物ならイメージが近いな。レインボー系も良さそうだ。

コスモ系も行けるかもしれないな。


チビ用の大剣を作った後、クリスタル系の魔物でダンジョン核を創ってみた。


出来た。

凄いな、できちゃったよ。


レインボー系でもコスモ系でもできた。

世界樹系の中では実でできた。

メタル系でも出来た。他も試してみたが結局魔物1体使えばどれでも出来た。

ただ、【鑑定】では『ダンジョン核』としか出ないので分からないがダンジョン核から伝わる強さは違った。


平均的なところがメタル系で、それより強く感じるのが世界樹の実だった。

更にゴールド系、レインボー系が強く、一番強く感じるのがクリスタル系だった。

攻撃力は低いのにな。


色々試して朝までの10個作ってしまった。

内緒にするのは決定だが、作れるもんだな。


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