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第115話 コスモキングの指輪

ダンジョン御一行様が帰って来た。

皆レベルアップしているが勇者たちの上り方と第2世代の上がり方が凄かった。

第2世代筆頭のリクはもうレベル99のカンストみたいだ。

勇者たちはまだレベル40前後なのにステータスでは既にベッキーを抜いていた。

同じ勇者でこれだけ違うという事は、私の加護もまんざらではないな。


やっぱり3周して来たそうだ。明日は3勇者がダンジョンマスターキラーになる約束をしたそうだ。好きにしてくれ。お前達もダンバカの仲間入りか。


しかも私のイメージした白の装備を誰も着てねーじゃねーか。

モイチは青、ハルは赤。ケンなんかメタル系の装備を着てるじゃねーか。

私の勇者のイメージを返してくれ。そりゃ、渡したのは私だよ?調子に乗って色々作ったよ?

でも出て行く時には白で揃えてたじゃないか!詐欺だな詐欺、勇者イメージ詐欺だ。



ピアとユウトの紹介もして明日に備えた。もちろんピアとユウトの装備はガッチャンガッチャン音のするメタルのフルアーマーに大楯を持たせたかった。でも重くて動けなかったので断念した。軽いメタル系装備でも辛そうだ。

装備は辞めてユニコ達が作ってくれた服を着せた。異世界金属の鎖帷子も着せるしこれだけいれば守ってやれるだろ。



翌朝も、配合から始めた。

今回は初めての第3世代ができる。リク×ニコ。

他は第2世代を中心に配合して行き、数を絞った。量より質にした。

リク×ニコ→イツミ♀メタル(龍)

ゴロウ×ミコ→エイタ♂黄龍

ムロ×ヨッコ→ムツミ♀暗龍

セブン×ヒマワリ→ナナ♀雷狼族

シロウ×ユニコ→キュータ♂幻獣族 (シルバーペガサス)



攻略という事では私は初めて浮遊城の洞窟ダンジョンに入る。


ピアとユウトを守るって?確かに2階層目から守りましたよ。全員で。

1階層目に入るや否や、全員で一斉に散っていき30秒も掛からず制覇。

この1階層目でやっつけた魔物の数で順番を決めるらしい。何の順番かって?


2階層目からは1人ずつしか戦いませんでした。あの、モンスターハウスなんですけど。しかも高レベルの魔物しかいない。


フロアマスターとダンジョンマスターは今回は勇者に譲ってくれるらしい。

勇者達も今回は3人共ダンジョンマスターキラーになると決めてるから毎回違う層のマスターと戦うようにしていた。


戦って無い連中は(ほぼ全員ですが)たまに来る魔物の排除と赤ちゃんの食事作り。いや、食事係はそんなにいりませんから。

今日はレベルがドンドン上がって行く毎に成長していくピアとユウトの服の調整にユニコとジャックは付きっ切りになっていた。もう鎖帷子も脱いでいる。成長が落ち着いたら調整してやろう。


2周目が終わった時にはピアとユウトの成長も落ち着き鎧も着れるような体力は付いていた。

ピアとユウトは大きくなったとはいえ魔法も武器も扱えないので鎧だけとも考えたが、今更だな服のままでいればいいさ、せっかく職人の私が作ってやったのに。いつから職人になったって?今日からだよ!


戦い方も今までダンジョンでは主流だった伸縮の槍は辞めて、ココアの様にソニックブームを皆出せるようになっていた。広範囲攻撃には有効な戦い方だった。一振りで手前の魔物をやっつけて何度か振るって遠くの魔物まである程度やっつけてしまう。最後は直接武器や得意技で仕上げていた。たまに気まぐれでブレスを出す者もいたが全員武器で戦っていた。


ピアとユウトは(みんな)の強さと見た事も無いレベルの魔物に感激で燥ぎまくっているし、その歓声を聞いたら更にやる気を出して魔物を倒していく。昨日も勇者達が初日でこんな感じだったらしいよ。


流石ダンバカ達だ。


今回も、生まれたての赤ちゃんたちは普通に大人になっていた。皆レベル60超え。イツミに限っては70を超えていた。流石第3世代。ピアとユウトも30を超えていた。全然弱いけどね。


勇者達もきっちりダンジョンマスターキラーになったよ。

これでもうどこに出しても恥ずかしくない実力を持った勇者になったよ。

S級のタイタンを相手に苦戦しながらとはいえ1人で勝てるんだもん。

フロアマスターなんか私達を見た途端、逃げようとしてたからね。



次の日の熟練度上げももう少しピアとユウトのレベルを上げたかったので参加した。

ダンバカ達は普通と言うかスパルタと言うか一切手出しをしなかった。全部赤ちゃんたちにやらせたのだ。赤ちゃんと言っても十分大人だけどね。

流石に1人ではなく赤ちゃん全員で戦わせるし時折武器の使い方や弱点の突き方などを指導したりしているあたりは感心させられた。

熟練度が直ぐに上がるのも納得だ。


その次の日は第3世代を2体だけ配合してもう2日行かせた。


エイタ×ムツミ→トウタ♂銀龍

キュータ×ナナ→パーチ♀幻獣族 (ゴールドペガサス)


ピアとユウトもレベル50を超えたので、今日から言葉や礼儀や計算や物の価値や各地の特産品など色んな勉強に入る。

講師はデルタ、ココア、イロハ、エース。エースとイロハは今後もピアとユウトに付けようかろ思ってる。ユニークスキル【金】があればその辺の石でも金にできるんだから取引には便利だし、馬になって馬車を引けるし良いサポートが出来ると思う。イロハも各地の巡回組だったから役に立つだろう。ララとロロも獣人だし商人ギルドカードを持ってるから一緒に付けようと考えてる。主に護衛だな。だから一緒に勉強させている。

イロハをリーダーにエース、ララ、ロロ、ピア、ユウトという商人ギルドパーティだ。



教育の方は任せて後回しにしていたコスモキングに挑戦した。

部屋で出せる大きさだったので部屋に籠って【創生】で指輪を作ったが2時間掛かった。今までの【錬金】だったら、もしかしたら丸一日以上掛かったかもしれない。



【鑑定】

名称:コスモキングの指輪

種類:指輪

攻撃力:0

守備力:200

付加効果:コスモキング


付加効果:コスモキング


何だろう、扉って。怖いな。(【那由多】?この扉って付加効果、何かわかるか?)

――異世界への扉です。


(え?ここが異世界じゃん。)

――異世界はいくつもあります。数え切れぬほど多くの異世界があり、それらをつなげる扉です。制限はあるようです。


(元の世界へ戻れるってことか?でも、戻ると今度はこっちに帰って来れないかも。)

――指輪は1往復で壊れる制限があるようです。どこにつながるかはわかりません。


うまくつながれば帰れるって事か。ただ無数の異世界の内の1つって確率的に無理があるな。

(人数制限はあるのかな?)

――1人です。指輪の装着者のみです。


微妙な感じだ。欲しかったような欲しく無かったような指輪だな。

封印だな。もっといい方法を探そう。こっちに転送で来れたんだからあるはずなんだ、皆と行きたいところへ行けるようなものもあるはずだ。もうこれだけの大所帯になったんだから1人は嫌だ。私にも責任があるからな、皆を置いてなんて行けない。仲間と行きたい。そうだ皆で行くんだ。そういうものを探すんだ。



今日は別にすることは無いんだが、指輪のせいで何もやる気が起きなかった。

そのせいで一晩中考えさせられて寝られなかったから馬車を10台と武器もたくさん作ってしまったよ。

家も4号5号6号7号が出来上がった。屋敷も食堂用を1件建てた。武具作りや薬の調合もしてたよ。それでも『扉の指輪』の事を考えるとずっと寝られなかった。やっぱり元の世界に戻りたい自分がいることも再確認させられた。

もう3日以上寝てないな。


ピア達の教育も続いてるし、屋敷に居て1人になると『扉の指輪』の事が頭から離れない。冒険者ギルド回りの御用聞きでもして気晴らしでもしようか。

うん、そうしよう。


まずは、アラハンからだな。

ロンレーンの町に来た。冒険者ギルドは順調の様で特に何も用事は無かったが、前回の世界樹関連の精算金を貰った。金貨2500枚だった。

ついでに薬屋ギルドにも寄った。調合を教えて貰おうと思ったからソラも『念話』で呼んだ。

ソラの能天気振りは今の私には丁度ありがたい。


「こんにちは。」

「まぁタロウさん、ようこそ。ソラちゃんも良く来てくれたわね。」

「今日は樹皮と樹液の調合を教えて貰おうと思いましてソラと来ました。」

「そうでしたか、ではこちらに回っていただけますか。」


奥の作業場に通された。前に来た時は表の事務所兼販売所のようなところでやったのだが、今日は奥の作業場だった。

色んな薬草や魔物の素材、道具も色んな形や大きさの物がある。

前回は見られたく無い物もあったのだろうな、でも今日は作業場まで入れて貰えた。


「ではこちらでやりますね。」フェリアスは道具を出して来た。

「それならこれを使ってください。」

樹液10瓶と樹皮を少し出した。


「まぁ、ありがとうございます。もう驚きませんわよ。」

「別に驚かそうとは思ってないんですけどね、そうそう、樹液を入れていた樽ですがあれも世界樹の樹皮ですよ。」

「ええ!?そうだったんですね。普通なら樹皮の出す聖なる気で分かったんでしょうけど樹液が入っていますから分かりませんでしたわ。」


「樹皮からも聖なる気が出てるんですか?」

「いえ聖なる気は出してませんが、残り香のようなもので聖なる気が閉じ込められているんです。長い時間が経てば消えますが100年程度では消えないでしょうね。」


フェリアスが道具を見せて説明してくれる。私もふむふむと神妙に頷きながら触らせてもらって解析完了。

樹液からは長寿の薬が調合できるし、樹皮からはHPやMPが徐々に回復するアイテムが作れるそうだ。


作り方も教えてもらい前回の分の精算金を受け取った。

金貨45万枚、大金貨で出してくれた。どういうことだ?そんなにか?

世界樹の葉500枚で金貨5万枚、樹液1樽で金貨20万枚、樹皮200平米で金貨20万枚。合計で45万枚と言われた。樹液を測ったら少しだけ1樽には足りて無かったが樹皮を多めに置いてもらったので相殺してくれたらしい。

そりゃ小瓶に少し出したもんね。でも凄いんだな世界樹って。正に金の成る木だよ。


今回も前回と同じだけ出してやった。葉を500枚、樹液を1樽、樹皮を200平米だ。まだまだ注文が止まらないそうだ。


「それと前回おっしゃっていた全回復の薬の事なんですが、どうやって作ったんですか?」

「これですが。」と自作の世界樹で作った道具を見せてやる。

「こ、これは、まさか、世界樹が素材ですか?」

「そうです。よくわかりましたね。」

「ええ、世界樹の杖をいただきましたでしょ?毎日肌身離さず持ってますからそれぐらいわかりますわ。」


肌身離さずってこの人もフェチだったか?でも世界中探しても無いだろうし杖フェチでなくともそうなるか。


「それなら納得です。こんな道具を使ったら効果は格段に上がりますからね。」

「そうだったんですね。同じだと思ってましたよ。」

「全然違いますわ、普通はHP全回復だけですもの。本当に羨ましいですわぁ。」

そう言ってフェリアスはチラッチラッと見て来る。


わかりましたよ、欲しいんですね。今日の授業料としてあげますよ。

世界樹で作った道具を1セット渡してあげた。今回は道具もたくさん作ってしまったんでいいんだけどね。

フェリアスは年甲斐もなく飛び上がって喜んでいた。

「家宝にしますわ」と言うフェリアスと別れて次の町に移った。


ロンレーンの町をノーライザとたくさん間違えてました。

修正しました。申し訳ありませんでした。

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