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第114話 商人ギルド登録

「飯でも行くか。奢ってやるぞ?」

「ホントに!いっぱい食べてもいいのか?」

「ああいいぞ。好きなものは何だ?」

「肉だよ肉肉。オークの肉が大好物だよ。」

「オークの肉か、どっかに店があったかな?」

「私が知ってるよ。絶対行ってみたいと思ってマークしてたんだ。こっちだよ。」


さすが商人を目指すだけあって目聡いし倹約もできるようだ。子供だったら真っ先に好きな物を食べに行きそうだけどな手持ちのお金と相談したんだろうな。その辺りは優秀そうだな。


幾らでも食ってもいいとは言ったけど2人共オーク肉を3人前食べたよ。その小さな身体のどこに入るんだ?


「お前達、入門は仮許可証だろ?今日で何日目だ?」

「1週間なんだ。今日、更新しないといけないんだけど、今銀貨10枚を払うのは痛いんだよ。いつ丁稚になれるかもわからなくなって来たし、宿代もあるから。」

早く商人ギルドカードを作ってやらないとな。私の計画を手伝って貰わないといけないし、先行投資だな。


「お前達、口は堅い方か?」

「大丈夫、秘密は絶対守れるよ。商人の鉄則だね。信用第一ってね。」

あとで転移するからな。言っても誰も信じないと思うけど、言われるのもな。


「ピアは誰にでもこうやって付いて行ったりするのか?」

「ん~ん初めてだよ、初めて会った人に付いて来たのは。この人は信用できるって私の直感が働いたんだ。私の直感は凄く当たるんだよ。」

【商才】ってそういうのもあるのかな? まだ熟練度0だけどな。


食事も終わり商人ギルドに戻って来た。ちょうど昼の部が再開した所だった。

受付の順番を待ち、私達の番になった。


「会員登録をしたいんだが。」

「はい、ありがとうございます。何カードをご希望ですか?」

「Bランクカードが希望なんだが。」

「び、Bでございますか?今のランクをお聞きしてもよろしいでしょうか?」

私は商人には見えないだろうな。冒険者にも見えないし、何に見えるんだろう?まだ商人の方が近いと思うんだが。言葉使いが商人ではないか。


「新規だ。」

「し、新規でBでございますか、あまり無い例でしたので驚いてしまいました。申し訳ございません。」

すぐにフォローしてくる辺り、さすが商人ギルドだな。


「さっき掲示板の書いてあることを見たが、丁稚も番頭も経験しなくても登録できるんだろ?」

「ええ、結構でございます。貴方様がBであとの2人はGランクの発行ということで宜しいですか?」

「いや、3人共Bランクで登録してくれ。」

「3人共ですか。よ、宜しいのですか?」

「ああ。」

金貨300枚を出した。町に入るときに換金してたからね。これぐらい先行投資しても各国を渡れる方が稼げるし、回収できる自信はある。無駄使いや衝動買いでは無い、と思う。


「これで登録できるんだろ?」

「はい、結構でございます。」

3人共Bランクで登録してもらった。

ピアもユウトもBランクがどんなもので何で受付の人が驚いてるかもわからず何が起こっているのか分かってない様子だった。ただ、金貨300枚には驚いていた。「お金持ちなんだー」って言ってたよ。


「そうだ、店の場所も選ばせて貰えるって書いてあったが、この近くにすぐに入れる店はないか?」

「この近くでしたら次の角の所にございますが、角地であり人通りも多いので人気の物件になっており少々お高いかと。」

「へぇ、いいタイミングで空いてたんだな。いくらだ?」

「はい、賃貸ですと月々金貨20枚です。買い取りですと金貨3000枚でございます。」

「買い取りが良いんだが今この国の通貨では足りないようだ。他国の通貨でも構わないか?」

「結構でございます、私共は商人ギルドでございますから。他国との取引も扱っていますので大丈夫でございます。」

「それは助かった。また換金所に行かなければならないところだったよ。ついでに換金もしてもらえると助かるんだが。」

「はい、換金もできますが幾らなさいますか?」

「金貨1000枚してもらおうか、合わせて大金貨40枚でいいな。」

マーメライメント王国の大金貨を出してやる。


「はい、ありがとうございます。では、カードを貸していただけますか?登録を致しますので。」

「カードで登録できるのか。それならピアのカードに登録してもらおうか。ピア、カードを渡して。」


ピアのカードに登録してもらって、担当の男性が金貨1000枚持ってきた。その男がそのまま店の場所まで案内してくれた。

案内されるほどの距離では無かったが、鍵を貰い店の中も説明してもらった。

2階建てで15坪ぐらいのスペースとトイレと簡易キッチンが付いていた。

住めなくは無いが風呂は無い。事務所だからね。

教育が終わったら、ここを拠点にしてピアとユウトには頑張って貰おう。


机も椅子も無いので、事務用の机と椅子を4つと、大きな作業台とカーテンを買って店まで戻って来た。この辺りは店が多いので机も椅子もカーテンもすぐに買えた。


1階に大きな作業台を置き、2階に机と椅子を4つ出した。

1階にも2階にもカーテンを張り、中が見えないようにした。

2階に転送ポイントを先に作っておき、これからの事を話し合った。


「ピア、これでお前達は商人の仲間入りをしたわけだが、お前達にこのまま商人の仕事をさせる訳にもいかない。そこで一度私の屋敷に行って私の仲間にお前達を鍛えて貰おうと思う。」

「どんなことをするんだい?」

「まずはその話し方だな。さっきの受付の人も丁寧に話してただろ?ああいう話し方をマスターしなければならない。」


「できるかなぁ。」

「できるかなぁじゃない、やるんだよ。お前は商人になって稼いで恩を返すんだろ?」

「そうだった、やるしかないんだった。」


「あとレベルも上げようか。お前達獣人はレベルが上がると姿も大人になるんだよな?」

「うん、なるよ。」

「私は冒険者だし、私の仲間も冒険者なんだ。だから一緒に行って魔物を倒せばお前達のレベルも上がるはずだ。怖いかもしれんが皆強いし安全だから、まずはレベル上げと言葉使いが出来てから商売に関することの相談をしようか。」

「わかった、タロウさんの言う事なら聞くよ。私の直感もそう言ってるよ。」

横でユウトもウンウン頷いてる。


大丈夫かな、その直感。ただの勢いの気がしてきたんだが。

「今から転移するからな。」

「転移ってなんだい?」

「一瞬で別の場所に移動するんだ。」

「そんな事ができるのかい?」

「ああ、今からやるぞ。」


短刀でアジトの屋敷まで転移した。

事務所の中から一瞬でジャンの背中の森に転移したからもちろん景色も変わる。

「すっごーい、こんなことができるなんてタロウさんって何者ー?」

横でユウトも大きな目をしてウンウン頷いている。


「冒険者だよ。ただの、ではないがな。」

「わかるよ、わかるわかる。凄い冒険者だよ!私の直感が言ってるよ。」

ユウトは横でウンウン。

そこも直感?関係ないよね。ユウトも何かしゃべれよ。


「あれって何?」

周りを見渡して確認していたピアが不思議そうに尋ねる。

「あれかぁ、あれは壁だ。そうとしか説明できないんだ、何か分からないが壁だ。」

「壁ぇ?」


私達はジャンの背中で生活しているが、ジャンも止まっている訳では無い。

東の国との壁に沿ってずっと進んでもらってる。東の国との壁はどこまで続いているのか進んでもらっているのだ。


「さて、先に服を作りに行こうか。その後はこの島の探検をしても構わないから。」

「服!作ってくれるの!? 嬉しい~。行く行くー。」


屋敷に入りユニコとジャックに2人を紹介する。

2人のサイズを見て貰い、作ってもらうように頼んでおく。私と勇者たちの分はもう10着ずつ出来ていた。早いし綺麗し格好良い、しかも丈夫そうだ。ホント良い腕してるよな。


海に落ちるなよっと言って2人を送り出した後、部屋に入って今後のことを整理してみた。


東の国の事について整理しよう。

私達は3人でこの大陸に転送されてきた。あの祠も石碑も調べたし、一時期カインも通って調べてくれたが何も分からなかった。

壁はどこまでも続いてるようだ。東の国を囲むように続いている。上からも入れない。


この大陸には情報を知ってる者は今のところいない。。まだ全部回った訳じゃ無いけど望みは薄いな。だからピア達に商人として各地を回らせれば、もっと情報も集まるんじゃないかと考えたんだが望みは薄いかもな。


東の国もそうだけど、元の世界の事なら勇者関係の方が知ってるかもな。本人たちは知らないが召喚した側は何か知ってるんじゃないか?

ただ、それを素直に教えてくれるものかな、イソッチみたいに口が軽い者ばかりでもないだろうしイソッチみたいなのはどう考えても少数派だろ。


それと魔王。北と南に勇者がいて、それぞれが魔王を倒す設定になっていた。それなら魔王も2人いるし、小判を持ってたとミルキーが言ってた冥王。どこにいるかもわからんが、何か知ってるかもしれない。


魔王と冥王とあと海王もいたよな。

この壁は海にできているんだし、海王なら何か知ってそうじゃないか?

情報は多いほどいい。何かに引っ掛かるかもしれない。手広く集めて行こう。


その為にも仲間は多い方がいい。【クロスランド】での配合でもリクの様な第2世代の方がレベルアップも早いし強くなっている。

もしかしたらユニークスキルで異世界を渡れるような能力を持っている者も生まれて来るかもしれない。第3世代までは最低でも確認したいと思ってる。


今、考えた中では『壁』『大陸の国々』『勇者』『魔王』『冥王』『海王』『勇者』『勇者召喚』『配合でのユニークスキル』か。


どこから手を付けるか。『壁』はこのまま続行だ。『大陸の国々』はピアとユウトがもう少し成長してからだな。先に『クロスランド』で出来た子達とレベルアップだ。

『魔王』『冥王』『海王』は後回しだ。先に『勇者召喚』にしよう。


そうなるとバンブレアム帝国とエンダーク王国になるのか。

ツンザンブレーン連邦の残りの勇者もいたなぁ。今どうなってるんだろ?

まだまだ情報がいるな。明日からは私も子育てダンジョンに参加して1つ1つ終わらせて行こう。


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