第11話 買取と購入
まずは祠の情報探しだ。
オオカミのおじさんの話では人間が管理しているということなので、すぐにわかるんではないだろうか。
魔物も売りたいし、ソラやココアに薙刀も買ってやりたい。
私もそこそこのでいいから刀が欲しくなってきた。
最初の刀は折れてしまったので、別の村で買ったものだがやはり鈍らだ。
すでに5本目だ。せめて折れない刀が欲しい。
まずは魔物を買取ってくれる店を探す。今までは小さな村ばかりで雑貨屋が買い取ってくれた。が、やはりどの村も買い取ってくれるのは1匹か2匹であった。
さすがに町になると専門の店があるだろう。
武器屋・雑貨屋・食堂・宿屋、どこでも買い取ってくれるようだったが大口はやってないとのこと。
すでに、かなりの魔物が亜空間収納に入っているので大口で買い取ってくれるところを探す。
森兎鬼×50 妖猫×10 角爪熊×2 虎刀牙×1 鶏爪羽×35 帰蝶鬼×15 鬼面鳥×40 三つ目蜥蜴×6 十足蜘蛛×10 軍団蟻×100 等々。
中でも苦労したのは虎刀牙だった。刀は通らないし折れるしでかいし。最後は3方向からの同時攻撃で1時間以上かかって、ようやく倒したほどだった。
元のオオカミの姿に戻ったココアが牽制し私が何発かパンチでダメージを与え、止めにソラの巨大化させた式具で喉元を突き刺した。
もう式具でいいです。箸でそんなことはできません。
角爪熊でさえ10分もかからず、私とソラの一人ずつで倒せたのにだ。
しかし【仲間】スキルが発動しないな、何かキーでもあるのか。
ようやく大口買取を探し出した。役所だった。役所と言っても奉行所のイメージと重なるところだった。
チョンマゲがいっぱいいたし。丁髷姿の人は村にはいなかったが、町に入ってからは何人か見かけていた。
この町にも長くいるつもりはないので、まとめて全部出したらすごく驚かれたが、全部買い取ってくれた。
手持ちのお金は500両以上になっていた。やはり予想通り虎刀牙が高く買い取られた。刀の素材にもなるようなので牙と爪は返してもらった。いい刀が買えそうだ。
ついでに転送される不思議な祠についても聞いてみる。
確かにあるそうだ。が、今は封印されているそうだ。
先に宿屋を確保して、それから武器屋だ。
宿屋の確保はすぐにできた。1週間の滞在だと長期滞在になるので優先してくれるそうなので、少し無駄になるかもしれないが、今は懐も暖かいので前金で渡してきた。
祠の情報収集に何日掛かるかわからないからだ。
武器屋はオーダーできるところを宿屋で紹介してもらった。
「すいません、刀と薙刀をお願いしたいのですが。」
「はーい、いらっしゃい」
奥から出てきたのは20代前半ぐらいの若い男だった。番頭だと名乗った。
「なにか ご希望はありますか?」
「虎刀牙の牙と爪を持っていますので、それを素材として刀を1本、薙刀を2本欲しいのですが。」
「それはすごいものをお持ちですねぇ、私共も久しぶりに扱う素材です。3日ほど、お時間をいただきますがよろしいですか?」
「3日なら大丈夫です。お願いします。」
「形として要望はありますか?」
「私は刀なんですが、一般的な形で結構です。」
「うちはねー、刃が長めで全体的には短いのがいい。刃と柄が同じ長さになるぐらい。」
「私は通常の物より柄が少し長めでお願いします。」
「かしこまりました。素材持ち込みということで、それぞれ100両。合計300両をいただいて宜しいですか?」
高いもんだなー、そりゃ鈍らとは違うしな。
「高いんですねー。」
「そりゃ虎刀牙ということになれば、素材が無ければ1本で500両ですからね。」
「そうでしたか。」そんなに高かったんだ。
周りに並んでいる刀を見ても100両するものはなかったので驚いて聞いたのだ。
「では素材はどちらに出せばいいですか?」
「ここで結構です。」
へー、たぶんこの人もある程度の収納の能力を持っているんだろう。
さっきの役所でも取ってきた量には驚かれたが、収納については何も言われなかったな。
「ではここに。」と言って爪と牙を出す。300両もそのまま渡し、受け取りの証として交換札を貰う。
「防具は無いんですね?」
「合戦でもない限り、防具は出回りませんよ。鎖帷子ぐらいは置いてますが。」
時代劇を見ても防具を付けている人はいなかったね。
「それでは3日後にお待ちしております。」
待望の折れない刀!




