第10話 西の町
少し急ぎ気味での行軍ではあったが、刀に慣れるため私も戦闘には加わるようにしていた。
オオカミのおじさんと別れてから7日目、ようやく町へと辿り着いた。
途中にも小さな村が点在していたが、雑貨屋に立ち寄って塩を買ったり森兎鬼を買い取ってもらうぐらいで、通り過ぎるように村から出ていた。
「やっと着いたなぁ。結構大きな町じゃないか。」
「こんなもんだよー、ちょっと早いぐらいかも―」
「そうですね、私も早かったと思います。」
そろそろ大型連休も終わるので、できたらこのまま元の世界に帰る方法が見つかればいいと思ってる。なので少し焦ってはいる。
この素晴らしい身体は捨てがたいが、ここまで文化レベルが違うとずっと居たいとは思わない。
この娘たちはこの世界の住人なんで問題は無いだろうし、付いてきたいと言えば付いて来てもいいとも思ってる。
名前: 佐藤 太郎
年齢: 18
種族: 人族
加護: なし
状態: 普通
性別: 男
レベル:45
魔法: 火・水・土・風・氷・雷・闇・光
技能: 刀・剣・槍・弓・料理・採集・解体・回避・遮断
耐性: 熱・風・木・水・雷・毒・麻痺・腐食・
スキル: 【亜空間収納】【鑑定】【複製】【変身】【仲間】【極再生】【痛覚無効】
ユニークスキル:【那由多】
称号: 異空間の住人
従者: ソラ・ココア
名前: ソラ
年齢: 250歳
種族: 九尾族
加護: 異空間住人の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:64
魔法: 火・水・土・風・雷・闇
技能: 牙・刀・薙刀・採集・調合・探知・回避・遮断
耐性: 熱・雷・毒・麻痺・腐食
スキル: 【鑑定(中)】【変身】【再生】
ユニークスキル:【天災】
称号: 九尾族の姫
名前: ココア
年齢: 150歳
種族: 白狼族
加護: 異空間住人の加護
状態: 普通
性別: 女
レベル:41
魔法: 水・土・風・
技能: 牙・短刀・薙刀・採集・料理・解体・探知・回避・遮断
耐性: 熱・雷・毒・麻痺。腐食
スキル: 【変身】【再生】
ユニークスキル:【山の神とのつながり】
称号: なし
順調にレベルも上がっていた。食事の用意は私とココアで担当していたので、ココアにも【解体】が付いていた。
全員、夜での移動でも見えるので苦にはならないが、睡眠も取らないといけないので寝るのは夜にしていた。
私は火の魔法だけソラに教わり使えるようになっていた。
ただ、天然というか才能というか、ソラの説明はわかりにくかった。
「ここんとこに力を入れてギュルギュルーってなったらグーンときてバァってやったらドカーンってなるんだよー。」
わかるかー! それでもココアのフォローもあり、なんとか火の魔法だけは覚えた。
適性があっても術を覚えないと何もできないのが魔法だそうだ。
それからは、料理するときの火も私がやるようになった。料理と言っても解体して塩焼きにするだけ。しかもココアと交代で。
ソラはすることが無くなったので薬草を取ってきたりして、いつの間にか【調合】できるようになっていた。
天才肌なんだろうね。感覚というか目分量というか。
「ゴリゴリーっとしてポタポタ垂らすときにグィーンときてギュルギュルーってしたらできるんだよー」
ココアでも説明不可でした。なんか魔力を合わせる的な表現が入ってましたけどね。
木の実なんかの【鑑定】はできたので、山椒や山菜などはできる限り取るようにしていた。田んぼの周りにアブラナがあったので大量に取っていた。
油が取れるかもしれないしね。椿も見つけて確保している。
確か、どちらも種から油が取れたはずだ。必要なければ捨てればいいが、備えるに越したことは無い。これでも元は50歳。無謀な冒険は避けたい。
収納はまだまだできそうだし。限界は無いのかもしれない。