悪夢
今回はパパンとママンの回です。
ーー先に言っておきます。
今回は、暗いです。
ーー啜り泣きする音が響いた。
数々の花に彩られ、蝋燭の炎が揺れるその空間に。
啜り泣いているのは、短い黒髪の、黒と白で構成されたセーラー服の少女。
涙ながらに、彼女は訴えた。
『ねえ‥‥どうしてよぉ!! やく、そくしたじゃない! 一緒に遊ぼうって、今度私が薦めたゲームやろうって! なのに、なんで死んでいるのよ!! 嘘でしょ!? おきて、起きてよぉ!! うそだって、いって‥‥! あぃ‥‥! 』
柩に向かって、少女は叫ぶ。
ーーここは式場。
命を送る場所。
『‥‥許さない! 許さない許さない!! なんで、愛が死ななきゃならなかったの!? なんで‥‥! 』
叫ぶ少女に、何一つ声をかけることができない。
『愛を殺した人を、私は、絶対に‥‥! 』
少女と同じ思いを抱きながら、泣き崩す妻の背中を擦ったーー
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『ーーおと、さん。おしごと、いそがしのに、ごめん、なさ‥‥』
ーーああ。これは、私の罪だ。
あの時、どうして傍に、いることが出来なかった?
全部、全部覚えている。
冷たくなった娘の体を、最期の息子の言葉も。
あの子の時、あれほど後悔したのに、また、息子すらも、
『ーおと、さん。』
「‥‥やめて、くれ‥‥! 」
『『お父さん』』
「お願いだから‥‥! 」
『『ーーさようなら。』』
「償わせてくれ!! 」
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「あなた! あなた!! しっかり!!」
「!?」
ーーヒューズ・ミスシアートは馬車の中で目を覚ました。
心臓がはち切れるばかりに波打っていて、脂汗が滲んでいる。
「あなた! 大丈夫‥‥?」
「問題、ない。ーーあの頃のことを、視ていただけだ。」
「ーー!?」
ヒュッと息を呑んだ妻に、弱々しく微笑んだ。
「ーーすまない。心配掛けたな。」
“私”が“俺”だったときの話は、ある意味この家では禁句だ。
あの時、何も見えていなかった自分は、大事な瞬間、子どもたちの傍にいてやれなかった。
「ーーいいえ、あれは、あの時は、私も」
「いや、違う。ーーこれは、“俺”達二人の罪だ。」
そう言うと、そうだったわね、と、弱々しくエリザベスは微笑んだ。
「ーーいこう。あの子達の、手助けに。」
我が儘かもれない、自己満足かもしれない、けど、もうあの子達を失うのは懲り懲りだ。
ーーだから、あの子達の害となるものは、全て排除してくれよう。
“あの時”とは違う。今は、それができるだけの、力がある。
悪夢のお陰で、再確認できた。
そう思いながら、ヒューズとエリザベスは王門を潜ったーーー
‥‥とんでけシリアス!!
再近気がつきました。
作者は唐突にシリアスを書いてしまう不死の病に罹っています。




