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決意

ふっかっーーーつ!!!

とはいえ、色々と連載抱えてしまっているので、スローペースで行きたいと思います。

自己管理がなっていない作者で大変申し訳ありません_| ̄|○


敵を討ち取ったどーーーー!!!

センターよ、さらばじゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!

 「御姫さーーん! 御姫さん!! 何処行ったぁーー!? 」


叫びながらゼクスは走っていた。


「本当‥‥‥どぉこ行っちまったんだぁ‥‥? 」


空を仰ぎながら呟く。

すると、ポツリ、ポツリと水の固まりが落ちてきた。


「うわやっべ!? 」


突然のことに思わず近くの建物の屋根の下に駆け込む。

一先ず安心だと髪を掻き上げて横を見ると、自分が一方的に知っている男と視線があった。


(げっ‥‥ここって訓練棟かよ。)


ーーーツォルフェライン国立魔法学院は広い。広いったら広い。

ぶっちゃけ何の用途があるのか分からない建物すら存在し、新入生や、今年卒業といった上級生ですら全員絶対に迷うぐらい、無駄に広い。

ぶっちゃけゼクスがちょっと迷うのも無理はない。というよりも訓練棟だと分かったゼクスはすごい。


「‥‥突然、災難ですね。お互い。 」


「誰だ貴様。」


そりゃそうだ。


「‥‥‥フレッドと申すものです。仕えているお嬢様が何処かへ行ってしまいまして、現在探している最中だったのですよ。」


ゼクスは用意していた偽名を名乗ることにした。

そして、どうやらその対処で正解だったようだ。


「それは災難だったな。」


そうあって、緑の目を少しだけ細め、焦げ茶色の髪をした男は少しばかり雰囲気を和らげた。


ーーーセドリック・レオーニ。


敬愛するアイリーンを傷つけた男の内の一人。

笑みを貼り付けたまま、ゼクスは“フレッド”として話を続ける。


「それにしても、この学園広いですね。」


「まあ、否定はしない。」


「ええ、私も迷ってしまいます。1年ここに来なかっただけで、随分雰囲気代わってしまったせいでしょうか。あ、私はここを去年卒業したのですが、もう少し調和が取れていた気が‥‥」


「どう、いう意味だ?」


食いついた。

気付かれないようにゼクスはクスリと嗤う。


「いえ? まるで貴族会の勢力がひっくり返っているかのような、そんな不調和を感じたものですから‥‥。

‥‥そういえば、カシム殿下がアイリーン嬢とのご婚約を破棄されたとか? それならばこの不穏な空気も納得いたしますね。なにせアイリーン嬢のご実家はこの国を代表しかつ真っ二つに割れてしまったこの国を唯一纏めているミスシアート伯爵家のご令嬢。この国が今なお形づくっていられるのもかの一族のお陰‥‥。あろうことかそのご令嬢を捨てて貴族派として名を連ねているハルドゥーク男爵令嬢を選ぶだなんて‥‥家格、血筋、教養全てにおいてアイリーン嬢よりも下、‥‥優しいだけでは、国を纏めることなど出来はしないというのに‥‥。」


丁寧ながらも特定の人間を否定する“フレッド”の言葉にわかりやすくセドリックは反応する。


「!? なっ‥‥!?」


良い機会だ。言いたいこと言おう。

そう思いながら深く笑みを貼り付けゼクスは続ける。


「それに、婚約者がいるのにも関わらず、その殿方と恋仲になるハルドゥーク男爵令嬢の人間性に私は疑問を感じますね。

ーーそれに、カシム殿下だけではなく、その周りの将来の重鎮とまで謳われる方々にまで‥‥。これを売春婦と呼ばずになんと呼ぶのですか?

このままいけば、将来王の血を引かない子供が王になることもあるやも知れませんね。ベルベット侯爵令嬢もお可哀相に‥‥。」


「!?」


口を挟むことを許さず怒濤のマシンガントークをするゼクスにアイリーンのことについて反論しようとしたセドリックも“ベルベット侯爵令嬢”という名が出た瞬間固まった。

それに気づかないふりをしながらゼクスは続ける。


「そもそも取り巻きの皆様もお気づきなのでしょうか? あの方達の社交界での噂、地に落ちていますよ? これ以上醜聞流したら家から廃嫡されるかもしれませんね。」


事実、そろそろ息子達を切り捨てようと動いている家はある。

ミスシアート伯爵の逆鱗に触れた馬鹿息子を捨てて、保身に走ろうと。

‥‥まあ、家族は大切にをモットーと掲げる彼らにそれは逆効果だったりするが。


「と、雨があがりましたね。それでは、私はこれで。」


慇懃に頭をさげつつ、“フレッド”は退場しようとする。

そして、クルリと回って、微笑みながらトドメを刺した。


「ーーこれが、テメェら全員が持たれてる印象で現実だ。いい加減目を醒ましやがれ。ーー醒ましても、遅いけどな。」


そう言い捨てて、今度こそ“フレッド”の皮を剥がしたゼクスは退場する。

固まっているセドリック・レオーニを放置して。



スッキリしてゼクスは息を吐く。

アイリーンを傷つけられて、腸が煮えくりかえるかのようだったが、幾分マシになった。


敬愛するアイリーンを探し出すために、ゼクスは雨のやんだ学園を再び走り出した。



●○●○●○●○●○●○●○



「御姫さんみーつけた。」


「うっさいわね。ほっときなさいよ。」


「いやそんなわけいかないでしょ? 」


ほら帰りますよ。

そういって手を差し伸べると、渋々と彼女はその手を握り返した。

その温度に目を細める。


13年前、死んでいたも同然の自分を拾い育ててくれたミスシアート伯爵。

ーーーあの時、自分は死んでいた。体ではなく、心が。

それを救ってくれたのは、他でもない彼女だった。


『どれほどわかり合おうとしても、ちょっとしかおたがいを理解できない。』


そう吐き捨てた自分に、彼女は笑いながら答えた。


『じゃ、もっとがんばろ? ちょっとしかわかりあえないなら、もっとがんばろ? それをくりかえせば、きっと、それでだめなら、もっともっと! そうすれば、もーおにーさまはさびしくないよね! ーーーだれもしてくれないなら、わたしががんばるから!』


その言葉に、手のひらの温もりに救われた。

伯爵にあの時偶然に出会わなくては、自分は生きていなかった。

彼女にあの時偶然に出会わなくては、自分は世界を憎んだままだった。


ミスシアート伯爵家が、彼女が自分を救ってくれた。


だから、今度は自分の番。助けて貰った分、救って貰った分


アイリーンは、俺が守る。


そう決意して、ゼクスはアイリーンの手を握り返した。


あっるぇ?

しょ、初期とキャラが違いますわよゼクスさん!?

書いていくうちにいつの間にか‥‥。

ゼクス、恐ろしい子‥‥!




こそーり宣伝(*´∀`*)ノ

後一月でバレンタインですねー。

皆さんの押しカップルを良ければ教えてください。

短編で書きます。

‥‥投票なかったらテキトーに一カップルだけ書きます(´;ω;`)

一応考えているのは

ゼクアイ、レオアル(アルレオ?)、ヒューエリ、ルキサシャですかねー。


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