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集合

 「あーーーー!!!もう!!!腹立つ!!!」


「お、落ち着いてくれ!!アイリーン!!」


「これが落ち着いていられるかぁぁぁぁぁぁ!!!!」


バキッと音を立ててアイリーンは持っていた扇子を片手でひねり潰した。

顔をアルシアは青く染め、必死で目を逸らしつつガチギレアイリーンを宥めていた。


「ホンットあの愚王子共!!全員《ピーーーーーーー!!》してしまえばいい!!」


「何を言っているのかよく分からないがそれは淑女として言ってはいけない言葉な気がする!!」


「諦めろ。そもそも御姫(おひぃ)さんに淑女を求めるな。」


「そ、それはアイリーンに失礼すぎないか‥‥‥‥って、わーーーー!!!」


突然現れた謎の男にアルシアは絶叫する。


「だ、誰だ!!」


「‥‥‥‥そんな警戒しなくても。」


「あ、ゼクス。」


ゼクス、そう呼ばれた男はへーい、と眼鏡を直しつつそう気の抜けた声で答えた。

全身を黒い執事服に身を包んだその男は無機質な色をした、長い銀髪を乱暴に掻きむしりながら大きく欠伸をした。

前髪で隠れた青い、鮮やかな色の目で気怠げにアルシアを見据える。


(あ、れ?どこか、で?)


ふと彼の顔が頭の中の誰かと重なる。

一体誰だったか、そう訝しげにその眼差しを向けると彼はプイッと横を向きアイリーンに語りかけた。


「まーた何かするんすか?御姫(おひぃ)さん。」


「その御姫(おひぃ)っての辞めてっつってんでしょ。」


「みぞおちっ!!」


ドスッといい音を立ててアイリーンの手刀がゼクスの鳩尾に流れるように決まった。

その華麗さに思わずアルシアは拍手する。


「でー?何をするつもりなんですか?あまり働きたくないんで、変な企みしないで欲しいんすけど。」


腹を抑えながら心底面倒くさそうに呟くゼクスにアイリーンの額に青筋が浮かぶ。


「あんたそれでもうち(ミスシアート家)の執事か!!」


「え、」


しつじ、‥‥執事!?

この、明らかにやる気の無さそうな、この男が!?


「どーも初めまして、俺はゼクス・アランソン。ミスシアート家で執事兼隠密やってまーす。モットーは“休むために頑張る。”でーす。」


薄い笑みを浮かべながらゼクスはヒラヒラと手を振って自己紹介した。なんだそのどうしようもないモットーは。


「こいつはこんなちゃらんぽらんだけど腕だけは確かだし、絶対に家を裏切らないわ。アルシアも信用してくれて構わないわ。」


「え、御姫(おひぃ)さんが優しい‥‥‥‥!!」


「あんたの中のあたしって何なのよ!?」


大袈裟にリアクションするゼクス、それにキレるアイリーン。

その掛け合いに思わず吹き出す。クスクスとアルシアが笑っていると、急にドアが開いた。


「失礼します、姉さん‥‥‥‥っ!!」


「ゲッ!若様。」


ゼクスの姿を認識した途端固まったレオンハルトに、レオンハルトを見た瞬間顔を歪めたゼクス。

ーーそして、ことは起こった。


「‥‥‥から」


「え?」


「姉さんから離れやがれこのニート執事ィィィィィ!!!!」


「ちょっとタンマァァァァァ!!!!」


叫びながら手を翳すレオンハルトに必死で逃げようとするゼクス。

レオンハルトはそんなゼクスに対して叫ぶ。


「問答無用!!!」


遠慮容赦なく、レオンハルトは鬼火(オーガフレイム)(上級炎魔法)をぶっ放す。それを避けつつゼクスは懐に仕舞っていた暗器を投げつけた。


「‥‥‥!?」


「て、しまった!!」


避けたは良いもののレオンハルトは足を捻らせていたのかよろけて家具に体をぶつけ、身動きが出来なくなる。

そのレオンハルトに、ゼクスが直前に投げてしまった暗器が迫る。


「レオン殿!!防御(プロテクト)


考えるよりも体が先に動き、気がつけば暗器からレオンハルトをアルシアは守っていた。


「怪我はないか?レオン殿。」


「あ、ああ。平気だ。」


どこか呆然としながらレオンハルトはコクコクと頷いた。


「そうか、‥‥立てるか?」


そう微笑みながらアルシアはレオンハルトに手を差し伸べる。

恥ずかしさ故か顔を赤くしながらレオンハルトはその手をとった。


「何あのイケメン。」


ポツリと呟かれたゼクスの声は誰にも届かない。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥ゼクス?レオン?

  ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥そこに座りなさい。」


「「あ‥‥‥‥。」」


ニッコリと天使のような微笑みを浮かべながら、アイリーンはこめかみに青筋を浮かべている。


(わたし)の寮室で何してくれてんだぁぁぁぁぁぁ!!!!」


「「すみませんでしたぁぁぁぁぁぁ!!!」」


説教をし始めたアイリーン。しかられ続けるゼクスとレオンハルト。それを見てオロオロとするアルシア。


ーーーこうして、彼らは集まった。同じ目的を果たすために。


はい、いっせーので、

アルシア様イケメェェェェェェェェェン!!!!!

個人的にお気に入りです、アルシア様。


後、突然ですが、実は一ヶ月位諸事情より更新できません。

大変申し訳ありません。

できるだけ早く復活するつもりです。

本当に申し訳ありません。


クリスマスに転生一家シリーズの短編を投稿する予定です!

よければお楽しみください。

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