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ウインク
クラスの男子と久しぶりに話すからか、カタコトになってしまった。
「よ。俺、隣の席の九野総悟。よろしく。」
「あ、うん。よろしく。」
隣の席っていうのは知ってたけど。
「片野って英語得意?」
「え?あ、うん。」
「じゃ、ちょっと英語教えてくれないか。」
「え?」
「今日、俺当てられるんだよ」
「あ、そうなの?教えるぐらいなら別にいいけど。」
「サンキュ、じゃ、ここ教えてくんね?」
「うん。」
これがこれであれがこれで、そんなことをしていると
休み時間が終わっていた。
「片野、ありがと。」
「うん。」
知らないうちに九野くんと仲良くなっていた。
「起立、礼、着席」
日直の号令を聞き慌てて席を立った。
授業では九野くんが言っていた通り先生に当てられていた。
九野くんはさっさと問題を解き先生にドヤ顔をしていた。
そして席に戻ってくると同時に私のことを見て
ウインクをした。
やばい、やばいぞ。男子高校生がウインクとか、
マジでやばいぞ。
少しキュンとしてしまった。
席に座った九野くんが小さな声で「ありがとう」と言った。
その後も授業は続いた。