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海の魔女・崩壊
ぼろぼろと存在が崩壊する。
あたしはあたしを保てないことがわかる。
あたしの命は使われ、坊や達との繋がりは絶たれた。
坊や。ぼうや。
どうか、どうか、幸せにおなり。
妹になって
抱きしめてともに遊びたかった。
ぁあ。ああ。あぁ。
あたしが消えていく。
あたしのかわいい坊や。
ぼろぼろと存在が崩壊する。
心が記憶が壊れていく。
『てーて』
坊やが眠りの中でつぶやく。
ゆるりとまぶたが上がり『青』が見える。
坊や。
「テーテ。」
そう呟いて透き通る液体をこぼす。
坊やは悪くはない。
あたしのかわいい坊や達。
あたしのいとしい坊や。
おばあちゃんと
あたしをそう思ってくれていたことだけで
あたしは嬉しい。
あたしのタメに流された涙に報いたいのに。
あたしにはその力が残っていない。
あぁ。あぁ。ぁあ。
願わくば、あたしのいとしい坊や達に幸せヲ。
あたしのいとしい坊や達。
あたしのカワイイボウヤタ………………