成長
「レン、起きろ」
んぅ~、この声はお兄さ、兄様でいいよね、兄様か
「あぃ~」
「ほらほら、よいしょっと」
ヨハンがレンを抱き上げるがレンはぐたっとしてうつらうつらとしている。
「テツ達もいるから早く起きろ」
「あかったー」
「イブキ、来い」
「わんっ」
私より兄様に懐いてるってどういうことなの…?イブキの裏切り者ーっ!
『レネン様、拗ねないで、ホタルがいます』
「ほたぁー」
レンがホタルをぎゅっとする。
「もうみんな集まってるぞ」
「ふぇ!?」
「早くいくぞ」
ちょ、みんな朝早すぎないかな、私の誕生会でどれだけ集まってるんだろうね、まあ5,6人いればいいよね
廊下を歩き誕生会の部屋のトビラをヨハンが開ける。
「え」
な、なんだこれ、なんで20人くらいいるの!?なんで!?
「あらレン、ヨハンやっと来たのね」
「おかしゃま?」
まだ朝なんですけど、何やってんですか、みんな暇人なんですか?
「レン、1歳の誕生日おめでとう!」
パンッとクラッカーが鳴る。
この世界でもクラッカーとかはあるんだね、勉強になります。
「こにょひちょたちあ?」
「あら、みんなレンのお誕生日会に来てくれたのよ」
「ほえぇ~」
すごいねみんな、やっぱりお母様とお父様は偉い人とかなんかなのかな?よくわかんないけど家も結構広い方だと思うしね。
「だからレンちゃんこのお誕生日会、楽しんでね?」
「あい!」
そして近所の人達と騒ぎまくっていつの間にか夜になってました、そしたらお母様とお父様が私の方へきてなんと、あるものをくれました!
なんと、教科書です!算数と読み書き、それに地理と歴史などなどいろいろなものをもらいました。あとなんかねペンダントももらいました色が何色かわからないような色なんだよね、角度によって違うっていうかなんていうか…明日からは教科書を使ってガンガン知識を蓄えていきたいね!
そして翌日のこと
「…」
全部わかるんだけども?算数も読み書きも全部わかるんだけども?いやね、多少はあれ、ってなることもあったよでも1問くらいだよ!?
「どーゆーことなにょ…」
私がこればかり読んでても仕方ないからテツ達に教えることにしたんだけどさ、イブキとホタルはいいよ、でもテツがね、うん、明らかにダメな子なんだよね。このあいださ、初歩的な1+1を教えたんだよそしたらね。
「いっこの、りんごちょ、もういっこのりんごをたしゅちょ、いくちゅでしょー?」
『簡単だよ!一個と一個でしょ?』
「おみゃ…」
てなことがあって絶句した、愛すべきバカじゃないよただのバカだよ。これはよろしくないなぁ
よし
「いーぶ、ほーた、てぇつをたにょむ」
『…(嫌だけど)分かりました』
『…(気が遠くなるけど)分かりました』
「にゃんか、ここりょの声が聞こえちゃんだけぢょ」
ああ、思い出しただけで頭が痛くなる。こんなんで大丈夫なのかな?
それから、レンは地理と歴史を重点的にイブキとホタルはテツの家庭教師(?)にそれぞれなり、知識を蓄えていくのでした。
そして季節は巡りレンはなんとはや4歳となっていた。
「年月が過ぎるのも早いものですね、ホタル」
『そうですねぇ』
『わーい!今日は読み書きの授業だっ!』
『テツ!その前に算数をしろっ』
「平和…だね?」
『そう、ですね』
レンが1歳になった日から3年の月日が流れていた、それまでは家の中から出してもらえなかったレンだが今日は何とヨハンとニコロ付きで特別に村を一周することに決まったのだった。レンは3匹のもう子犬だなんて言えない、子供一人くらいは乗れそうな大きな犬、テツ達に乗せてもらい、鞄の中には小瓶と薬草、野草図鑑を持ち、出かけていくのであった。
「よー!レンっ、元気してたか!」
「ニコロさん、それ昨日もお聞きしましたが」
「そうだっけ?」
「おー、ばっちり言ってたぞ」
「まあ、いいや」
レンは基本、敬語で話すようになっていた。ただしっテツ達は例外だが。
「にしてもレン、お前はまるでホタルが俺たちの言葉を理解しているかのように話しかけるんだな?」
「え、そ、そうですかねぇ?」
「おい、そんなのはいいからいこうぜっ!」
この3年にいろいろな変化があった、なんと1年前精霊たちがヨハンの髪を切ることを承諾したのだ。これには本当に驚いた、おかげでレンは飲んでいたシェルの実のジュースをこぼしてしまったくらいだ。
なぜ精霊たちが承諾したかというと、というか正しくは切るのを承諾したのではない、切られたのを許したのだった。
あれは1年前の寒い冬のこと、ヨハンはいつものようにニコロと遊んでいた時のこと、レンはその頃庭の花たち(冬のリース用)の世話していて手にはじゃまな茎を切る用の鋏が握られていた。
そしてニコロがその様子を見てレンの背中に思いっきりダイブしたのだった。その様子を隣で見ていたヨハンだったが大事な妹の手に鋏が握られているのをみ、止めに入ったところざくっ、と一気に束ねてある根元からざっくり切られたのだった。
まあ、そのせいでレンがさらに精霊の恨みを買ったのはまた別のお話。
まあこれで精霊たちが黙っているはずがなく、容赦なくレンに冷水を浴びせたところ、レンが大変な高熱をだしてヨハンがついにぶち切れ精霊たちをこっぴどく叱ったらしい。
それでさらに理不尽な恨みまで過半数の精霊から買うレンなのであった。(少数の精霊はきちんと反省した)
ニコロはニコロで4歳のときからは想像できない様な美少年に変化しつつあった、それはヨハンも同様なのだが、どうもこの村とその隣の村ではかなりの有名人らしい。
「はぁ…」
ああ、思い出すだけでも寒気がしてきたよ、あの風邪ひいたときは死ぬかと思ったし、でもこのあいだ村の人たちが気になること言ってたんだよね、まるであの3人は中身が大人みたいだって、あの3人っていったい誰のことなんだろう?
自分達のことだとはつゆ知らず、レンは一人考えていた、だがそのレンも普段は外で帽子をかぶっているからよく見えないが、つややかな薄桃色の髪に、吸い込まれそうなくらいの綺麗な青緑色の瞳という整った顔立ちで、村の一部の男子の噂の的になっているのだが…。
「まあ、いいやじゃあ行きましょうか?」
「そうだな」
「あー、今日はお昼なんだろうなあ」
「…はぁ」
3人の美男美女達は大きな犬たちとともに出かけていくのであった。