プロローグ
どうして、どうしてあんなものを私は取りに行ってしまったんだろう。捨てるつもりでいたのに、忘れるつもりでいたのに。
どうして…、それが後悔する道になると知っていたのに、
ザ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
雨音ともノイズともとれる音が鳴り響く。今日は朝から生憎の雨、私はボーッと窓の外を見ていた外を見ると傘をさした何人もの人が忙しそうに歩いているのが見える。こんな大雨いつ振りだろうか、小学校の頃?中学校の頃?いや、もっとずっと前?
もしかしたら人生で初めてのことかもしれない。
「~~~~~で、ここのYは~~~~~~を~~~~~して」
先生の声が聞こえる。ちなみに今の時間帯は5限目という何とも眠たい時間帯だ隣を見れば男子がむにゃむにゃと眠っている。きっと教室を見渡せばもっと寝ている人もいるだろうが。ていうか、寝るなよ。
しかし、これも仕方ない、5限目でありしかも授業は数学だからでも大丈夫な理由がある、それはこの学校は進学校ではなく高校を卒業、つまりこの学校を卒業するころには就職先が決まっている。
そういう生徒が大半だからみんな安心して授業中に寝る、留年しないか心配だが。
かくいう私もいまは授業を聞かず窓の外を眺めているわけだが、にしても朝からよく降ってるなぁ、と思った時のこと、ピーンポーンパーンポーンと校内に、つまり全校生徒に聞こえる校内放送が聞こえてきた。この放送でほとんどの生徒は目を覚ます、先生も何事か、と上を見上げている。
『えー、全校生徒のみなさんにお知らせします。この大雨で近くの戯己橋が洪水しそうだということで、えー、今から午後の授業を中止して速やかに帰ってください、えー、その際も近くの水辺には寄らずに安全な道を使って帰って
ください、繰り返します』
教室にいる生徒から歓喜の声が上がる。隣のクラスからも同じような声が聞こえてくる、先生もみんなに帰り支度を促しさっと黒板を消している。
私もそそくさと帰り支度を始める、先生曰く準備ができたものから帰ってもいいと言われたのでさっさと校舎から出る。洪水とか言われてるのに、そんな適当でいいのか。
今日は一緒に帰る紗妃が風邪で休みのため一人で帰る。
強い雨にさらされながらも帰路につく、そのときカバンからカチャンと音を立ててロケットが落ちる。
「ぁ」
強い雨のせいで道路にも水が結構ある、やばい、と思った瞬間ロケットはカチャカチャと音を立てて流されている。
あのロケットは私にとってトラウマの象徴でしかない。けれど反射的に追いかけてしまう、どれくらい追いかけただろうか、ロケットはまるで意志を持っているかのようにある方角へ流されている。
ばしゃん、と音を立てて水たまりに足を入れた瞬間水に足を取られて私は転ぶ、そのとき私は自分のいるところがどこか理解した、そう戯己橋。洪水しそうといっていた橋
一体どこまで流されてたんだ。そうぼそりとつぶやいて私の意識はなくなった。
ザ――――――――――――――――――――――――――――――――――――
雨音ともノイズともとれる音が鳴り響く。この音は確かについさっきまで聞いていた音だ
「え?」
気が付くと私は何もない世界にいた。無限に真っ黒な何かが続いている決して暗いわけではない黒いのだ、私さっきまでロケット追いかけてたよね?ていうか川に落ちたはずだよね?
なんで、と疑問符をつけながら頭の中で考えてみる。分からない、とにかくここはどこだろうか?
視線を上げて周りをきちんと見渡す。さっきまではぼんやりとしか見ていなかったからね、そこで6つのクリスタル(?)があることに気付く。
一つは私の真後ろにあるクリスタル、私はここから出てきたのかな?
このクリスタルは5つのクリスタルの中心に立っている、つまり中心にこのクリスタル、虹色だから虹クリスタルって呼ぼう。虹クリスタルを囲むように立っている赤、青、黄、桃、緑のクリスタルがある。
ためしに虹クリスタルに触れてみたけど何も起こらない、仕方ないので私の好きな色、青色のクリスタルに触れてみる、何も起こらないよね?そう思った時
『15gmEKQH11119666*kj』【アナタはその道を選ぶのね】
『2222200050005qhkjyv?』【困難な道になるよ?】
そう言われた、言葉自体はわからないがその言葉が訳された状態で頭の中に響く。その道?どういうことなんだろう、どういうこと?と聞こうとした瞬間私は真っ白な光に包まれた