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プロローグ 再会
春、新しい一年の始まり
俺、佐々原裕次は入学式であり、ながい休み明け特有の怠惰感と共に校長の長い催眠ボイスと格闘した後、新な教室で無駄に熱血な新任教師の暑苦しい紹介と転校生の紹介を終えて放課後の解放感に浸っていたら…
「裕次君、だよね?」
「お前は、ああ、転校生の」
「覚えてないの?」
「弓先夕夏だろ?」
「…本当に、覚えてないんだね、ゆーじん」
「なんで転校生のお前がそのあだ名を…ん?夕夏…」
「…」
「なあ、お前旧名は?」
「荒牧」
「…もしかして、ターナツ?ぐふぉ!?」
「なんでよりによってトラウマになってる方で思い出すかな?」
「いやいや、すまない」
「まあ、思い出せてもらってよかったわ」
「ゆっか、久しぶりだな」
…彼女に再会した