優等生はダメ人間
いらしてくださって、ありがとうございます。
今はガミガミと娘や息子を怒鳴っている私であるが、当然子どもと呼ばれる時代があった。
学校では、『明朗快活』とか『優しい』とか、プラスの評価をもらっていたが、母の評価は違っていた。
『のんびり』『だらしない』『おっちょこちょい』『お調子者』『飽きっぽい』『怒りっぽい』
…もういいや、へこむ。
家族って、歯に衣きせないからイヤになる。
小心者の私は、学校では『優等生』を演じていたが、家では『とんだダメ人間』だったのである。
部屋には獣道が走り、そろばん塾をさぼって物置でマンガ本を読み耽る。練炭火鉢を頭にかぶって遊び、風呂上がりには、かぶっているものはパンツに変わる。どうひいき目に見ても、優等生ではない。
そして、ダメ人間は私の真実の姿ではあったけれど、女の子は『ちゃんと』していなくてはいけないという女の子神話もまた、母によって脳内に植え付けられた私の真実だったのだ。
『ちゃんと』していないと、みんなに嫌われてしまう。嫌われて一人ぽっちになってしまう、と、想像するだけでも恐かった。
昭和の時代、汚ギャルなんてありえなかったのだ。
ギャルより幼かったから、汚チビか。
中々に素直だった私は、叱られれば直そうとはするが、まず三日であきる。
そこで『そうよ!欠点は直さなきゃ!』と思えれば良かったのだが、根がだらしなくて飽きっぽかったので、『そうよ!欠点は隠さなきゃ!』と、楽ではあるがなんの解決にもならない、子どもらしい解答にすり替えたのであった。
いまだに片付けが下手な私ではあるが、さすがに今では獣道は走ってない。
綺麗好きとまではいえないが、イラッとしない程度には片付けられる。
少しくらい汚れてたって、『今年のテーマはありのまま』と言ってしまえば割と受け入れてもらえるのだ。
多少苦笑されるが…
ちなみに練炭火鉢やパンツは、今やかぶってはいない。大人になった今、そんなものをかぶっても、ちっとも楽しくないからだ。
子どもの時分にパンツをかぶってはしゃぐなんて、かわいいではないか。
娘が幼い時の、頭にオムツをかぶって笑っている写真は、私の宝物だ。
中学生になった今、パンツをかぶってはしゃいでたら…親の立場では心配かも。
『優等生』も『ダメ人間』も、今では愛しい思い出なのである。
そして、それでも何とか生きていけるのだ。
読んでくださって、ありがとうございました。
ゴール地点をよく考えていなくて、途中で迷子になりそうでした。
反省。