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恋愛系

にこいちマフラー

作者: ぐるこーす
掲載日:2011/12/09

ぶるっと身震いした。

厚着をしたつもりだったが寒いものは寒い。

隣を歩く彼女も同じらしく震えている。


空から白いフワッとした花びらがひらひらと降りて来る。

今日は12月24日、クリスマスイヴ。

綺麗に装飾された街路樹の間を2人で歩いていた。


「明日だっけ?」


彼女に確認するとうん、と答えた。

2人で暫く歩き大きなツリーがある広場に到着。

やはり周りはカップルが多い。


「毎日メールか電話するから。」


「あぁ、何時でもして来いよ。」


ツリーを見上げながら話す。

電飾がとても綺麗だ。

彼女があのさ、と呟く。


「浮気したら許さないから。」


「するかよ。お前こそ変なのに引っかかるなよな。」


「もう引っかかってるから。」


チョップを彼女の頭に当てる。

彼女があうち、と鳴いた。














「これ美味しいね。」


予約していたレストランは満足して貰えたようだ。

俺も美味いと思う。

ゆっくり2人で色々な話しをした。

明日が過ぎればこうして会って話す機会なんてそう無いだろう。

彼女が引っ越す先は熊本。

東京からではちょっとそこまでと気軽に会いに行けない。


店員の声を背で聞きながら2人は外に出た。


「今日はもうすぐ終わりかぁ。」


体をぶるっと震わせて彼女が言う。

首が寒そうだったので自分のマフラーを巻いてやった。


「おぉー、温かいね。」


「そりゃなぁ。」


今度は自分が寒かった。

カッコつけ過ぎたか。

俺が体を震わせたのを目敏く見つけた彼女は巻いたマフラーの一端を長くして俺の首に回した。


「体冷やしちゃだめ。」


そう言って俺によりぎゅっとくっついた。

彼女はとても温かかった。














駅に向かう途中反対からもカップルらしき2人が歩いてきた。

2人とも顔もスタイルも良く、仲も良好そうだ。

実は彼女と俺の身長差は数cmしか無くてこれが結構コンプレックス。

だからそのカップルを目で追ってしまった。


「…ちょっとぉ、人の目の前で浮気?」


はっとして彼女をみたらむすっとして不機嫌そうだった。


「違う違う。ほら、俺達身長差なさ過ぎだからさ、あの位身長差あったら良いよなぁ、と。」


むすっとした顔は直ぐ戻った。

「えぇー、今くらいが良いよ。」


そうは言っても男としては彼女よりある程度背が高い方が良い。


「だってさ、こうして「にこいちマフラー」出来るし…。えいっ。」


ちゅっ、と唇で弾ける音が軽くした。


「キスし易いし?」


俺は「お、おぉ」としか返事出来なかった。

不意打ちでびっくりしたのだ。

彼女はしてやったりという顔。


「ははっ、びっくりしてる。じゃ、今日はここまでで良いよ。もう駅見えるし。」


気付くと俺のアパートと駅の分かれ道。

走ってく彼女に明日見送ると声を掛けると、彼女は走りながらこっちをむいて手を振った。

この作品では2人で1つのマフラー巻くのを『にこいちマフラー』という名前で呼んでます。

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― 新着の感想 ―
[一言]  「にこいちマフラー」というゴロがいいですね。想像しやすいですし。  嫉妬深いような、少し大胆な彼女の性格がいいですね。 どっちかというと私はこの作品でいう「俺」の性格に近いので、そんな子が…
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