館長補佐
ようやく食べ物(夢)にありつける喜びを隠せず、ニヤニヤしながら社内を歩いているキターラに
急にはちあわせてしまった警備員一人が近寄ってきた。
「貴様、我が社に何か用でも?」
「ここの社長令嬢に会わせろ」
アリオンの想像通り現在ここに彼女はいない。
内部事情を知らない様子のキターラに警備員は不思議に思い、質問を浴びせる
「貴様は社員ではないな、令嬢との面会は必要ない、大人しく帰れ!」
そう言ってキターラを突き放すと足早に去っていった。
「オイ待てコラぁ!オレはそいつ (の夢) を喰いにきただけなんだよ!」
その場が静まり返った。
誘拐だーー!社内の警報機が鳴り、誘拐を企む男の侵入に全員がパニックになった。
「取り押さえろ!」
同じフロアにいた何人かの社員のうち、気の強そうな女性がキターラの前方に立ちふさがり
大声でそう叫んだ。
そして「じっとしてて!今すぐ警察を呼ぶから」
そう言うなりさっそうと電話に手をかけてダイヤルを回し始める。
しばらくして窓の外から大きな音と光が差し込んできた。
「警察が来たんだわ」
その女性が外を覗き込んだ瞬間、
「貴方・・ご自身の都合がどうであろうと不法侵入はいけないとあれほど教えたはずですが・・」
黒いスーツを身にまとった背の高い男が女性に顔を寄せて言った。
「あなたこそ不法侵入でしょ。それに初対面の私に失礼じゃないかしら?」
急な展開にも少しもたじろぎもせずに言い返した。
するとその男は、はっとした様子で
「失礼しました。急いでいたもので。わたくしとしたことが人違いなどとんだ失態を・・」
「人違い?じゃああなたが用のある人って一体・・」
最後まで言い終わらないうちに男はキターラに歩み寄り
「先程の言葉・・聞こえていたでしょう?繰り返すつもりはありません、
帰ってお仕置きです。」
冷たい眼差しで見つめながらキターラの手を強引に引っ張ってその場を去ろうとする。
「待って!まだこっちの用が済んでないわ」
顔だけチラリと振り向いて男は
「知ったことですか」
言い放って影のように闇へ消えていった。
毎回思いつきで書いているんでかなり破綻した話になっています。
ご了承下さい。