1【極上のディナー】
※前回は序章でした、極上のディナーは今回です。
すみませんでした。
「いい加減決めようぜ、こいつなんかどうだ」
「いや、いい夢見てるじゃないか。このまま寝かしといてあげよう」
「あー!くそ!!お前と来るといっつもこうだよ!!!」
キターラは手に持った巨大な棍棒を地面に叩きつけ、暴れている。
「まあ慌てないで、大丈夫さ。まだ朝の10時だろ?」
アリオンがなだめるのをよそにキターラも暴走は続く
「こんな平日の時間に寝てるやつなんてどうせろくでもねえやつだろぉが!
俺はガキの夢に飢えてんだよ!」
なかなか静まらないキターラにほとほと愛想が尽きてきたので適当に流して
「また今度喰べればいいだろ、もう館に戻るぞ」
そう言うとキターラの片手を握り、もろともその場から姿を消した。
館に到着したアリオンは隣で怒りで肩を震わせているキターラを、
彼が何か言う前に片手で制し、
「君の怒りが爆発する前に一つ言っていこう。今朝君に夢を喰べさせてあげれなかったことは
悪く思うよ。」
「だったら・・・・・!!」
爆発寸前のキターラを今度は睨んで制して、話を続ける。
「だから君のためにおいしい話を用意したんだ」
自らの用事を早く済ませたかったアリオンは手短に説明した。
「要するに・・今夜金持ちの社長令嬢のガキの夢をオレ独り占めできるってことなんだよな?なあ?」
興奮気味・・・・というか興奮を抑えられないキターラは謎の奇声を発しながら暴れている。
「ああ、とてもいい夢を見せてあげるよ」
少し間を開けてポツリとアリオンは言い放った。
「極上のディナーだ」