ファニー・マーダーの理想論《準備中》
――ぼくは結局のところ、終わらせることしか出来ないんだ。
ぼくは破壊しか行わない。
ぼくは破綻しか齎さない。
ぼくは破滅しか与えない。
真っ赤な死神は、憂うでもなく、
悲嘆するでもなくそんなことを言う。
これは、様々な人間たちのアリの巣のように入り組んだ物語だ。
その中で問いかけられる。正義とはなにか、悪とはなにか。
白と黒をはっきりさせないといけない潔癖症な時代で、
少年少女たちは、それなりの人生を歩んでいた。
思春期というものが往々にしてそうであるように、
誰もが特別な存在になりたいのだ。
承認欲求は底なし沼のように、ネットの海を泳いでいる。
誰もが、自分だけのものが欲しいのだ。
しかしそれは自身が強く想うような、
心から願うような“特別”ではないのかもしれない。
彼らや彼女らが求めるものは、
必ずしも正しく叶うとは限らない。
絶望も、失望も、悲哀も、寂寞も恐怖も、
同じくらいの価値を持つ“特別”なのだから――。
そんな健全でいびつな日常の中で、
イレギュラーがこの世界に紛れ込んでくる。
それらは、『潜在性』や『灰色の脅威』と呼ばれた。
そして彼らを管理する『PSI機関』とは。
ファニー・マーダーの出生の秘密とは。
様々な意志がねじれて、この街を侵食していく。
そしてその潜在性を持つものが悪意に染まったとき――。
真っ赤な死神が、その姿を現す。
彼女の手は、光あふれる救いか、それとも地獄への手招きか。
永久島が挑む、ミステリー&セカイ系&新伝奇、開幕。
Synopsis
あらすじ《準備中》
2025/09/27 19:35
(改)