リスタート
夏休みに入り、ぐうたらゲームして寝たり、ニートみたいな生活をしていた時、ぴろん、とある一通のメールが投下された。
「盛大に祝え」
送信したのは親友の小林隼人。バイト先の先輩に恋しているヤツだ。
「夏休み中に告白するわ!」とかぬかしていたが、このメールを見る限り、成功した、という訳だろう。純粋で、まっすぐな恋愛をしているのだろう。俺と杏奈は違ったが。
翌日、よく行っているファミレスに四人集まる。
「...主役の隼人、司会を」
「こほん、よくぞ集まってくれた」
「なんかきもいよ」
沙良が艶があり、すらっとした髪をかき分けながら言う。
「どこがだよ!」
「わからなくもない」
「お、お前ら...!」
「ふふ、こうちゃんも沙良先輩も言うねー」
「仕切りなおすぞ...」
隼人がわざとらしく咳払いをして、喋りだす。
「お集まりいただき、ありがとう。今日は俺の付き合いましたパーティだ!」
なんともダサい名前のパーティが幕を開けた。
「で、どうやって告ったんだ?」
俺はみんなも気になってるであろう経緯を聞く。
「バイト終わりに呼び出して、スタッフルームで告ったよ」
「意外と普通なんだね。隼人だったらバイト中に言いそう」
「俺そんな風に見えるか?」
「うん」
みんなで同時に頷き、隼人を煽る。
「お前らは付き合ったりしないのかよ?」
ドキッと胸が高まる。別に好きな人もいないのに。
「私は別に作らないかな、男なんかあまり信用したくないしね」
「でも俺とか康介とかと絡んでるじゃん」
「あんたらは特別なの、なんか信用できるからね」
沙良はまんざらでもないように話すが、俺は知っている。沙良は過去に付き合っていた男に浮気をされ、それから男とは関わらなくなった。ちなみに、俺らと仲良くしているのは、バカっぽいから、らしい。流石にひどくない?
「私は、欲しいけどね。ほんとに愛してくれる人」
杏奈も浮気された身だ。なのに、こんなことを言うなんて。
「康介は?一番できそうだけど」
「実はできてるんでしょ?」
「い、いや!いねーよ、誤解やめろ」
「えー、その動揺の仕方,,,まさか?」
「こ、この話終わり!」
なんとか会話を終わらせれタ。危ない危ない、バレたら恥ずいからな...。ん?俺今なんて言った...?
パーティは幕を下ろした。
沙良と別れ、三人で帰路につく。
「あ、私コンビニ行ってくる」
「...俺も」
俺は杏奈の言葉を食い気味に言う。そう、もうこんな関係を終わらせるために。
「今日は奢ってあげるよ」
「言ったな?後悔するなよ」
「うえーん、いじめられてるよぉ」
「やめろこんなところで」
誤解されないように杏奈を黙らせ、アイスを一つかごにいれた時、手を掴まれた。
「...話したいこと、あるんでしょ?」
「バレてたか」
「当たり前だよ。話して」
俺は勇気を振り絞る。過去と決別するために。
「もう、こんな関係はやめよう」
「やっぱりね」
「...これからはその...体の関係じゃなくて、彼氏彼女の関係にならないか...?」
「ふふ、言うと思った。いいよ」
恋人になればきっと、もっと愛せるはずだ。
「...ゴム、買う?」
「うん」
「結局体じゃん、えっち」
「恋人なら別に普通だろ」
結局、恋とかよくわからなかった。なんとなく、好きになってしまった。でも、幸せにしたい、その気持ちは自然と芽生えた。
恋愛も、失恋があるからこそ、貴重なものになるのだろう。...でも、性欲に振り回されているのは事実だが。
俺らは体を重ねたまま、夢の世界へと、訪れた。
「欲望はありのままに」完結です。短かったですが、ご朗読いただき、ありがとうございました。




