やり直し
昨日、親友の妹、小林杏奈を淫らにした。
低俗で、最低な自分が憎い。
授業中も、集中出来るわけがない。別にいつも集中してるわけではないけど、今日はあまりにも何も考えられない。
「どうしたら...」
聞こえないくらいの声量で、そんなことを呟く。
放課後のチャイムが鳴った瞬間、鞄を抱え、すぐに帰路につく。今日は誰にも会いたくない。隼人にも、杏奈にも。
憂鬱だ。こんな関係になると思ってなかった。...でも、杏奈はいつものように接してくれた。まるで、昨日が夢だったみたいに。
ここ数日、俺は隼人とは最低限の会話をしたが、杏奈とは一切会話を交わさなかった。というよりかは、会わなかった。と言った方が正しいか。杏奈も、俺のことを避けているんだろう。もう、━━戻れない━━こんな言葉が頭に浮かぶ。当たり前だ。あんな淫らな行為を、相手のことを何も考えずにやるなんて。...ずっと考えていては仕方がないとはいえ、やはり関係が崩れるというのは、精神が参る。
昼休み、スマホの通知がなる。LINEだ。誰からだろう...
「放課後、空いてる?」
こんなメールが来たら、思春期男子は大喜びだろう。だが、送信してきた相手は...杏奈。
「空いてる」
光速で打ち込む。期待してる自分を殴りたい、なんて思いながら、スマホを閉じる。
放課後、俺は小林家のピンポンを押す。ドアが開くと、そこには制服姿の杏奈がいた。アッシュグレー色の髪がしっかりまかれていて、スカーフもしっかり巻かれおり、スカートの丈が短くなっている
「入って」
いつものように、いつものように。
杏奈の部屋に入る。
「隼人は?」
「バイトらしいよ。兄ちゃん、バイト先の先輩に恋してるとか言ってた」
「あはは...」
何とか言葉を捻り出す。
「ねぇ、こうちゃん」
ベッドに座りながら、杏奈は話し始めた。
「あの日のやり直し、したいんだ」
やり直し。そんなので、あの時の記憶は上書きできるのだろうか。杏奈が手に握らせてきたのは...コンドーム。もちろん、これが避妊具だってことは分かっている。だが、思わず聞いてしまった。
「これは...」
「そんな暗い顔しないで。私も、買う時緊張したんだから」
「...お前は、いいのか?」
別に、杏奈に対して、好きという感情はない。杏奈もそうだ。...だが、体が求めている。まるで、セフレのような関係だ。
俺は杏奈の制服に手をかけ、素肌をあらわにさせる。
「...優しく、してね?」
「あぁ」
理性をしっかり掴み、離れないようにする
「んちゅ....」
「んっん...」
杏奈の甘い声が漏れる。小さな水音をたてながら。
「きて...」
俺らはまた、体を重ねた。
目の前には、淫らにされた杏奈の姿。顔は...笑顔だ。
「ふふ...あの時より、良かったよ?」
「うっせ」
体を重ねた男女とは思えないくらいの軽い会話をし、服を整える。
「...ねぇ、なんでずっと避けてたの?」
「杏奈は、あの時のこと何も思ってないのか?」
「別に、何も思ってないわけじゃないけど...でも、あの関係をずっと続けるのも、良くないなって。だからこうやって、やり直し、したんだよ?」
俺の考えすぎだったのかもしれない。あのことは決して許されることではない。
「じゃ、帰る」
「うん、また明日ね」
俺は外に出た。何だか清々しい気分だ。あの時の落ち込んでたのが嘘みたいに。
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朝日が眩しい。重い一日が始まると思うと、中々な気分だ。でも、なんだが足が軽い。
「おはよう康介。お、今日はちゃんと寝れたみたいだな。」
「まぁな」
「兄ちゃんはほんとこうちゃんの保護者みたいな感じだね」
「うっさいぞ杏奈」
3人で笑いながら、学校に向かう。
「んで隼人、どうだったんだよ?」
「なにが?」
キョトンとしている隼人に、少し苛立った。
「バイト先の先輩だよ」
「めっちゃいい感じなんだよね!多分俺のこと好きなんじゃないかな!」
俺は杏奈と目を合わせ、苦笑いした。恋愛って、こんな自意識過剰になるんだな。
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昼休み、食堂に向かう途中、後ろから声をかけられる。
「こうちゃん」
小林杏奈だ。いつもよりスカーフが緩んでいて、スカートの丈に目がいく。
「なんだ?」
「きて」
強引に手を掴まれ、人気のない校舎裏に連れていかれる。
「ねぇ、私のことずっと見てたでしょ?」
「見てない」
「見てた」
「...見てた」
諦めた。別に好きというわけではない。ただ、気持ちよくなりたい。ただそれだけだった。
「なぁ、俺腹減って...ん!?」
杏奈が黙らせるように唇を重ねる。
「ちゅ...んんちゅ...」
流されるまま、キスをした。
「はぁ、はぁ、」
「したい?」
「ダメか?」
「ダメ、学校でヤってんのバレたらどうすんの」
「そっちが仕掛けてきたんだろ」
「放課後、ね?」
「...うん」




