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この作品には 〔ボーイズラブ要素〕が含まれています。
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甘くておいしい

掲載日:2026/10/21

C君は、ある特定の個人にとっては『美味しそう』なのだという


本当に食品のような意味で『美味しそう』という事らしい

そのせいで幼い頃から知らない人間に噛まれたり、殺されそうになる事があったのだという


彼らは皆一様に、『甘くて美味しそうだったから』と警察に話したらしい

C君を食べようとした人間は必ずしも犯罪傾向がある人ばかりではなく、普通の会社員や主婦が急にC君を食べようとする事もあるらしかった



そういう事もあってC君は家にこもりがちになった

外出恐怖症という病気なのだと、C君のお母さんから知らされた


僕が学校帰りに様子を見に行くと、C君は暗い顔をして自分の部屋で膝を抱えていた

「人に会うのが怖くなっちゃって」

C君がそう言う

「それはそうだろうな」と思ったので、毎日遊びに来るという約束をしてその日は帰宅した


それからは毎日、プリントを届けたりしたついでに、他愛もない話をして僕たちは交流を続けた

趣味が似通っているせいか話は弾むし、僕もC君も『この生活も悪くないな』と思うようになっていた



ある日、C君と話していると匂いがした


砂糖を焼いたような匂いで、僕が「なんか匂いがしない」と言うと、C君は顔色を変えて僕から離れた

理由を聞くとC君はそれには答えず、俯いたまま「もう家に来ないで」と言った


帰り際に、C君のお母さんと話す

お母さんは、僕が来ないとC君には友達がいなくなってしまうかも知れないから、今後も来て欲しいというような内容の事を言った

僕も同意見だった

 

だがそれ以来、C君と会うたびに部屋の匂いは強くなった



そう伝えると、ますますC君は僕を嫌うようになった


殴られた事さえあった

C君は何かを恐れているように、僕にためらいなく暴力を振るうようになった


それが当然の事となって更に数日

ある時、殴られまいとして僕がC君の腕を掴んだ瞬間に『あの匂い』がした



「あれっ………」


僕が匂いに気付くと、C君は机からカッターナイフを取って刃を出し、僕に刺そうと飛び込んで来た


殺されるかも知れない事が怖くなり、近くにあった椅子でC君を殴る

恐怖のあまり目を開けてもいない状態だったが、運良く椅子はC君の手に当たり、カッターが床に、かた、と落ちた



両親から聞かされた話では、そのあと僕はC君の体に噛み付いてごくごくと血を飲んでいたらしい

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