Tea break chips2~お茶壊のお茶請けその2~
【ベビーパウダーは少量でも効果(匂い)は3日続く(山椒は小粒でもピリリと辛い風に読んでください)】
優活:あぅぅ~……。
勲雄:ぬお!優活よ、いったいどうしたのじゃ?
優活:あ、じいちゃん。それがさー、聞いてよ……。
勲雄:……子たまがぶちまけたと。なるほどの、それで朝からこんな匂いが……。
優活:うう~、とりあえず洗ってくるよ……。
勲雄:それがいいの。……ああ、優活。洗うなら外の井戸水を使え。少しはましになるじゃろ。
優活:は~い……。
~♪洗い終わって♪~
優活:……。
勲雄:……。
優活:すごいでしょ、洗ってもまだ匂い落ちないんだ。(遠い目)
勲雄:ま、まぁむせかえるような匂いよりかましじゃろて(汗)。
優活:とりあえず、下ごしらえしてくるよ……。
勲雄:(若くして背中から哀愁が!?)
【昔話~散髪編~】
優活:あ、あのね、母さん。
優活母(以下母):ん?なぁに、ゆうちゃん♪(すごくいい笑顔)
優活:(あぅぅ……)ぼ、ボクの髪の毛、伸びてきたからさ……。
母:わかったわ、ゆうちゃん。お母さんに任せなさい!
優活:……うん。
~♪~
母:はいっ!ゆうちゃん終わったわよ♪
優活:え……もう、終わりなの……?
母:ええ、終わりよ♪(ニヤニヤ)
優活:か、母さん……。
母:なぁに?(ニヨニヨ)
優活:ま、まだ終わってないよ……。
母:な・に・が?(ヌヤヌヤ)
優活:……びー……ウダー……。
母:なぁに?き・こ・え・な~い♪(ものすごくいい笑顔)
優活:ベビーパウダー!頭にポフポフって、いつもみたいにしてっ///(顔を赤くして恥じらいの表情)
母:~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ!!!!!!!(有頂天!!!!!)
優活:お願い……お母さん。(目を潤ませながら上目使い)
母:んぶっふ!ふふ、もぅ、仕方ないんだから~♪(擬音語に表現不可能なほど崩れきった笑顔)は~い、ポフポフですよ~♪
優活:あふっ、…はふぅ………。
母:気持ちよさそうにしちゃって、よっぽどこれが好きなのね~♪
優活:ぁぅ…ふぅ…。
~♪~
母:はい、あなた♪サシェ(匂い袋)の中身交換しておいたわよ♪
優活父(以下父):おお!この量感、今回は多いね。
母:ふふ、今回は結構伸びてたからね~。効果もきっと長持ちするわよ。
父:ありがたい限り。まさか優活の髪の毛に癒し効果を見出すとはね、流石だよ。
母:優活はいい匂いがするから、効果があると思ってたのよ。それにわざわざ美容室や床屋に行かせるって言うのも気が引けるし、そもそも切った優活の髪の毛がすごいもったいない!って思っちゃったからね。
父:本音は?
母:他の人に髪の毛を切らせたくありませんでした~♪
父:正直だね(苦笑)。でもそういえば優活は最初、床屋に行きたがってなかった?
母:ああ、その理由はこれよ、これ♪
父:これは、ベビーパウダーかい?
母:ええ、この匂いが好きで床屋に行きたがってたらしいのよ。今ではこれで優活は思うままに……うふふ♪
父:ふふふふふ……。
父&母:ふふふふふふふふふふ♪(すごく黒い笑顔)
【積乱雲】
それは、まだボクがここに来たばかりの時のこと……
「はぁ、はぁ……疲れた~……」
そのまま河原の芝生に仰向けになって寝転がる。その時も少し夜色が混じった朝の空だった。
朝の冷えた空気が火照った体を冷ましてゆく。走った後の疲労感、そしてそれを冷やす空気がたまらなく好きだ。
「ぶしゅ~♪」
自分の体を見て思わず効果音をつけ、笑う。だって、湯気が見えるんだもん。
しばらくすると、体から湯気がすっかりなくなっていた。よっ、と反動をつけて起き上がる。
「さて」
相棒を手に取り軽く吹く。“ぷゎん!”と、一つ元気な音が出る。
そしていつもの練習曲《大きな歌》を吹いた。
そしていつものように何も考えずに吹いてゆく。それがいけなかったんだと思う……。
――どんっ!
横からの強い衝撃。そのままボクは横倒しになる。
一体何が起きたのか、わからなかった。その時に思ったことは吹き飛ばされた衝撃で、ピアニカを手放してしまったということだった。
それを引き寄せようとして手を伸ばす――が、
ぬっ、と黒い影がさす。真っ白い雲が近くにあった。
「んぅ?」
呑気におおきいなぁ~と思っていたら、ボクの体にその雲がのしかかってきた!
「え、え??」
混乱する間もなくその雲は、
べちょり。
「へ、え!?ちょ、ん、なあ、あははは、やめっ、くすぐったいよ!」
赤い舌を出してボクの顔を舐めまわした。
めっちょめっちょめっちょ。
そんな音を立てながらこの雲はボクの顔に局地的な集中豪雨を浴びせてゆく。文字通り、舐めまわすように。
「はははははっ、ちょ、も、もうやめ!だ、だれか~はははは、た、たすけて~!」
あったかくてくすぐったい。その上めちょめちょと音をたてる。そんな雨らしくない雨にボクは白旗をあげる。
「こらーー!ヨゼフー!!勝手に走りださないで……って、きゃーーーーー!!!!」
「へ、へるぷです~」
この雲(?)の飼い主であろう人がこちらに気づき、大慌てで駆けよってくる。
「こらっ、んもう!ヨゼフ!いい加減に……くぅぅぅぅぅ!!」
飼い主の子が懸命にリードを引っ張るが、力が足りないため、中々この雲は動こうとしない。
「んっ、くぅぅぅぅ……。そこの人、聞こえますか!?」
「あひ、はははは、は、はい!き、聞こえまははは、聞こえますぅ!」
「こっちで合図しますから、合わせてください!」
「んふぅ、はは、はいぃぃ!」
「いきますよ、3,2,1」
2人でタイミングを合わせる、その時――
「わふっ」
「うぬぅぅうううう……え!?」
「おりゃぁぁあああ……え!?」
急にボクの上からの圧迫感がなくなった。
そのかわりに、2人の勇ましい声が空しく響いく。
思い切り突き出された両手は行き場を失い、ただただ虚空を押し出して、飼い主の人は思い切りリードを引っ張った反動で尻もちをついていた。
そして、さっきまでボクの上で雨を降らしていた雲は、
「わふっ」
離れたところから小さく吠えて、そんなボク達を不思議そうに見ていたのだった。
~♪~
「ふふ」
「優活さん?何笑ってるんですか?」
「ん?ああ、春香ちゃんと初めて会った時のこと思い出して、ね。春香ちゃんの掛け声が‘おりゃぁぁ!!’って」
「う゛、まだ引きずりますか。優活さんも案外しつこい」
「そんなんじゃないんだけどな……。あ、そうだ!えっへん!」
「??何やってんですか、優活さん?胸なんか張って。」
「朝、ちゃんと早く起きたでしょ?」
「……はい?」
「どうだ!参ったか!!」
「きゃー、やられました~?」(棒読み)
「……」
「……」
「も、もうこれでボク子供じゃないもん!」(さらにえっへん)
「優活さん、そうやってる時点で立派な子供ですよ?」
【いい匂い】
春香:そういえば、今日のヨゼフは前の時よりもすごい勢いで優活さんに飛んで行きましたよ。
優活:へへ、ボクに会うのがそんなに嬉しかったんだよね?ねーヨゼフ?
ヨゼフ:ウォフっ!(べろべろ)
春香:のんきに言ってくれますけど、大変だったんですからね?ヨゼフ力強いから私転びそうになったんですから。
優活:ふぇ!?だ、大丈夫だったの?
春香:とっさに手をついたので怪我はしてませんよ。大ドジ優活さんとは違いますから。
優活:春香ちゃんのいじわる……。
ヨゼフ:(はぐはふ)
春香:って、こらヨゼフ!優活さんの髪を食べないの!
優活:大丈夫大丈夫。あまがみ程度だから痛くないし平気だよ。
春香:そういう問題じゃなくて……(すんすん)……あれ?この匂いは……?
優活:ああ、気づいちゃった?子たまが……ね、ベビーパウダーの缶をぶちまけちゃって……。洗ったけど量が量だから1週間以上続くかも……。
春香:(すんすん)
優活:春香ちゃん?
春香:(すぅすぅ)
優活:春香ちゃーん?
春香:(すー…はー…)
優活:ダメだこりゃ……。
ヨゼフ:(はぐはぐ)
【食い違い】
優活:春香ちゃん!!
春香:ふぇ!?あ、あ、む、夢中になんてなってないですよ!匂いを嗅ぐのに夢中になんてなってないですよ!?
優活:??……どういうこと?まぁいいや、それより春香ちゃん。昨日言ったこと忘れないでよね!
春香:昨日……っ!(ボッ)
優活:うわぁ!春香ちゃんが赤くなったぁ!?
春香:き、きき、昨日のことは……その、わ、忘れてくださいっ!
優活:んな!?ずるい、自分から言っといてそれはないよ!!
春香:(私口に出してたの!?)お、お願いです優活さん、あのことは忘れてください!
優活:むぅう!忘れたとは言わせないよ!昨日春香ちゃん達は――
春香:(や、やっぱり聞かれてたんだ!昨日背中合わせした時の……え、「達」?)
優活:今日ボクが高校生の証拠を見せたら、ちゃんと年上として敬うって言ったんだからね!
春香:……はい?
優活:んぅ~、やっぱり忘れてる。それに「おにえちゃん」じゃなくてちゃんと「お兄さん」って呼ぶって言ったのに……。今日はおやつ抜きにしちゃおうかな……。
春香:ふぇあ!?そ、それはっ――。
優活:それじゃあ、ちゃんとみんなのこと集めてね。ボクの制服姿、見せてあげるから。
春香:あ……はい。
優活:ん~~~!じゃあボクそろそろ帰るね。春香ちゃんも気をつけて帰ってね。
春香:あ!あの!!
優活:ん?
春香:え……と、あの、……おやつは、シュークリームで……お願いします。
優活:ん、りょ~かい。んじゃ、気をつけてね~。ヨゼフ、バイバイ。
ヨゼフ:うぉふっ!
春香:…………はぁ。聞かれてなくてよかった……「ちっちゃくて、ぎゅってしたい」なんて言ったら優活さん、怒るよね……。
【病みつき】
優活:…………。
雪乃:(むぎゅ~~♪)
優活:……あの。
雪乃:(むぎゅ~~♪)はい、なんでしょうか?
優活:その……そろそろ離してくれると…嬉しいのですが…。
雪乃:うふふふ♪(むぎゅ~~っ♪)
優活:あわわわわ!?ちょ、むぷっ。あああああたっちゃってますっ!
雪乃:押し当ててますからね~♪(さらにぎゅ~)
優活:んなむむ~~!!力……強いぃ……。
雪乃:は~……暖かくて柔らかくて小さくて髪の毛サラサラいい匂いで……もう癖になっちゃいますっ!
優活:く、苦しい、くるしいですぅぅ……。
雪乃:それに……えいっ!(ぎゅっ!)
優活:んぅっ!?
雪乃:ん~♪ぎゅってするたびにもっといい匂いが……えいっ、えいっ!
優活:ふぇぅっ、んぅ、ぅなっ、も、もぅっ!や、やめって、あぅっ!
雪乃:ふふっ、確かにこれは春香ちゃんが気に入るわけですね。もう病みつきになっちゃいます♪
優活:も、もうゆるして~。