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”私の事を好きでも何でもないくせに! なんで私の親に私と結婚したいとか簡単に言えるの?”

作者: 七瀬





”私の事を好きでも何でもないくせに、、、! 

なんで私の親に私と結婚したいとか簡単に言えるの?”




私はマッチングアプリで知り合った男性と仲良くなって。

最初はメッセージだけのやり取りからはじまり、次第に

彼が電話で話さないかと言われた私は彼と電話を頻繁にするようになる。

文字だけの時より彼の”声”は穏やかで優しい男性に感じたわ。

”彼は私の事が少しは好きかもしれないよね。”

そんな事をよく考えるように私はなっていたわ!



・・・そして遂に彼から私は会いたいと言われて会う事になったの!



彼と会うと? 顔は私のタイプじゃなかったけど、話が途切れないし

なんでも話せる相手に私は感じていたわ。

だから私は彼に次第に惹かれていったの!

それに彼との結婚も考えるようになっていったわ。




『“なあ? 今度、ふみ奈の両親に会いに行っていいかな?”』

『えぇ!?』

『今から仲良くなってた方が俺はいいと思ってさ!』

『うん勿論いいよ! いつ会いに行く?』

『“じゃあー次の日曜日にでも会いに行くか。”』

『うん!』





彼が私の両親に会いたいと言う事は、、、? 

”結婚をちゃんと考えてくれてくれてるんだと私は彼を信じていたの!”

そうじゃなかったら? 私の両親に会いたいなんて言わないと思うしね。

あの時の私は、彼を完全に信じ切っていたわ。



・・・でもそのうち彼から、”私はこんな事を言われるようになって!”



『“すまないんだけど? 俺の父親が初期の癌が見つかったらしく、

がん治療をしないといけなくなって、でもその治療費に130万円要る

んだけど? 少しの間、貸してくれないかな?” 俺の両親にも、ちゃんと

した形でふみ奈を会わせたいし、申し訳なんだが頼めないかな?』

『・・・130万か? ごめん、今の私にそんなお金は無くて、』

『そ、そうだよな、気にしなくていいよ、ごめんな、でも俺の両親に会う

のは随分かかると思う!』

『・・・そ、そんな、』

『“先ずは、父親の治療が先だからさ!”』

『そ、そうだね、分かった、』

『じゃあ、また連絡するな。』

『・・・ううん、』





彼は私との結婚を考えてくれていると言うのに、私は彼の力に

なれないなんて、”あの時、彼が私を頼って言ってくれたのに私ときたら?

あんなに簡単に断わってしまった事を、私は物凄く後悔していた。”

だから私は今までコツコツ貯めてきた貯金をおろして、彼を呼び出し!

彼に130万円を渡す事に決めたの!




『“ごめんね、前会った時! 凄く後悔してて、せっかく私を頼ってくれた

のに、簡単に私は断った事を後悔したの! これ、130万円、使って!”』

『えぇ!? い、いいのか?』

『いいよ! お父さん、これで治るといいね!』

『そ、そうだな、ありがとう! 本当に助かったよ。』

『ううん、いつでも私を頼って! ”私達、付き合ってるんだから!”』

『あぁ、本当にありがとう!』

『うん。』




彼の感謝の言葉を聞いて、私はこれからも彼の為にできる事はして

あげたいと想うようになったの!

”好きな男性ひとの為に何かしてあげたいと思うのが女心。”

私は彼をこれからも支えて行こうと心から決めたわ!




・・・でもね? 彼は私がお金を貸した時から、私に何かある度にお金を

催促するようになった。

それに彼は、”彼との結婚を私が夢見ている事も知っていたから、その事を

何かとチラつかせてきたの。”

だから私は、彼に言われた通りお金を貸し続けたわ!

私が彼を支えてあげないとこの男性ひとはきっとダメになると思って

いたから。

私だけが彼を誰よりも理解してあげられるんだと思っていたのよ!




『”悪い! 150万円が急に要るようになって、貸してくれないか?”』

『えぇ!? ひゃ、ひょく、150万円?』

『そう! 今度の日曜日、ふみ奈の両親に会って、結婚したいって言うよ。

でもその前に、頼む! いずれ夫婦になる訳だし今、貸してくれないかな?』

『わ、分かった、今度の日曜日! 私の両親に会って私と結婚したいって言って

くれるんだよね!』

『あぁ、約束する!』

『ううん、分かった! じゃあ、150万円直ぐに用意するね。』

『ありがとう、こんな事、ふみ奈しか頼めないよ。』

『うん!』






・・・彼に私が150万円貸すと? 彼は私の両親に本当に会って、

私と結婚を考えているとハッキリと言ってくれたわ!

その姿をマジかで見た私は、完全に彼を疑う事をやめてしまったのよ!

それなら? いくら彼にお金を貸しても近いうちに”彼は私の夫”になるなら、

別にお金をいくら貸しても大丈夫だと私は思ってしまった。

私の両親に実際に会って、こんな風に言える男性ひとが私を裏切る訳が

ないし! 彼を信じていいと私は自然にそう想えたの!



でも同時に、彼が私にお金を借りる回数がどんどん増えていく。

お金の金額も多くなっていったわ!

それでも私は彼を信じていたの!






 *







・・・その頃俺は、他の女性と結婚、子供がデキて、その後不倫。

妻子を置いて、他の女性と一緒に別の場所で暮らし始める。

その間も、あの女からお金をむしり取って俺は生活費や新しい彼女の

資金にあてていた!

あんな都合のいい女は他にいない!

いくらでも俺の為ならお金を工面する女。

”俺との結婚を夢見て、いくらでもお金を俺に貢いでくれるんだ!”

でも俺は既に結婚もしていて、子供も浮気相手の女は他に数人いるし、

こんな楽してお金を手にすることはない!

”アイツは、俺の増える札束! 俺の財布はいつもふかふか。”

アイツは俺のATM。

いつまでも俺に貢いでくれよ。



























 *



・・・まさか? こんな事を彼が思っていたなんて!?

私はどうしようもないバカで哀れな女だわ。


最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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