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色恋沙汰は後回し

 交代の時間になり俺とサンドラはガルロに起こされた。火を囲むように、馭者と護衛の冒険者達が眠る。

 飼葉と水を与えられて、馬たちも大人しく眠りについている。


 盗賊はわからないが、魔物が近づくと馬達も反応するので見張りは時々確認するように教わっていた。


 パーティーそれぞれが野営の前面後面別れて見張る。四人いるから四方を見張りたいが、個別に襲われると危険なので必ずマンセルを組む。


 カバー出来ない箇所は、荷台で侵入を妨害している。安全とは言い難いが時間は稼ぐ事が出来るので、よく使われる陣形だそうだ。


 サンドラと二人きりでいるのは初めてかもしれない。仕事を覚える為にガルロやクロードとはよく一緒にいて、飲みにも行くようになったんだが。


「緊張し過ぎだよ」


 サンドラは笑う。彼女と二人きりだとドキドキする。遊ばれているのはわかるんだが、反応しちゃうよな。

 そんな気持ちで真っ暗な野営地周辺を見ていると、ダンジョンより怖く感じた。


「慣れると夜目が効くようになるっていうけど、そんなの斥候の戯言だよね」


 護衛任務についていた知り合いのなかに斥候職がいて、サンドラはからかわれたらしい。


 レミールに似て目鼻のハッキリした美人なので、街中ではよくからかわれたりちょっかいをかけられると嘆いていた。


 俺やクロードなどはあまりそういうのがないため、サンドラの中で評価が高いらしい。ラクトが嫌われてるのは、単にお喋りだからだろう。


 俺は色恋沙汰に疎い自覚はある。底辺の人生と思って過ごしていたし、この世界に来てからは、ずっと生きる事に忙しかったせいだ。


 だからこうして警戒しながら話しをしようにも話題がなく、仲間の話しくらいしか浮かばない。


 慣れればそういった事もうまくなるのかなと、俺は思わず苦笑する。

 サンドラは疑問顔になっていると思われるが、顔は暗くてわからない。


 ただ女神様のいうように、我ながらこの世界を楽しめているなという実感は以前より感じた。他愛のない会話を時折しながら夜が明けていく。

 こういう気持ちはもやもやするが、たまにはいいのかもしれない。


 朝日が昇る頃になってリザードンが現れたが、はぐれた奴なのか単体だった為サンドラが手早く仕留めた。

 戦士としての技量は俺より断然上で美しいと思ってしまうよ。


 はじめての野営は無事に終わったが、旅はまだまだ続く。

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