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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レーナ編

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雪山の悪魔

 領主様の命令とはいえ、贔屓にしてくれるベルク商会を差し置いて介入して来た商会と仕事を受けた罰があたったのかもしれない。


 その日『鋼鉄の誓い』は、領主様の命令を受けたギルドからの指名で、グローデン山脈の探索チームに加わる事になった。


 帝国のギルドに籍を置くニルト達は王国の冒険者達と違って断る事も出来た。

 いつもは慎重なウロドがベルク商会からの報告で離脱していたのも痛い。


 この所、何もかもがうまくいっていて調子に乗って油断した。

 リーダーの俺が気を引き締めないと、パーティーみんなが迷惑を蒙る。


 せめてラズク村にいたのだから、サンドラさんに相談すれば良かった。

 今頃後悔しても遅い。俺達には手の追えない死をもたらす雄叫びが近づいて来た。


 調査隊を率いるチームのパーティーリーダーはサーロンド侯の領都サロンの銀級冒険者だ。


 王国の冒険者は帝国と違い、王命や領主の依頼を断れない。

 その分報酬がいいかと言うと変わらない。


 これは王国が冒険者よりも、常備兵に力を入れているからだ。

 今回も冒険者の調査チームとは別に領兵隊の分隊が、ラズク村まで来ている。


 辺境に領土を持つ領主として一応グローデン山脈の脅威は考えているようだ。

 毛嫌いしていても、窮地には大事な戦力になる銀級冒険者を投入しているくらいだ。


 万全を期した依頼と思い、『鋼鉄の誓い』は参加表明してしまった。

 後悔はすぐにやって来た。


 ダンジョンには魅力あふれるものとして伝えられがちだが、絶えず溢れ出す魔物、摂理を無視した成り立ちなど理不尽で脅威的な地でもある。


 慎重なようで、領主も銀級冒険者も俺達も当たり前の事を忘れていた。

 災禍を理由もなく呼び出す程、間抜けはいないと。


 放っておけば何も問題にならなかったのに欲に目がくらみ、調査チームは自分たちから魔物達の巣へ飛び込んでいった。


 弱肉強食の世界に、弱々しい餌がやって来て、もっと大量の餌場まで匂いをつけてやって来ている。


 現れたのはグリズリーディノスだ。

大型の魔獣で、魔法も使う白熊だ。

 ただの熊でも討伐には危険が伴う。

 ましてその三倍はでかい魔物となると強さははかりしれない。


 こちらには銀級冒険者達がいる。

 この時、『鋼鉄の誓い』の頭の中には、陣形を組み、諦めずに大型の魔物に立ち向かい打ち破ってみせた冒険者達の姿が浮かんだ。


 その当時の彼らより階級が上の銀級冒険者が控えている。

 彼らを中心に戦えばグリズリーディノスが相手でも戦い、勝てると思った。




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