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逃げた神々と迎撃魔王 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レーナ編

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出会い

 俺の日課は森へ行き、間引きする木々を選んで伐り倒して、余分な枝葉を払う。

 材木として売るものは川近くの材木置き場に運び、オミットの粉を撒いておく。


 この粉は女神様から聞いた特別な粉で配合には手間がかかる。

 防虫防腐効果があって、撒いておけば材木を川で運ぶ際に材木の芯まで染み込んでくれる。


 払った枝葉は集めてまとめておけば薪の欲しい村人が取りに来る。

 山小屋までは上がって来ないので村はずれから山小屋の中間あたりに置き場を作った。


 今日は集めた材木を川まで運び出して、筏を組んでサラスナまで下る。

 ナルジク川と呼ばれるこの川はグローデン山脈の山奥から流れていて、水量があり川幅がある。

 帝国側に比べて流れは緩やかなので、輸送には便利なのだ。


 サラスナまで下ると、港が見える。

サラスナの交易用の港で、下流域の街や沿岸沿いの都市に続く航路もあった。

 俺は筏ごと川から引き上げベルク商会の用意した材木置き場に運び入れてバラして乾かすために立てかける。


 もう一度オミットの粉を塗りこむ。

こうすると効果が高まり香りが良くなるからだ。

 ベルク商会の材木は高級嗜好の品として人気らしい。


 材木の処理を終えるとサラスナの町中まで移動し、ベルク商会に向かう。

商会の会館は比較的大きい。

 一階が商店や取引用の保管庫になっていて、二階が接客用の応接室など商談用の部屋がいくつかある。

 三階はベルク氏達の私室で、隣にはベルク氏達の屋敷があった。


 出迎えてくれたのはガルロで、今は商会の大番頭をしながら、屋敷では執事もこなしていた。


 屋敷にいたレミールと昔話や世間話しをしてラズク村まで歩いて帰る。

色々と手土産を持たせたがるので、背中にはリュックを背負う。


 今は斧は手斧だけだ。冒険者でもないし、熊や鹿や猪など偶にいるがそれ程危険はなかった。


 レミールとラニアにつかまると話しが長い。あえて話しを長引かせ泊まらせ、もてなそうとしてくれる。


 ベルク氏も同様なため、応対はガルロがいいがそうもいかない。

 三回に一度は泊まって行くが今日は早いので帰ることにした。


 サンドラへのお土産も忘れない。

ベルク商会がラズク村へも来るようになったが直接俺が来たときは、俺の方が早い。

 大抵のものはサンドラも喜んで受け取ってくれるので、渡す方も嬉しい。


 そんなわけで日が暮れかけの中、俺は港まで戻った。

 帰りは夜道になるが、川沿いを歩いていけば迷わない。


 獣は出ても魔物は出ないのは対岸に理由がある。

 見たことはないが対岸は巨人族の縄張りで、王国民は川は利用しても対岸には決して行かない。

 こわいものみたさはあるが行く気にはならなかった。


 船が出た後なのか港の波止場にはまだ人がいた。

 俺は山へ向かうので、そのまま川沿いへ足を向ける。


 川辺に目をやると小さな子供が一人佇んでいた。

 見送りに来た誰かの子供だろう、そう思って足を進みかけた。


 ‥‥が、何か気になった。


 ただの木こりなら気づかないままだったろうが、俺はこの子から魔法の力を感じた。

 それもエルヴァやキャロンより濃く強く。


 一つ目竜やダークネスヒドラ、フロストディアーボやディザースベノムなど、ダンジョン深層のボスクラスの魔物よりも、この小さな子供の持つであろう魔力は大きい気がした。


 久しぶりに震えが止まらない。なんで急にこんな所にいるのか。

 これが俺とレーナのはじめての出会いの瞬間だった。

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