薬屋巡り
冒険者の町カローデン。他所から当たり前のように多数の冒険者がやって来るため、ここではお約束の展開は起きようがなかった。
カローデン生え抜きのクランやパーティーはいくつかある。足を引っ張るより、少しでも使える人材を見極め、自分達の強化をはかりたいのだ。
行動原理はラングに似ている。カローデンの冒険者は、数あるダンジョン全ての踏破を競っていた。
ダンジョンをいくつ攻略したのか、それが名誉である彼らからすると、他所者でも、ダンジョン攻略達成した冒険者の来訪は、ただ単に燃えるようだけのようだった。
都市国家群の中でも異色の都市だ、と言われているわけだな、そう俺は思った。
ラングがギルド登録を済ませている間に、ベルク氏が商業ギルドで商会の登録を、ガルロがクランハウスの物件を捜していた。
宿屋も上等なものから、大人数の泊まれる宿まで沢山ある。一軒丸ごと貸し切る豪勢な高ランクパーティーもいるが、商業ギルドのメンバーがいるとこういう時は助かる。
クランの他のメンバーは、初めて見るカローデンの街の見学だ。
俺はサンドラとニーシャの二人と一緒に、薬屋へ仕入れに回っていた。ニーシャも調合は出来るが新しい街へ来るとどんな店があるのか調べて回るのが習慣になっているらしい。
いずれ自分の店を持つ時の参考にしたいのもあるようだ。
俺とサンドラはまあ、用心棒に近い。薬は高いものだってあるからな。
「新しい薬があるかもしれないし、見たことのない材料や調合があるかもしれないからさ」
カローデンは特にダンジョンが多いから、見たことのない素材が普通に店に並んでいる可能性があるようだ。
「ニーシャの薬には助かってるからね」
サンドラはニーシャの槍の先生でもある。気難しそうな子同士だからか気が合うのかもしれない。




