表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
おまけの番外編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

315/356

夜魔の王女④

 うぅ、悔しいしおかしい。私の言う事は聞かないのに、レガトの命令にはホイホイ従うなんてさ。あの子達が手伝ったから、レガト達の戦いも早く片付いた。


 おかげで親馬鹿パパが、レガトの存在に興味持っちゃったじゃないの。

 レーナからは、公女との来訪のタイミングを合わせろって言われてるのに。

 とりあえずレガトも目立って騒がれたくないだろうから、書類は預かっておこう。


 クォラがしつこい。おやじだから?

ミラに任せて大人しくしてればいいのに。


 あっイタっ!拳骨を落とされた隙に、レガトの書類を引ったくられた。

 あぁもぅ私は知らない。


 そうだ、上手く行かなかったらクォラのせいにしよう。なんかクォラがレガトの資料に目を通しながら、青くなったりプルプルしたりしてる。


 この感じ、絶対八つ当たりされる流れだよね。お茶でも入れ直そうと、ソロっと逃げるために席を立つ。


 あれ? 動けない?ミラのデカいお尻が私のスカートの端を思い切り踏んでるじゃないのよ。説明に夢中になって、ミラってばまったく気が付いていない。

 

 クォラが理不尽に怒りを私に向けるけど、ミラから情報を得ていて気にかけなかったの副ギルドマスターの方なんだからね。


 きっと辺境伯にも報告しなかった事を怒られるし、エルヴァにはしたり顔で嫌味言われるだろうけど、私を道連れにしないでほしいね。


 レガトに仲間が出来たので次は公女を迎え入れる体勢づくりだ。なんか変なのがやって来たけど、レガトが冒険者と知って教えを乞いに来たみたいね。

 流石だわレガト。もうラグーンで有名人になってるのね。


 早馬で公女がやって来ると聞いて、辺境伯も慌てていた。公爵からは出来る限り好きにさせて、早々に送り返してほしいと書かれていたみたい。


 面倒臭いけれど、公爵の指示通りにはさせられないのよ。クォラから報告が上がっているだろうから、私は領主邸へやって来た。


 領兵の耳元にアルプとケルプがフッと息を吹きかけた。ゾワッとした瞬間にはもう門を抜けて、私は領主邸の中に入っている。


 メイド服なので領兵もそれほど気にかけず通してくれるけれど、たまに融通効かない頑固ちゃんがいるのよね。

 私が執務室へ行くと、辺境伯に驚かれた。


「面会の予定はなかったはずだが」


 私を見て自分の邸の人間じゃないとわかるなんて、どれだけメイド好きなのこの男は。


「ちょっと待て、変な誤解をするな。あと、何を言おうと不審者はそっちだぞ」


 もう顔を知っているはずなのに、無駄に用心深いおっさんだわ。片手に短剣構えるとか、どういう嗜好なのよ。


 そう言えば私、レーナに呼び出されていきなり消えたままになっていたんだったわ。

 領主邸はあの後、騒ぎになったらしいけど全部レーナ――――じゃなくて報告を怠ったクォラが悪いのよクォラが。


 私は一応この前消えた経緯を説明しておく。悪いのは私ではないとわかればいいだけだもの。クォラの胃と髪の心配なんてしないわよ。


 私の態度に、辺境伯は深く溜息をついた。なんでも馬鹿息子がバカをやらかして頭の痛いところに、公女の報せが届いたそうだ。


 レーナから預かった言伝を聞くと、どうして公女が急に動いたのか辺境伯も納得したようだ。

 出来る領主はクォラと違い、レガトの事も気にかけて調べていたようだ。

情報源はエルヴァだろうけど、ね。


 公女の受け入れについてはレガトのパーティーごと孤児院の空き家を提案した。

 レガトが拠点をほしがるだろうし、元ギルドの拠点だったので防衛しやすい。

 公女の世話係も孤児院の子供という、どこの手垢もついていない働き手が揃ってるものね。


 拠点の案については辺境伯も了承し、入用なものがあれば用意すると確約してくれた。


 後日シャリアーナ達が合流して孤児院隣の空き家に拠点を移す事になった。

 私は殺風景な拠点内が公女の宿舎として相応しくないからと、領主邸の中から家具を調達する。

 買うと高いし時間もかかるものね。


 約束した手前、辺境伯は複雑そうな顔で執務室のソファーが運ばれてゆくのを眺めていた。





























評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
バナー用
 推理ジャンルも投稿しています。応援よろしくお願いいたします。↓  料理に込められたメッセージとは
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ