ダンジョン攻略開始
キールスから歩いて半日程の距離に『黒魔の瞳』と呼ばれる迷宮型ダンジョンがある。
ダンジョンにはいくつかのタイプがある。
洞窟型、積層型とも言われていて、その名の通り下に潜っていくダンジョンがホール型だ。
同じ迷宮型でも山岳の洞穴、洞窟のような足場が悪く高さや広さがまちまちのダンジョンと、整備されたお城や神殿の回廊式のタイプなど場所や深さによって違いがあった。
『黒魔の瞳』は浅層部分が洞窟タイプで中層から回廊に変わる複合タイプでもある。
出てくる魔物も黒魔と冠するように魔法を使う魔物が多い。
初心者には難しく、パーティーの推奨ランクもC以上で魔法使いがいる事が条件に付く。
『海竜の咆哮』はCランクが二つ、Dランクが一つなのでランク条件はクリアしている。
魔法使いも治癒士を含め三名なのでこれも大丈夫だった。
『黒魔の瞳』まではガルロが荷馬車を用意して攻略遠征用の荷物を運んでくれた。
単体パーティーなら時間を調整して野営して朝一に潜る事が基本だ。
大所帯になると、どのみちダンジョン内で連泊する事になるので到着時間はあまり気にしていなかった。
この日に備えてみんな装備を一新している。
ラング達はメインパーティーになるのでクロードが優先して武器や防具を新調していて、キャロンがそれに付与を行い魔法具にしてした。
付与の魔法は任務期間中や遠征中は魔力温存のためあまり使えないので、休みの期間に優先順位を考えて行っていたようだ。
エルヴァもキャロンに付与を行ってもらった装備以外に、魔力を高めるアクセサリーや魔力回復効果の高まる薬を用意してきている。
クラン内で純粋な魔法での戦闘能力はエルヴァがトップだろう。
気負いはないが参加人数が増えたので、カバーしきれるか一番心配しているのもエルヴァだった。
ラングはクランの盟主でもあるので、エルヴァの心配を和らげる為のアイテムをいくつか用意しているみたいだ。
ラクトやウロドのパーティーメンバーは護衛任務で得た臨時収入が多く入った。
俺同様に街で新しい武装を整えてきているようだ。
ダンジョンまでの移動中はそれぞれが武器や防具の自慢話しで賑やかだった。
単体パーティーならラングも注意したことだろう。
しかし大勢での移動ならかえってにぎやかな方がいい。
魔物の方が、騒がしいと警戒して寄り付かないので好きにさせていた。
ただ俺の武装に関しては、クロードがずっとグチグチと不機嫌そうに文句を言う。
忙しかったのだから仕方ないだろとラングは止めてくれた。
朝に出発し昼近くにはダンジョン入口へと着く。
ガルロから荷物を受け取り、ベネトとライガスが大半を受け持つ。
荷物の中身の多くは食料品や設営器具だ。
魔物の素材回収や珍品集めを考えるとポーターはもう少し必要かもしれないな。
今回は攻略遠征初回なので、こうした疑問や改善案は覚えて次回へ課題としておく。
俺は何度かダンジョンでの依頼を受けていたが、本格攻略ははじめての事なので緊張すまいと気合いを入れ直した。




