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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
ガウツ編

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クランハウス

 キールスに戻った俺達は冒険者ギルドで依頼終了の報告と盗賊団退治について詳細と完了済み報告を行った。


 帝国の中央貴族の関わりについては憶測だけで確証がないため口外しない事になっている。

 こちらが勘付いていると知らせるより、たまたま上手く事が運び大金が入って喜ぶ田舎冒険者、って見てもらえたならすぐに叩きには来ないだろうからだ。


 今は力をつける事が先決だ。

 今回は依頼報酬だけではなく、ラクトがリーダーとして向いているのがわかったのも大きい。

 仲の悪かったサンドラも渋々認めている。


 そしてクラン戦力強化にDランクパーティーが『海竜の咆哮』に加わった。

 鉄級が二名銅級が三名いて若手の中の有望株だ。

 ベルク氏の縁で一緒に仕事をする事が多く、今回の事で加入を決意したようだ。


 パーティー名は『海竜の鱗』に決まる。

 リーダーが大盾使い、パーティーメンバーに回復役のラニアがいるので、象徴する名前は防御的な部位を選んだらしい。


 三パーティーとなるとクランとしてもメンバー用の拠点が必要になる。

 今までは宿屋のフロアを貸し切って俺もそこにいたが、大所帯になると一軒丸ごとあった方が便利だ。


 ベルク氏はそれについてはラングと共に考えていて、ベルク商会の本店横に倉庫を兼ねたクランハウスを用意していた。


 運び出す荷物は大した事はないが商会の荷馬車を借りて全員が拠点へ引っ越しを行う。


 小さいと卑下するが商会を営んでいているだけあってクランハウスはキールスの冒険者ギルドよりも広く大きかった。


 もっとも一階の半分はベルク商会が倉庫としている上、商業ギルド員のレミールのための個室や事務室として使っている区画があるので実際は同程度だと思う。


 部屋数は沢山あるので今のところ個室だ。

 俺は荷物が少ないけれど女神様の鎧を保管する鍵付きのロッカーだけは欲しかった。


 一階の大部屋はロビーがわりに食堂も兼ね、二階の中部屋は談話室に決まる。


 新しく部屋割りを決めた後はクラン結成と新規加入者のおいわいをあらためて行った。


 普段はまったく酒を飲まない俺はこの時は少しだけ楽しんだ。

 いい仲間に出会い楽しんで毎日を生きる、俺は異世界に来た事に感謝した。




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