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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
レガト編

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『龍帝の旗』

 新人冒険者達が領主邸やギルドへ殺到する中、領都の中央付近にある冒険者の集団がいた。

 大半のものの装備が新人達とは比べものにならない程立派で、戦力も戦士から魔法使いまで様々な職の集まりだと見てわかった。



 実力がわかっているからか、冒険者集団はまっすぐに孤児院の入口へと突っ込んでくる。

僕らが予測したように狙いはシャリアーナだ。


 邪魔をするなら子供達など皆殺しだとばかりに、武器を抜く。

 孤児院に突入した瞬間、アルプとインプが互いにロープを持って出て来たため先頭のものが盛大に転ぶ。


 リモニカと僕の放つ矢が前の者が死角になって見えてなかった後続の身体を射抜く。

 リグとメニーニは倒れた冒険者達に一撃を加えすぐに離脱する。


 一瞬で四名が致命傷を負い、『龍帝の旗』の足が止まった。


「このガキども強いぞ」


 後続の冒険者は瞬時に盾役を前に支援役を下げた。

 金級を含む三十名近い冒険者達との戦い。


 もう不意討ちは通じず油断もない。

 互いに上位の魔物と対峙したかのように孤児院敷地の入り口で観察しあう。


「シャリアーナ公女を渡せ。それで今回は見逃してやる」


 リーダーらしき男が呻く仲間をよそに勧告する。

 僕達の装備が普通の新米と違う事に気づいたようだ。

 リグ以外は皆背丈が低く、ゴブリン達とたいしてかわらなく見えていそうだけどね。


「シャリアーナは僕らの仲間だ。そっちこそ、悪巧みを止めて帝都に帰りなよ」


「なら仕方ない」


 男がそう言うと冒険者達は散開した。

 入口から何も押し入る必要はないからだ。


 孤児院はギルドの跡地だけあって、簡易な石壁に囲われた土地になっていた。

 ただよじ登るのはそれ程難しい事はなく、Bランクパーティーの二組がそれぞれ分かれて孤児院の敷地内に侵入してきた。


 正面にはAランクパーティーとCランクパーティーが残り足元を気にしながら分散して僕達に攻撃をしかける。

 孤児院の建物の中に入られて子供たちを狙われたくないので、シャリアーナはイルミアと僕達の後ろに姿を見せていた。


 ハープはアミュラと、ホープはスーリヤと左右のBランクパーティーの迎撃に向かう。

 七対二と、八対二、数は圧倒的不利だ。

 僕はすかさず左右にゴブリンスタークを二体ずつ召喚した。

Bランクパーティーの背後に挟み討ちの形になったため陣形が乱れる。


 そしてシャリアーナの影にいたケルプから警報が入ったので、もう二体を護衛につけた。


 流石はAランクパーティーだ。

 召喚士がいたようで、上空から小型のグリフォンが飛来しシャリアーナを拐おうとしていた。


 会話したのも、左右に分けたのも狙いを絞らせないための布石で、本命は上空と足元からだった。


 グリフォンはゴブリンスターク達が防ぎ、足元のシャドーデビルはケルプが抑える。


「ほえっ、あの子供気づいてたよ」


 Aランクのパーティーから間抜けな声が聞こえた。

 すかさずリモニカが声を発した主に向けて矢を放ったが、大盾を持つ男に防がれる。


「ミスリルの矢を新米のガキが使うのかよ」


 盾に刺さった矢を見て、リモニカの矢が彼らの防御結界を突き破ったのを同時に悟る。


「あの二人は俺たちがやる。お前たちは公女を殺れ」


 Cランク冒険者の残りと銀級冒険者の一人がシャリアーナ達に向かう。


「リグ、メニーニ、下がってシャリアーナを守れ!」


 金級冒険者達の動きはかなり速い。同じ盾役を務めるならシャリアーナについてもらう。


 当然の事ながら、僕とリモニカは二人でAランクパーティーの主力と向き合う事になった。



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