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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
ガウツ編

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因縁のはじまり

 トールドの砦町を出てしばらくした所でラクトは隊商を止めてみんなを集めた。

 馭者達やDランクパーティーの面々は何事?と不思議そうにラクトを見る。


 ラクトは一度俺とガルロに視線を向け話している間の警戒をさせる。

 ガルロも何か知ったか、気づいてラクトに進言したのだろう。


「思わぬ報酬に次ぐ報酬で浮かれてしまう所を悪いが、今回の件偶々俺達のタイミングが良すぎたせいで、誰かの思惑を潰したかもしれない」


 ラクトがそう告げるとサンドラが思い当たる景色を想像して舌打ちをし、クォラもなんとなく感じた違和感を口にする。


「盗賊達が欲をかいて計算外の壊滅をしたせいで、もう少し困らせてから動くはずの機会を俺達が先に取ってしまったんだ」


「帝国のクソ貴族共かい?」


「段取りは、だ。

出来レースというのか、予めトールドの重鎮の身内の誰かが拐われ、助け出される事になってたんだろう」


 ラクトの考えにサンドラもそうだろうね、という顔になる。


「巡回兵の駐屯地もですか?」


 Dランクパーティーのウロドが疑問を投げつける。


「それも込みだ。人質もお宝もわかりやすく置いてあっただろう?

おそらく帝国から貴族の息のかかったパーティーが派遣されて来るタイミングに合わせるつもりだったんじゃないかな」


 ラクトは冒険者ギルドでAランクパーティーがわざわざ盗賊団退治にやって来てくれる話しを聞いていた。

 その時に疑問が解けたのだろう。


「憶測でしかないが巡回兵の中に手引きしたものがいて、破壊現場を目撃されないよう動いた結果、人的被害は奇跡的になかった形になったんだろうな」


 大型の魔物説もそいつが都合よく乗っかった気がする。


 破壊は一見派手だがよく見ると人為的で、使いたい部分だけ上手く残している。


 俺の予測では、あの金貨は後から来る冒険者にはじめから渡る事を想定して盗賊達に報酬として奮発したんじゃないかと思っている。


 ラクトの話しを耳にしながら俺もこの件は後々まで引っ掛けり、影響を受ける案件になるんじゃないかと感じていた。


 気の荒い相手なら今いる手駒を使って襲撃して来るだろうと警戒していたが、キールスに到着するまでの間、対人戦に至る事態に陥ることはなかった。



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