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逃げた神々と迎撃魔王 第一部 〜 集う冒険者たち 〜【完結済】  作者: モモル24号
ガウツ編

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依頼報酬

 食事を終えて集合場所の冒険者ギルド前に行く。ギルド前の少し開けた場所にはガルロ達が待っていた。


 今夜はこのまま宿屋へ泊まり、明日はキールスへ戻るための護衛任務の復路になる。キールスへ運ぶ品々の手配は、ガルロが商業ギルドで済ませて来た。


 誘拐された娘が傷一つ負わず無事に帰って来た事に、商業ギルドのギルドマスターが涙を流して感謝していた。


 トールド育ちの冒険者の話しを聞いているから、誘拐事件を含めて引っかかる事が色々あるけど、ここでは誰が聞いているかわからないので黙っておいた。


 依頼ではないので貢献度はつかない。そのかわりに褒賞金を奮発してくれたそうだ。

 Dランクパーティーの面々が浮ついているのはキールスへ戻った時に、特別報酬が支払われると確約されたからだろう。


 冒険者ギルドでも盗賊団討伐による報酬が入ったのと、盗賊達から回収した装備品などの売却額の収入が結構な額になった。


 盗賊の溜め込んでいた財産も含めると支出なしでダンジョン深層を踏破したくらいの利益になるという。

 稼ぎの良い盗賊がいる反面、泣きを見た商人がいるって事で素直には喜べないか。


 まだ帰り道があるので浮かれてばかりいられないし、思わぬ方面から横槍が入る可能性もある。ラクトに伝えると、彼もその事について考えていたので口を塞ぐ仕草をした。


 やって来た時と違い、帰り道は荷物の価値や任務としての必要性がないので、目標は無事に帰ることだった。


 恩義に報いるためと、商業ギルドの仕事も早くて預けていた荷馬車に必要品リストの品々が全て積み込まれていた。


 ガルロとクォラが荷物の確認を行う間、商業ギルドのマスターと娘がやって来て改めて俺達に御礼を述べた。


 商売人だったからか、偉い人だろうに律儀な人だと思う。

 ギルドマスターの娘リエラはすっかりサンドラになついていて、大きくなったらお姉ちゃんみたいな冒険者になると宣言して周りを慌てさせていた。


 名残り惜しくもあるがラクトの号令で隊商は帰路につくのだった。

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