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恐怖
通報の件で、とりあえず駄菓子屋は出入り禁止となった。万引(当時は余程のことでなければ警察で済んだ)した中高生でも出禁になってないから不公正のようだが、そもそも民間の駄菓子屋には公正な処罰をする義務など無い。
駆け付けた巡査は下らないことで電話しないようにと挫に説諭しただけで、むしろ憐憫の籠もった目で見ていたが。
形式だけでも警察官に説諭されたということは、幼い挫にとっては甚だしい恐怖だった。
入学したばかりの小学校では、物々しくも校長室にまで呼び付けられた。
激怒して挫に電話を厳禁した母は、父が挫を甘やかしているからだとして詰った。
父は小学生に政治は解らないとか、請願権がどうとか呟いていたが容易に聴き取れなかった。
挫の幼少期もう少し続く