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異世界に常識は通じない

 あまりの光に目を閉じていた俺は、ざわざわと騒ぐ無数の気配を感じてゆっくりと目を開いた。そして、周囲を呆然と見渡す。


 自分たちがいるのは美しい光沢を放つ滑らかな鉄と鋼の建築物のようで、これまた美しい彫刻が掘られた巨大な柱に支えられ、天井はドーム状になっている。


 素晴らしいと自然と湧き上がるような荘厳な雰囲気の広間には学生服やスーツに身を包んだ10人。見たことのない人間ばかりで、同じように地球から召喚されたのか、呆然と周囲を見渡していた。


 俺は背後を振り返った。そこには、やはり呆然としてへたり込む鈴雨の姿があった。怪我はないようで、俺はホッと胸を撫で下ろす。


 そして、前を見ればそこには愕然として、他の人達の尻に敷かれたレオの姿があった。擦り傷だらけで、俺はハッと鼻で笑う。


「よくぞ参った異世界の民よ。私はこの国を治める王、トラオア・ヴィッセンシャフト………」


「わー!! 初めまして、みんなー! 私はミューズ! この世界の歌姫だよ、よろしくねー!」


「ミューズ、話の腰を折るんじゃない」


 ん?どういうことだ?

 えっ?これってまさか……


「い、異世界転移!?」


 俺は驚きのあまり、目を見開いた。

 まさか異世界転移?馬鹿な、そんな漫画や小説みたいな世界があってたまるか!


「本当だ!凄い!たしかに地球の景色じゃない!凄い! なんつーか、超近代的だ! SF世界みたいだぞ!」


 窓から景色を見たレオが騒ぎ立てるが、そんな事よりも重要な事があった。


(なんだ………この気持ち悪りぃ音は)


 異世界召喚とやらをされたのもそうだが、周りの自分達に跪き、祈りを捧げるように両腕を胸の前で交差するように座る全身白のローブに身を包んだ人物達からは人間とは思えねぇ()がする。


 どちらかと言えば機械で動くイヌなどのおもちゃを前にしているようだ。


「まだ混乱もしているかも知れんが、私達は君達を危害に加えるつもりはない。だから何人か、警戒を解いてはくれぬか?」


「うんうん! パパの言う通りだから、みんな仲良くしよー!」


 そしてその中でも誰よりも優しい音がするのはこの女。何の間違いか、俺が必死こいてやっていたゲームのメインキャラのミューズにそっくりだった。


 純真無垢な精神が形となったような汚れなき純白のプリンセスドレスに眩しい素足をミニ丈のスカートから惜しげもなく晒す。


 飛び跳ねるたびに感情の豊かさに比例するような双丘が上下に揺れ、レオを含めた男子たちは若干前屈みになり、女子は絶対零度の目を向け、鈴雨はこちらへ審議の目を向ける。


「そんな目で見るなよ………とりあえずこれ落としてたぞ。お守り」


『奏君はそんな事はしないと思うけど、それはそれさ。お守りありがとう』


 鈴雨が普段持ち歩いているお守りの指揮棒を返し、前を向く。


 そこには活発な印象を与えるツインテールもあざとさはなく、完成しきった美しさと可愛らしさを共存させた彼女は嬉しそうに俺たちを見て回っていた。


「あまり暴れるな、我が娘よ。あまり好ましくない視線もある故にな」


「はーい」


(チッ、バレてやがるな。あからさまに邪な音がするが、まだ暴れるには情報が足りねえか)


 その集団の頂点に位置するであろう男は40手前くらいだと思うが、それより若く見える褐色の肌に自身よりも燻んだ輝きの銀髪に、威圧を覚えるオレンジに近い金の瞳が俺に向く。


 奴から響くその音はこちらをまるであざ笑うかのようで。


「すまないが、誰かそちらの陣頭を取ってくれ。何、誰でも構わない。場所を移して、詳しい話がしたいだけだからだ」


「………分かった。皆、ひとまず私が指揮をとる。慌てずに落ち着いてついてきてくれ。私は教師だ」


 その言葉にざわざわと周りの状況を飲み込めない他の奴らも彼が発するカリスマに従い、教師がおさめにかかる。


 ようやく全員が状況を掴めたところで王は凛々しい表情を変えずに広間にいた全員に伝わるほどに声を響かせた。


「聞け民たちよ!召喚はここに成功した!彼らが悪しき存在『神の遣い』を倒してくれるであろう!」


 それを聞いた兵士たちはまるで照らし合わせたかのようなタイミングで雪崩のような歓声をあげた。


「今からこの世界の説明をする。ついて参れ。」


 そういって、トラオアと名乗った男は好々爺然とした微笑を見せた。




 *



 

 案内された場所では、煌びやかなつくりをされた壁に素人目にすら高いと感じられる謎の壺や美しい絵画、更に数十メートルはあるテーブルが並んでいた。


 おそらくここは晩餐会などをするような場所では無いかと思っていた最中に王が頭を下げる。


「君たちにも生活があったと思う。だがすまない。私達をどうか助けてほしい。」


「でしたらまずは幾つか質問をさせてくれませんか?」


 誰もが戸惑う中、すみやかに手を挙げたのは女性。長い瑠璃色の髪に柔和な目は柔らかく、朗らかな印象を与える。


 ──どこか見たことのある女だった。


「あれ? どうかした? か──」


 俺は馬鹿丸出しで、名前を呼ぼうとしたレオの足を踏み砕く。痛みで机に膝をぶつけた彼に視線が向き、女が冷たい目でこちらを向くがすぐに視線をもとに戻し、王に声をかける。


「名を聞いても?」


「はい。私は──星羅、空野星羅といいます。今から質問をしてもいいですか?」


「──空野、星羅」


 ──その名前に聞き覚えがあった。


「え、彼奴って真の………」


「じゃあ──」


『奏君。らしくないじゃないか。こんな人の目があるところで迂闊に声を上げそうになるなんて』


 その手の上に鈴雨の手が優しく重ねられる。それにより、急激に冷めていく感情が抑止となっていた思考を開放する。俺は一つ深呼吸をして自分の愚かな行為を反省する。


「危ねえ……危うく暴走するところだった。ありがとな、鈴雨」


『いいさ。ボクとキミの仲だろ?』


 机の下で俺の手に指を絡めてくる。俺の気持ちを察してくれているのか、何にしてもありがたいことだ。

 一連の流れに気付くものは殆どおらず、話は進んでいく。


「まず、神の遣いとは?」


「この世界を支配しようとする邪神を崇める集団の事だ」


 トラオア王が語ったのを纏めるとこの世界は元々八種族が暮らしていたらしい。


 エルフや妖精などから成る種族、精霊族。

 悪魔や吸血鬼、死神などから成る種族、魔族。

 鬼などから成る、鬼人族。

 獣人などから成る、亜人族。

 女性だけの狩猟民族で独自の島国文化の紅流族。

 海を支配する魚人族。

 そして全ての種族の原点に当たる、人族。


 以上の7種族からなっていたが800年前に元々は機械神と指揮者と呼ばれる存在が世界を支配していたのだ。


 その悪逆に歯向かったのが、7種族の特異な者たちから成る『世界の交響曲シンフォニア・チューン』と呼ばれる集団で、機械神を打倒し、ある3人と神の子により封印。指揮者を倒した後は彼が世界の守護神として治めていたらしい。


 だが次第に本性を現し、新たな神が世界に再び災いを招いた。仲間たちも闇に堕ちたため、『Xノイズ』というこの国が誇る最強集団が神を倒し、世界を救ったのだ。


「だが歌姫と神子を逃し、機械神の封印が解けなくなってしまったのだ。神子は今も何処かで残党を率いているのだろう」


「もしかして………【歌姫】【舞姫】【鳴皇】の3人と神子からなる封印ですか?」


「ほう、良く知っているな。如何にも。舞姫は既に確保したが、歌姫を逃し、鳴皇も姿を隠している。君たちには手始めに歌姫と鳴皇、神子の捜索を願いたい」


「災難ですが、先程のXノイズという人たちに頼めばよろしいのでは?」


「それでは人手が足りん。彼らは既に国に散らばっており、原因を調べる事に集中してもらいたいのだ。そのため、神の子を捜索する人手の為に君達をよんだ」


「ちょっ、それって『レゾナンス・ワールド』のストーリーそのものじゃないか!」


 いきなり話に入ってきたのは黒髪を無造作に纏めた、地味な顔立ちの高校生。

 だが咄嗟の発言だったのか、すぐに縮こまり、俯いてしまう。


「………何を言っているか分からないが、話を続けても構わないかな」


 トラオアが俺たちを呼び出した理由を語る。ゲームとは一緒だが、違う点がいくつもあるのはどういう訳か。


「確かに、さっきが見た外の景色を見ればなぁ」


『でも、ボクの記憶よりかは進んでいるようだけど?』


 そう、ゲームの中で、科学の国は主人公が持ち込んだ知識で更に発展が進んでいくのだが、この街は既に完成しきっていると言っても過言ではない。


 それにさっきからトラオアもミューズも波長が乱れている。つまり、話してる内容全てが嘘であるとの証明だ。


「それで? 科学の技術で私達を呼び出したのなら、何をやらせるつもりだったんです? 自分達の世界のことさえ自分達で解決できない貴方達が」


「まず、君達には『ユニゾン・レ・ビジュ』を探して欲しいのだ。これは鳴皇と呼ばれた男が身につけていたもので、歌姫や残党もこれを探している」


 話を聞くと先代の仲間たちが隠した神子、歌姫は既に居場所の検討はついてるらしい。


 そして3人と神子が、仲間の証として作成した7つの装飾品こそ『ユニゾン・レ・ビジュ』、略して『ULB』である。


 曲調になぞらえた7つの装飾品があり、そこに刻まれた大いなる力を欲しがり、今なお血眼になって探す者もいるとか。


 現在では、鳴皇が死んだと同時に彼の『ULB』は世界に飛び散り、確認できているのは僅か4つ。手元にあるのは3つしかないらしい。


 そして死んだ神やその仲間も、魂となって復讐からか彼らが作り出した科学の技術による防衛兵器に乗り移り、様々な悪事を働いてるようだ。


 まるっきりゲームの設定と同じではあるのだが、なら何で()()()()()()()()()()()()()()


「私達のやるべき事はULBを奪還し、呪われた奴らを殺害し、機械神を復活させ、世界からありふれた悲劇をなくす事だ」


「つまり、それが私達が呼ばれた理由になるんですか?」


「その通りだ。その為なら、我らは協力を惜しまない。例えば………」


 トラオア王が手を叩けば絶妙なタイミングでカートを押しながらメイドや執事さん達が入ってきた。そう、生メイドと執事である。


 秋葉にいるような年上おばさんメイドではなく、正真正銘の美少女、美女メイドである。

 執事カフェにいるようなエセ執事ではなく、正真正銘の美少年、美男子執事である。


「君達一人一人に彼らをつけよう。無論、何をしてもらっても構わない。好きにするがいい」


 途端に盛り上がる歓声、レオの奴も叫んではいるが、俺はただ黙って座っている。


『勿論…奏君は違うと信じているよ?』


「心配な目で見つめてくる鈴雨がいる以上、俺は叫んだりしねえよ」


 むしろ、完全に不味い状況だと思っていた。何故なら、トラオア王から響く音はどうやっても詐欺や悪事に手を染める音しか聞こえねえからだ。


 そもそもこいつらだって、好きにしていいとは言っているが、完全に監視目的なんだろう。体内から機械の駆動音が聞こえる。


(人間なのはトラオア王だけ………メイド達すら機械兵ってとこか。ハッ、怪しすぎるにも程がある)


「鈴雨、レオを現実に引き戻せ。俺の合図で逃げ出すぞ。ここはなんかヤバい音だらけだ」


『任せておくれよ』


 鈴雨がレオを引っ叩く間に、トラオア王を見れば彼はこちらを観察するように見ていやがる。


「俺は──やるよ」


 だが、立ち上がった青年を見てそちらに皆の注意が向く。いかにも自分が主人公だとばかりの眩しいオーラを醸し出す男は俺たちを見て、


「皆もよく分からないこの世界の人達が滅亡の危機にあるのは事実なんだ。それを知って、放っておくなんて俺にはできない」


「そうか。他には?」


 トラオアは深く頷くと周りを見渡す。だが辺りから感じられるのは戸惑いと嘲り、そして悲嘆だ。


「その………わたしには無理です………帰らなきゃ、わたしを待ってる人がいるんです」


 おずおずと手を挙げたのは先程の肉感的な女性だ。グラビア顔負けのスタイルに男達の獣じみた視線が刺さり、彼女は萎縮する。


「それならば帰ることも可能だ。ただし、もう2度とは呼べない。それでいいか?」


「は、はい! 構いません!」


「そうか、ならば案内しよう。連れて行け」


「──待て。俺たちもだ、連れてけ」


 トラオアが割り込んだ声に振り向く。彼は俺とその隣にいた鈴雨、礼央を見て瞑目すると。


「いいだろう。私もついていく。詳しい説明をする為にもな」


 そんな言葉を嘘だらけの波長を晒して言ったのだった。



 *



 案内されるがままにやってきたのは小さな部屋。その扉に機械兵数人と俺たち、遅れてトラオアと空野と呼ばれた女性が入室すると、


「では早速始めようか。まずは………」


「とぼけんのもいい加減にしやがれ。俺たちに帰還させる気はねえんだろ?」


「──ほう?」


 扉が閉まる音とともに、トラオアと機械兵が武器を向けた。その言葉に女性が悲鳴をあげる。


「さっきから波長が乱れまくってるぜ。嘘下手だな、テメエ」


「ふむ。なるほどやはり気づいていたか。いやはや、余りにも馬鹿ばかりで困っていたところだ」


 刹那、空気を切る音がした。


「『「!?」』」


 壁に隠されていた砲塔から撃たれたのだろう、反射的に光によるバリアで防ぐ。


『魔弾!』


「無効!」


 鈴雨は振るった腕から生まれた青い光が目の前で不可視の弾丸を相殺。

 礼央はそのまま不可視の弾丸を受けるが無傷だ。


「ほう、アレを防ぐとはな………だが1人忘れていたな」


 俺たちはその言葉にトラオアの指差した方向へ注目した──してしまった。


 そこには脳漿をぶち撒けて、帰りたいと願っていた女性が敷き詰められた鮮血の絨毯に倒れ伏していた。

 何が起きたか分からないその表情からまだ生き返りそうで。


「そんな目で見ても無意味だ。死んだ命は還らないし、生き返ったりもしない。ただの物資にしかなら──」


 刹那、トラオアの鼻先を銀光が駆け抜ける。


「──ぐだぐだ御託はいいんだよ」


 今更言葉なんて必要がない。起きた現状が相手の問いかけで俺のこれが答えなのだから。


「殺す理由はなかっただろ。幸せになれそうな奴を殺して何がしてえ?」


「聞いて、納得などしないだろう? しかし、なるほど。光を操る力か。素晴らしい」


 トラオアの目には先程放った光、それを生み出す光球が4つ浮かんでいるように見えている筈だ。

 なら、人間の体なんて平気で吹き飛ばせるそれを前にして、


「ふむ、あまり嬉しくない者もいるようだ。私達に協力してくれればゲームで培った力も簡単に手に入るというのに。そうだろう?」


 さも当たり前のように会話できる。恐怖なんて感情を捨てて来やがったのか!?


「………生憎だが、こちとら欲しいもんは持ってるんでね。協力する気はさらさらねえ」


「そうか、例えば君の主人公のヒロインが嫁に出来るとしてもか?」


「………」


 つまり、こいつはアレか? 俺のゲームの主人公のヒロインを実際に嫁にする為なら協力を惜しまないと?


 確かにゲームの世界なら俺が選んだヒロインも実在しているだろう。


「なるほど、悪くねえ条件」


「そうだろう、ならば素直に協力………」


「──っていうかバーカ! 俺は他人が幸せになってる光景が見てぇだけで自分が幸せになるつもりはないんですぅ! そもそもゲームのヒロイン達はぜーんぶ主人公のもんだから! 俺のものじゃねえから! 主人公とヒロインがイチャコラしてるのを俺は見てぇんだよ! 押しcpのイチャイチャを壁になって見たいの! 自分がやりてぇわけじゃねぇェェェ!!」


『奏君。キミの好きな物を話す姿、ボクは好きだけど、少なくとも空気は読もう』


 カプ厨たる俺の熱い思いが迸ったが鈴雨の冷たい言葉に現実に引きずり戻されていた俺は咳払いをして、構える。


「………ともかくテメェに協力する気はねえ。悪いが俺らは好き勝手にやらせて貰うぜ」


「申し訳ないが、全てを聞いた後にそれは許されない。戻るが良い、忠告は一度だけだ」


 思わず息を呑んだ俺へ、トラオアの言葉が、広まり、この場にいる全てが敵に回る空気を感じる。


「そうか、でも断るわ。テメェみてえな腹に一物抱えてる奴とやれるかよ」


 張り詰めた雰囲気の中、トラオアが指揮を下す。


「なるほど、馬鹿とはいえまとまり出した輪を乱されるのはこちらとしても困るところだ──殺せ」


 王の号令に兵士達が俺たちを囲む円を小さくしていく。鈴雨とレオの体が緊張していき、一首即発の雰囲気が漂う。


 そんな中でただ俺は、


「全てに置いて理解なんざ出来ねえが………」


 今、やらなきゃいけないことをはっきりさせた。

 後はそれを行動に移す為に動くだけだった。


「──他人の幸せを破壊する奴に容赦はしねえ」


 何もしない俺へ向けて愚直に踏み込んできた兵士の1人が全身からオーラのような物を迸らせて、手を伸ばし──




「──俺は調律者だからな」




 一方的な蹂躙が始まろうとした瞬間、激しい音が聖堂の中に響き渡った。


 音はすさまじい勢いを伴い、弾丸のように吹き飛ぶ物体、それが手を出した兵士だと気付くのに数秒かかった。


「ちょっとぉぉぉ! やりすぎだよ、どう見ても! それは使う必要あった!?」


『最初っから全開じゃないか、奏君! この間に逃げるとしようじゃないか』


「ピーピーうるせえ。発情期か、テメェら」


 完全に臨戦態勢へと入った俺たちは、涼しい顔をしてこちらを見ているトラオアに指を突きつけ、


「『調律者』 調律奏」


「『代行者』 風桐礼央」


『『泡沫の福音』 清水鈴雨』


 俺らは名乗りを上げて、体全体から光を発する!


「覚えとけ、召喚者」


 光り輝く世界の中で、俺たちはその場から踵を返して、走り出す。

 知りたいことや聞きたいことが山ほどあるが、全て忘れろ。


 優先順位を履き違えるな、調律奏。お前が優先すべきは幸せにしてやりたい善人たる仲間の安否ただ一つだ。


 だから、俺はこの言葉を持って宣言しよう。


「謝っても、もう遅いぜ」


 新たなる異世界の旅路の始まりを! 

ブクマと感想よろしくです

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