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幼い少女に助けられた魔王。  作者: 名前はまだ決めてない。
3/3

新しい人生。

ーーーー何やら周りが騒がしい。


"おい!脈があるぞ!"


 どうやら俺は生き残ったらしい。我ながら恐ろしい身体だ。


"おいおい、あの高さだぞ?"


 何を勘違いしているのだろうか。俺はガルアの爆裂魔法で死にかけたんだ。

 高い所へは行っていない。


 俺はゆっくりと重いまぶたを開く。


「あ!目が覚めた!」

「け、けど...髪の色が...」


 そこには沢山の人間が思い思いに俺の顔を覗き込む。


 髪の色?俺は自分の自分の長い髪の毛をひと束程握る。


 あまり変わった所はないはずだが。


 それよりも先程から身体がどうも軽い。


「俺は一体...どうしたんだ...」


 どうやら声は出るらしい。


「!!目の色が!?」


 目の色...?どういうことだ?


「こ、この鏡をどうぞ...!」


 俺は差し出された覗き込み、絶句する。


「こ、これはーーーー!?」


 燃えるように赤く透き通った目、黒く長い髪には所々赤いメッシュが入り、それはまるで生前の俺だったが、しかし、顔といい、身体付きといい、どう見てもこれは...


「人間......ッ!」


 すると周りにいた人々はクスリと俺の一言を聞いて微笑む。


「何を言ってるんですか?"ヒースランド第一王子"、"エリス・エクターゼ"様」


......それはまさしく、人違いですが。


 どうやら俺は、人間へと転生してしまったようだ。


◆ ◆ ◆


「これは一体どういう事なんだ...?」


 俺は自室だ、と案内された部屋に入ると、すぐに貰った鏡を覗き込む。やっぱり...どう見ても...


「人間...だよな...」


 この白い肌の色にこの身体付き。まさしく人間だ。


 年齢も、15歳位だろうか。


「......それよりも。これなら...」


 この姿ならば...!前世で俺がしたかった、世界を平和にする事が出来るかもしれない。


 そうとすれば早速行動開始だ。


「何かする事があるだろうか」


 まずは役人達の負担を減らすべきだ、と考えた。

 そこでこの王宮内を忙しく歩き回る役人に話しかけるが、皆反応は同じだった。


"いや、そんなお気づかいなく..."

"これくらいは自分で出来ますから"

"いいですよ。結構です"


(何がだめなんだろうか...)


 もしかしたら俺がダメなのかもしれない。

 はぁ、とため息をついたその時、


「おや?兄上。まだ生きていたのですか?」


と声をかけられる。


「まだ生きていたのか、とはどういう意味だ?」


 振り返るとそこには、俺とは違う金色の髪色に、青い瞳。そしてかなり整った容姿の少年が立っていた。


「いや、どうもこうも。兄上は足を滑らせて2階のバルコニーから落ちてしまったではありませんか~」


 そういえば、役人の者がそんな事を言っていた気もする。


「どうせ兄上の事ですし、父上の興味でも引きたかったのでしょう。それに急に役人から仕事を受けようだなんて...片腹痛いですね」


 兄上...ということはコイツはこの身体の主...エリスの弟、となることだな。

 それにしても、なんて一言一言長いんだコイツは。


 まぁ、いい。こういう輩は触れない方が良いに決まっている。


 俺が無視して立ち去ろうとした時、弟は「兄上!」と叫ぶ。

 どうやら無視されたのが彼の怒りに触れたらしい。


「兄上と違って優秀な僕、グリストが次期王になるんですからね!」


ーーーー全く、うるさいヤツだ...


 少しからかってやるか。


 俺は右手をそっとグリストへ向けると、「弱閃光魔法<フラッシュ>!」と最弱の目くらましの魔法を唱える。


が、閃光は放たれず、グリストは腹を抱えて笑い出す。


「も、もしかして、魔法を使ったつもりですか!?魔法を使うには祠を突破しないと使えないのに?」


ーーーー祠?


 一体どういう事だろうか。しかし、キチンとグリストはひとりで全て話してくれる。


「世界中に突如として現れた、謎の光の入口、"ポータル"から祠に入りそこで命をかけた試練を突破した者が魔法の力を使える様になるというのに兄上が使えるわけないですよ!!」


ーーーーつまり、今は使えない...


 俺ーーーールクル・エクターゼは少し、焦りを覚えていた。


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