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幼い少女に助けられた魔王。  作者: 名前はまだ決めてない。
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せかいはへいわになった。〜そして転生。〜

ーーーー魔王城。


 城の中の魔王の御前。つまり俺がいつも座っている少し大きめの椅子の目の前に魔法陣が現れる。


「ふぅ、やっと帰ってきた」


 魔法陣は眩い光を放ち、眩い光が1本の光の柱へと収束すると、そこに俺が召喚される。これが帰還魔法だ。


 俺は帰るとすぐに、爆裂魔法をとても力を制御して繰り出してみる。


 するとちゃんと爆発が目の前に小さく起きる。


「ふむ。ちゃんと出るな」


 これには訳があった。


"涙を流すと魔女は力を失う"


 これは魔王でも通じるのかと一瞬焦っただけだ。


 何しろ涙を流したのはこれが初めてだった。

 

 とっくに爆裂魔法での炎は消えたが、俺の心の中には何かポカポカと暖かいものがあった。この感じは...


「おやおや、魔王様。おかえりなさいませ」


 そう現れたのはまるで中世の魔法使いの様なフードを着たガイコツは、俺の忠実な下僕、"ガルア"。


 普段は死神のリーダーとして小隊をまとめており、俺の幼少期の頃から俺の忠実な下僕である。


「ガルア、頼みたいことがある」

「はて、なんのことでしょう」


 俺は今日の出来事について全てを語った。


「それでだ。俺は感動したのだ彼女の心意気に。それで私はこの感情を皆に共有したいのだ。これからは侵略班は全て撤退し、1度破壊した所を全て修復していくのだ!」


 そこからは目まぐるしい日々だった。


 総員でありとあらゆる橋や、塔などを修復したり、俺自身が大量の食料を貧しい村へ運んだりした。


 しかし、あまり人々の反応は良くなかった。


「魔王だ!逃げろ!」

「出ていけ!魔王!!」


 石を投げられたり、魔法をぶつけられたりといった反応だった。


「......全くどうすればいいのだろうか」

「......提案があります。魔王様」


 困り果てた俺はガルアへと質問するとガルアは不気味に笑みを浮かべる。


「......それはですね」


 ガルアがそう言った瞬間、俺の周りに魔法陣が現れ俺は結界の中に閉じ込められる。


「ーーーーッ!これは、完全結界!?ガルア!どういう事だ!!これを解放しろ!」


 ガルアは不敵に笑みを浮かべ続け、俺は少なからず恐怖を覚える。


「もう私は貴方にはついては行けません。これはもう、世代交代をしなくてはならないですね。それでは魔王様。さようなら」


 次の瞬間、私の結界の中は凄まじい爆発が巻き起こる。


 ガルアが爆裂魔法を撃ち込んだのだ。


ーーーー痛い?熱い?そんな事考える暇もない。

 俺はただ、自分の身体が爆裂魔法で滅んでいくのを感じていくだけだった。


 だんだんと意識が朦朧としてくる。

 もう何も考えられない。


(何がだめだったのだ...?俺はただ...皆を...)


『皆に...世界を平和にしたかっただけなのに...!!』


 なんだ?今のは...


 突如として男の声が頭の中を駆け巡る。


『だれか...僕の代わりに、世界を...平和にして欲しい......ッ!』


 まるで、俺の心を覗き込んでいるようだった。


 俺の考えていることと少し言い回しは違うが、意味は全く同じだった。


ーーーーそうだな...俺もできることなら...生まれ変わった時には、人間になってみたいものだな...


「それではお別れです。魔王様」


 ガルアのこの声を最後に、俺の意識はそこで途切れたのだった。



ーーーーこうして魔王は死に、世界に平和が訪れた。

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