危機を撃退。しかし…
◇◆◇海竜の祭壇◇◆◇
シュンナと兵士はほぼ同時に目的地、仲間に合流できた。
レオン「あ、シュンナ。ごめん。まだ新しい場所や食料も…」
シュンナが疲労してるのを見て、栄養不足でまいって居ると判断して謝る。
ラプーン「別に謝ることないだろ」
死んだら餌にする。
可愛がって居たのは知ってるが、死ねば餌にしてやった方が幸せだろ。
違うのか?
喰わないなら俺が喰うけど?
ジーラス「ラプーン君、レオン君が手塩に掛けたんだから。そんなことを言うのはどうかと…」
冷たすぎるとラプーン君に注意する。
2人が喧嘩するのは避けたい。
シュンナ「そんなことより大変なの!? 」
王都を地獄に変えた軍の兵士が来たと伝える。
それを聞いたラプーン君は、ここ最近の食糧不足が解決するんじゃと大喜び。
ジーラス「地上人の狩人(兵士)…」
巨大海月との撤退戦を経験して数時間しか経っていない。
もう新しい戦闘になることに、ジーラス君は乗り気になれない。
レオン「地上人・人間。軍が一体何しに……」
王都中の死体と言う死体を一人残らず回収していった連中が。
わざわざ無人(※常識的に考えて)の跡地に来る理由が思いつかない。
シュンナ「助けてよ!? 」
今日まで料理を作らさせたのは、私を必要だからでしょ!?
助けてよ…!
レオン君の足にしがみ付き。
やって来た軍を蹴散らしてと懇願する。
魚人族に今だ心を開いていないが。
愛想をこれでもかと振りまく姿は、生き残る為には仕方がないと言える。
◇◆◇野営地(準備中)◇◆◇
宝石人族の王都跡地から東。
単独行動してテント張りをさぼっていた奴が慌てて戻ってきた。
兵士1「なんだ♪? ゴーストタウンで、幽霊でも見たのか♪ 」
兵士2「おいおい♪ 幽霊はないだろ♪ どうせ一人が寂しかったんでチュよね~♪? ほ~ら、お前のママだぞ~♪ 」
ギャハハハハ、ウケルゥ♪♪ と野営地の至る所から笑いが起こる。
少佐「何を騒いでいるーーー!? 」
設置済みの本部テントから、今回の任務で昇格した少佐が怒鳴り声を上げて現れた。
少佐「騒ぎの原因は誰だーーー!? 」
一斉にさぼっていた兵士に視線を向ける。
少佐「で、何で馬鹿笑いしていた? 」
兵士「は、はい。王都の跡地を捜索しておりましたところ」
単独行動が独断専行になる情報を言わなかったら。
帝都に戻ったら上司に伝えて、こってり絞らせてやると考えながら報告を聞く。
少佐「何? 生存者が? 」
兵士「はい、この目で見て。自分の体にぶつかりました。本物です」
ざわざわ ざわざわ
周囲で成り行きを観ていた兵士達も驚く。
お手柄じゃないかと、戦闘~…と正反対に分かれた。
少佐「8人で1つの隊を作り。3個小隊で現場を調べてこい」
一人は情報を得る為に生け捕りだぞ。
兵士達『アイアイサーー! 』
斥候の経験があるのを優先的に組み込み。
3個小隊、24人は兜と小盾を装備して調査に向かう。
女兵士「あーぁ。斥候なんて一番危険じゃない」
兵士「文句を言うな。お前がしくじれば俺等全員が危険に晒されるんだぞ」
仲も面識の無い寄せ集め小隊は早速問題にぶつかる。
任務を早く終わらせて休暇の残りを使いたい者。
誰かのチクリの所為で、本来遣らずに済んだ仕事に嫌々な者。
両方に愛想を振りまいて、保身を第一に考える者。
3つの主な人物達の所為で、生存者を見かけた区画に半包囲で接近する作戦が失敗。
第一小隊隊長「お前等がもたもたしてるから」
第二小隊隊長「お前等の小隊だって、遅かっただろうが」
第三小隊隊長「お前等だ。斥候が真面目に働かないからだろ」
やんのかおらと。
3個小隊が合流したのにも関わらず、生存者発見できず。
失敗の責任もとい、次は何処を探すで揉める。
それを見てる部下達も揉める。
少佐が選んだ人選がダメダメ。
勝手に動いたアイツが生存者・逃亡奴隷を発見できたんだ。
俺等も勝手に動こうぜと。
勝手に動こうとする者を思い止める口論から殴り合いに発展。
隊長達「「「ヤメロ! ここは適地だぞ!? 」」」
部下達『大声出すんじゃねえよ…』
敵に居場所を教えてるんじゃないとキレる。
隊長達は誰の所為だよと一旦他の小隊から離れるぞと指示を飛ばす。
渋々、苛々と距離を置き。
全員が冷静になるのをしばし待つ。
ラプーン「おりゃぁーーー! 」
ギャアアアア?! 敵襲ぅぅ!?
第一小隊隊長「奴隷じゃないじゃないか?! 」
第二小隊隊長「そんなことは! 今はどうでもいいだろ!? 」
レオン「せいやぁぁ」
第三小隊隊長「固まるな!? 包囲しろーーー!? 」
ラプーン君は手頃な餌(殺すのに手こずるかも)を見かけると特攻。
レオン君やジーラス君の作戦(段取り)を忘れて暴れた。
包囲されそうなラプーン君を助けに飛び込んだレオン君。
ジーラス君は物陰から煉瓦や廃材を投げて、2人の援護。
第二小隊隊長「ぐは」
兵士9「隊長が殺されたーーー!? 」
女兵士13「野営地に逃げんのよ!? 」
レオン「逃がすか」
ジーラス「えい (ポイ) やった♪ それ (シュッ)」
兵士20「ぐへ?! 」
兵士23「おい? どうし・ぐふ?! 」
女兵士21「危なかった。今のうち」
保身で我先に逃げる男達の裏に回り込み、ジーラス君の投擲を回避する。
ラプーン君の予測不能の立ち振る舞いに翻弄されている隙に。
レオン君が一人ずつ確実に命を奪うか、重傷を負わせていく。
第一小隊隊長「て! 撤退だーーー!? 野営地にいる本隊と合流しろーーー!? 」
ラプーン「逃げんな!? 」
第三小隊隊長「おいーー!? クソ。“アレ”があればこんなヤツラーー…」
アレとは【スキルスイッチ】のことである。
■野営地■
少佐に任命された者とは別に、部隊の動向を知らせる役目を受けた横領罪とは無縁の諜報員が居た。
今現在、隠れて長距離通信機で大隊長に指示を乞う。
大隊長〈そうか。魚人族が〉
諜報員は騒ぎの情報をパズルのピースの様に嵌め合わせ。
大隊長に褒められる情報を伝えた。
野営地が襲われたら、情報を届ける名目で逃げる許可を得る。
諜報員(ラッキー♪ 通信終了後、堂々と逃げれる♪ へへ♪ )
通信を終了し、通信機を大事に片づけていると。
テントの外が騒がしくなっていく。
諜報員「逃げるにはちょうどいいな♪ 」
革鎧と新型の【スキルスイッチ】を装備し、ギャアギャア騒がしい野営地を東に向けて駆け抜ける。
ラプーン「餌が大量だーーー♪ 俺が魚人族、最強だーーー♪ 」
レオン「ラプーン君!? ちょっと飛ばしすぎだよーーー!? 」
ジーラス「ソーー… (強そうなのが沢山居る…)」
兵士「魚人族だーーー!! 重装備の奴は! 盾約になれ! 軽装備じゃ話しになんねぇよーーー!? 」
少佐「貴様ー!? 指揮を執るのは俺だーーー!? 」
諜報員(あばよ無能な指揮官♪ )
軍馬「ヒヒィィン! 」
戦意喪失で同じ様に馬で逃げられると困る。
だから投げナイフを馬達が繋がれている方角に飛ばす。
もくろみ通り馬達は暴れる。
兵士1「お、落ち着け? 俺を帝都に連れてってくれよ、なぁ♪? 」
兵士2「うぉおぅ!? 俺だ? 落ち着いて俺を背に乗せてくれよ? 」
騎乗できずにいるところを、馬ともども最年少最強の魚人族2人が襲った。
諜報員はその阿鼻叫喚を笑顔で聞きながら街道を駆け抜ける。
少佐「に、任務が……極秘任務が…」
“失敗”
それすなわち横領罪で裁かれる。
軍法では重労働か、絞首刑に処される。
少佐「・・・・」
それだけはと頭を回転させる。
何か打開策が無いかを。
そしてすべての元凶の魚人族に目を向ける。
少佐「貴様らさえいなければ~…」
ちょっと奮発した剣を握り直し。
猛攻撃している2匹の目障りモノを見据える。
そして隙がある方ではなく。
そいつを援護する方を殺せば両方共と考えた。
少佐「であぁりゃぁあああ!! 」
レオン「うわぁ! 」
逃げ腰だし、消極的な兵士達しかいないけど。
油断せずに戦っていたのだが。
大声を上げて迫ってきたのには、さすがに意表を突かれた。
腕で防げるのに、わざわざ大袈裟に避けてしまい。
少佐の殺意が乗った連続切りを躱し続けることになった。
レオン「顔を狙ってくんなよ!? 」
少佐「その魚臭い顔を卸してくれる!! 」
オーー♪! オーーゥ♪! オーオウオウオーー♪!
少佐が2匹の魚人の内、片方に優勢だと。
遠巻きでどうやって逃げ切ろうと考えていた兵士達が歓喜の雄叫びを上げる。
ラプーン「勢いづいた? はん。なら、掛かって来いよ♪! 」
追い駆け回すのが面倒だったからちょうどいいと。
ラプーン君はこそこそおどおどしてるジーラス君に「逃げがすなよ」と指示を飛ばす。
ジーラス「え。うん、頑張ってみるよ。 (シュッ)」
既に何人かがこの場から逃走したのを知っている。
シュンナは海竜の神殿で立て籠もって居る。
ジーラス君は王都跡地に行かれない様にしつつ。
逃走する兵士の背中や足に物を投擲する。
シュンナの魚人族・レオン君達の好感度がこの事態解決で上がった。
ラプーン「俺達の勝利だーーー♪! (ブチ)」
レオン「服ごと食べて大丈夫か? 」
ジーラス「2人とも無事で本当によかったよ~♪ 」
野営地は滅茶苦茶。
死体も一か所に集めず。
ラプーン君は近くにあった死体を摘まみながら2人に「俺はどうだ」と意見を求める。
レオン「ちょっと危なかったんじゃないかな」
ジーラス「うんうん」
無謀だった。
だが素直に言うと話しが進まないのを知ってる2人は。
ソフト、オブラートに包んだ言い回しでラプーン君の輝かしい勝利を褒めたり、笑い合う。
ラプーン「やっぱ俺(強者)だからだよな~♪ (ボリボリ)」
ラプーン君が満足したみたいだなと目で確認し合い。
レオン君はシュンナが気になると抜け。
ジーラス君は死体を一か所に運んでおくと離れていく。
ラプーン「もっと俺の戦いを聞かせてやりたかったのに。(ブチ)」
クチャクチャとジーラス君を手伝う。
軍馬達『ヒィーーーン!! 』
手綱がしっかり繋がれている馬達は喉元を噛み付かれて殺された。
今晩の夕食行きである。
シュンナを連れてきたレオン君は、移動手段がとラプーン君に言うのを忘れた数分前の自分を責める。
荷馬車が使えれば新しい匿う場所を見つけられる可能性が大きかった。
レオン「・・・・」
シュンナ「・・・・」
馬達の首が「コンニチワ」と。
せっかく上がったシュンナの好感度を下げるのも合わさり。
2倍がっかりなレオン君だった。
◇◆◇リーヴェンス帝国◇◆◇
諜報員の緊急連絡で情報を得た軍の上層部は、包囲殲滅作戦での。
部隊が忽然と殺戮された事実の真相で、頭を抱える。
上級大将1「なんなることだ…」
上級大将2「元帥、どのような対処をしますか? 」
元帥「・・・・」
会議は軍の一番号棟内、長テーブルを挟んで執り行われいた。
軍のトップに「内密に」と言われていた極秘作戦遂行中に。
まさか目的地到着早々に、恐れていた知らせが来るとはこの場のだれにも予想してなかった。
誰も大隊を殺戮できる魚人族と戦いたくない。
「お前が行け」「お前、手柄挙げてこい」とお互いに眼力に訴え合う。
元帥「誰が討伐に行く」
上級大将1「私は栗鼠人族の国を侵攻するので…ちょっと無理です」
上級大将2「む。私もその侵攻の準備で忙しくて。代わりに○○中尉ならやり遂げてくれるかと」
この場のトップ達が階級を傘に。
下士官の成り上がりを強く望んでる者達に白羽の矢を立てた。
※敵は宝石人の生き残りと偽って知らせた。
上級下士官「下剋上だ♪! 」
伍長(女)「気に入らない上官を蹴り落とすチャンス♪ (グゥ)」
レオン君が落ち込んでる時にはこうして。
第二の矢が装てんされていた。
今度は正式な軍隊の派遣。
規模も装備も一切違う。
本当の殺し屋達である。
准尉「貴官等の健闘を祈る」
1個連隊『ありがとうございます! 任務を全うしてまいります! 』
新型の【スキルスイッチ】を一人ずつ持ち。
翌朝に帝都から出陣した。
出陣してから2日後の夕方の街道脇で、この任務が正式に決定することになった情報をもたらした英雄・諜報員と出会う。
諜報員「早いですね? 」
大佐「情報戦の成せる業だよ♪ ま、ゆっくりあそこのテントを使ってくれたまえ♪ 」
進級出来る好機。
ずっと冷や飯や泥塗れの任務ばかりをやらされていた。
そこから一生出れないと諦めていた。
だが、君のおかげで明るい未来が開けるかもしれないんだ。
と、諜報員をVIP対応で歓迎。
部下達も、他の隊員からも似たような理由で。
「俺のレーションは要るか♪? 」「私が水を注いであげましょうか♪? 」と。
諜報員、人生初のモテキかよと内心突っ込みを入れ。
気の毒な連中だなと同情しながら身体と乗って来た馬を休ませる。
諜報員が持っている【スキルスイッチ】の効果は、俊足補助。
使用者が触れている全てを風の膜で包み込み。
空気抵抗0にして、体重を0にする。
重力は使用者の最適移動に発動を、オンオフにする。
だからこんなに早く軍と会えたと言う訳だ。
諜報員「俺の物にならないかな♪ 」
【スキルスイッチ】の返却は無しで、任務の報酬にならないか。
誰かに聞かれたら不味い言葉だ。
が、VIP待遇なので防音対策はされている。
諜報員は一人うまうま過ぎて、何時しっぺ返しが来るか気にしてない。




