噂の場所へ探検
海面付近に流れる海流内に、小魚の群れが泳いでいた。
鯨のラプーン「レオン! 準備は言いな♪! 」
鰊のジーラス「ラプーン君。もうちょっと静かにしないと気づかれちゃうよ…? 」
「うん、何時でもいいよ! 」
レオン君はすっかり2人と仲良し。
今、3人で小魚の群れを狩る段取りの最終確認をした様だ。
「ああ、焼き魚が食べたいな…」
レオン君、魚人して魚生を決意して1年経つも。
人だった記憶の料理の殆どが食べられず。
毎日毎日、生の魚介、人肉に飽きていた。
が、不味くは無いんだけどさと。
今日も心の中で呟き。
小魚(餌)の前に飛び出す。
バッッと海流から抜け出し。
レオン君から逃げ出す小魚達。
海流から出たために泳ぐ速度は落ちた。
そこに予め逃げてくるだろうと網を張っていた2人が突如海底の若芽とかが群生している茂みから現れる。
ラプーン「やり~♪ 今日も俺らは餌を自分で獲れたぞ♪ 」
ジーラス「やったねラプーン君♪ レオン君もお疲れさま」
ラプーン「ジーラス。なんで年下のレオンを今だに呼び捨てにしないんだよ? 俺らが他のチビどもになめられるだろ!? 」
レオン君の血の狂乱を目の当たりにして。
自分では絶対に敵わないと本能に刻まれてしまったジーラス君。
うまく言葉をはぐらかし。
今日もラプーン君の怒りを収める。
ラプーン「…まあ、いいや。レオン。この餌はお前の取り分だ。ありがたく喰えよ♪ 」
「う、うん。ありがとう…」
生なんだよな~と。
また考えてしまうレオン君。
2人と一緒に他の魚人や海竜に餌を奪われないように。
岩陰まで移動する。
月毎に餌の収獲量が激減。
更に地上人が他の魚人達を殺したと言う噂も流れだした。
※住んでいた故郷にいられなくなった魚人達の情報。
「地上人(人族)はそんなに強いの? 」
ただ餌を食べているのも気まずいレオン君。
2人に今の魚人族の話題を振る。
ラプーン「餌(地上人)は餌らしく。俺のトーちゃん(ディディ)に狩られればいいんだよ! 餌が不味くなるから話題を変えようぜ。と言う訳で、ジーラスなんか楽しい話題はないか♪? 」
ジーラス「ええ! そんないきなりぼくに話しを振られても……う~ん? 」
父親が話していたことなんだけどと。
ジーラス君は海溝の何処かに。
地上まで繋がっている洞窟が在るんだと説明し。
その奥に。
餌にしている地上人(人族)とはちょっと違った餌が住んでいるんだと話しを締めくくる。
ラプーン「違った餌? 肉がすっぱいとかか? 」
「それか見た目が違う(他種族)か、かな? 」
ジーラス「さあ、ぼくも聞いただけだから…」
ラプーン「まだ明るいしさ。その洞窟に行ってみようぜ♪! 」
「危険じゃないかな…? (魚人族より強い種族だったらどうすんだよ。これだから子供は…)」
ジーラス「ラプーン君はぼくらの中(同世代)じゃ敵なしだもんね。それに洞窟を見つけても。その違った餌が留守かもしれないもんね。行こう、洞窟へ♪ 」
前世の実年齢を合わせると2人より年上なレオン君は。
これ、ヤバイフラグが立ったんじゃねと不安です。
ですが2人を見捨てると言う選択肢はありません。
何故なら。
前世の知識を言葉が喋れるようになってから話したところ。
同世代(1~7歳)の中で変人扱いを受けてしまい。
2人意外と友達がいないのです。
2人を見捨てれば。
1人で成人年齢(大体10~11歳)まで故郷で過ごす羽目に。
成人するまで、故郷(親元)から離れることはほぼ死を意味すると。
※魚人族の常識となっているからです。
例外もありますが…。
両親が死ぬということも。
レオン君を追い出すことも。
メルゲンさんもルチェルさんも溺愛するレオン君を1人にはさせませんから。
2人を失えば。
本当に成人年齢まで1人ぼっちの魚生をする羽目になります。
「そんなの経験したら。ますます変人扱いを他の魚人達にうけるじゃないか……」
レオン君は2人の後を追い駆けます。




