生まれ変わった遊太
...遊太は転生して、3才の頃に自我が芽生えた。
(あれ?俺は...確か...変な奴に殺されて...)
最初は混乱したが、辺りを見渡して見知らぬ部屋、鏡を見て、縮んだ自分の体から考えるに...
(俺っ!?生まれ変わってるっっ!?)
それどころか、 窓から外を見ると太陽が2つあり、明らかにここは元いた世界じゃないとわかった。
ガチャリ☆
ドアの開く音が聞こえたと思えば、遊太の見知らぬ優しそうな男女が入ってきた。
「こ...こんにちは...」
遊太は、反射的に入ってきた男女に挨拶すると、彼らは目を見開いて驚いた。
「「うちの子が喋ったっっっ!!!」」
喜びのあまり、興奮した彼らはよしよしとめちゃくちゃ頭を撫でた。
「うう...痛いって...」
「ああ、すまん。つい、嬉しくってな。」
「そうね、興奮し過ぎたわ。」
撫でるのを止めた二人は、少し落ち着いたようだった。
「生まれてこのかた、泣きも笑いもしなかったこの子が...3才になって、ようやく言葉を発するようになるとは...ついにこの子の名前を決める時が来たんだな...。」
遊太の父らしき男性が、感慨深いという様子で言った。
「へ?」
遊太は驚いてた。彼の元いた世界、少なくとも日本では3才になるまで名前を付けないなど異常である。遊太は最初、これがこの世界の常識なのか?と考えたがそうではなかった。
この遊太が転生し生まれたローリング家では、言葉が発っせるようになったら、子供自身に自分の名前を決めさせるというしきたりがあるのだ。
おかげでローリング家では、酷い名前ばかりだ。遊太の父の名はパパ、兄の名はオンブ、姉の名はダッコである。名前じゃなくてほとんど幼児がよく喋る言葉である。
そのせいか、遊太自身が自分の名前をユータと決めた時、変な名前だが名前らしいと、とても驚かれた。それどころか、流暢に喋っているところも怪しまれたが...
「かのアインシュタインも3才までまとも喋れなかったが、喋りだしたとたんに人並みに話すように聞く。そんなにおかしいことじゃないんじゃないか?」
と父が言い、
「なら大丈夫だわ!それどころか、アインシュタインと同じ天才じゃないの!?この子!」
と母が納得したため、この世界にもアインシュタインいるのかよ...と思いつつユータは一安心した。
ローリング家の次男が初めて言葉を話し、名前がユータが決まったため、ローリング家では今夜、豪勢なディナーになった。
「今日のディナーはコウモリのシチューよ!」
「「「ワーイ!!!!」」」
父と兄と姉は、多いにに喜んだが...
「うへぇ...」
ユータはコウモリまるまる一匹が入ってるシチューを食べて、一人だけ気分を悪くしていた。